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ねこと街

この街に引っ越してきて数年経つ。 

当時は首輪してる未去勢の猫や、耳カット(不妊手術済み)してるさくら猫もいた。 

そんな中、最初の2年くらいで、近所で仔猫を15匹以上発見した。
仔猫が庭で産まれたからと、保健所に電話しようとしてた家もあった。(保健所は捕獲に来ません)

これではいかんと、給餌者宅を探し、親猫含む猫の不妊手術と、その後の管理を頼めた家もある。 

一方で手術なんてしたくもないと、ドアを閉め、勝手にどうぞなんて家もあった。そんな所は、こちらで餌付けしてTNR (trapつかまえる neuter手術 return元の場所へ放す)した。 

ターゲットの子の餌付けの時、人に見られるのも怖くて目の前で餌を食べられないほどの臆病な猫もいて、生き延びれるのかと不安になった。こういうこの為に置き餌も必要なのかもと考えたりもした。

結局出会った猫さん、
保護できたこ、里親さんに繋がった子、さくら猫になった子、行方不明にになった子、亡くなった子。
いろんな運命が別れてしまった。 

幸いなことに、活動している中で、近所で20年くらい猫達をTNRしてくれているお宅がわかり、耳カットの猫さんはこの方のお陰で大体管理ができている。 

いろんな家とお話してわかったのは、殆どの餌やりさんは、こっそり餌はやるけれど、手術まではしない責任逃れをするタイプ。増える事を言われると野良は強いとか自然の摂理だとか、忙しいとか、屁理屈で責任逃れする。
でも本当に猫の事を思って、なけなしのお金でお世話をしている人もいる。そう言う人に声をかけて手術のことを話すと、協力してくれるし、自分で手術するようにもなってくれる。

猫はカラスや狸のような野生動物ではなく、人の助けを借りて人のそばで生きる動物だ。
今、外に居る猫達は、その地域に住む人達の飼っていた猫が、逃げたり捨てられたり、不妊去勢をせず外を散歩していて繁殖したりした結果なのであり、原因は人間の方とも言える。そんな生き物が目の前で飢えている姿を見て、手を差し伸べるのは人として自然な行為のようにも思う。

世間は責任を取らせる相手を餌やりさんに仕立て、猫が増えるのは餌をやるからだと間違った考えを持ってしまいがちだけど、繁殖制限(不妊去勢)手術をしないから増えるのだ。手術は何も特別な人がやる事じゃなくて、誰でも出来る。
お互いの助け合いの気持ちがあれば、コミュニケーションも取れ猫の問題も減り、街も暮らしやすくなるのにね。

野良猫が可愛いと、私は気安く思えない。その過酷さを少しは知っているから。
もちろん、本当は猫だって自由に外を出歩きたいだろうし、安全ならそうさせてあげたい。
花の香りを嗅ぎ、木に登り、虫と遊び、日向ぼっこできる環境ならどんなに幸せだろう。
でも、今の日本の外の環境はあまりに危険なのだ。 

今年は幸いなこと仔猫を見かけなかった。自己満足かもしれないけど、私はほっとしている。

そして、生きているのは私達人間だけではなく
多くの生き物達が側で生きている事が当たり前なのだと、視点を持つ事が大事だとおもう。

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