本日は天気晴朗なり4

テレビ局が天に昇る龍を天狗が鷲掴みにして一緒に遊泳飛行している映像を流そうと市に許可を求めるため何度も電話を掛けてよこした。やれ「報道の自由だ」やれ「我々は権力の圧力には屈するつもりはない!」と電話を取ると喚き散らされた。うっさい黙れ。と言いたい気持ちを何とか堪えて丸澤圭一郎は平謝りをして断った。

先程、電話で無事大野陽太を金城月夜の元に届けたと加賀尋ね人探索方から連絡を受けて、この苦しみもあと少しだと思い、仕事終わりに何の酒を飲もうかと妄想した。今日は頑張ったからな。ビール…よりもワインだな。シャンパン…それと肉、牛肉が食べたい。くそぅ大野君頼むよ。早く金城月夜から天気が良くなる何がしかを聞き出してくれ。俺のシャンパンのために。

電話が鳴る。待ちかねたぞ大野君。急ぎ電話を取った。

「お世話になってます。金沢テレビの足立と申し…」

受話器を思い切り置いた。もう!大野君!早く!

丸澤圭一郎は完全に憧れの人の電話を待つ乙女と化していた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?