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金沢小風景

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金沢ハ美シイダケニ非ズ。不思議ナ街デアル。
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2016年7月の記事一覧

迷走金沢人生の袋小路-金魚売り捜索編-

少し前、金沢のPRポスターの文言は「奥が深くて迷ってござる」だった。この文言通り私は絶賛迷走中だった。新卒という黄金切符を歩いているうちにどこかに落とし、第二新卒という銀色切符の半ばが燃えカスとなっているのを漫然と見つめいてる。しかも明日、水島さんが金沢に遊びに来るらしい。私は部屋にだらりと寝そべり水島さんを如何にして喜ばすか考えていた。金は無い。吉報も無い。このままでは金沢に来るのを楽しみにして

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迷走金沢人生の袋小路-闇夜の金魚釣り編-

空を泳ぐ金魚は金沢大学近くの山の頂にあるらしい。ここは綺麗な星空が見える金沢市民ならば誰でも知る有名なデートスポットである。オンボロの軽トラをガタガタ揺らし山頂に着くと随分と綺麗な星空が広がっている。満天とはこういう空のことをいうのだろう。

金魚屋のオヤジは釣り竿とバケツを軽トラから取り出し崖にドカリと腰掛け「釣るぞぉ」と言うので私は自分の釣り竿とバケツを用意しオヤジの隣に座った。竿の先には糸が

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印象 金沢 昼

〔水島京子〕

山形から金沢までは5時間位でしょうか。最近は新幹線が走るようになってこれでも随分近くなった気がします。朝早く自宅を出発して着いたのは昼過ぎでした。4か月ぶりの金沢はさほど時間が経ってないにもかかわらず別の街になったような気持ちになりました。学生時代よく行った店は閉店しその場所に新たな店が生まれていることに驚くばかりです。

駅に着くと片町までのバスに乗りました。目的は犀川堂へ行くこ

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印象 金沢 夜

〔大里征二〕

 少しの睡眠のつもりだった。一晩金魚を釣り続けて明け方に自宅に戻り布団に横たわると糸が切れたように意識が無くなった。そして、気が付くと夕方だった。最初は明け方だと思っていたが、携帯を見ると18時でメールが1件届いている。水島さんからだった。急いで開くと犀川堂の前で可愛らしい女の子と写った画像と共に「金沢に着きました。今、犀川堂です。隣はアルバイトの笠井さん」と書いてある。私はガバと

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闇に泳ぐ金魚 再び

メールを送っても返って来なかったので大里君とは会えないと思っていました。金沢の夕景を犀川大橋からボォーっと眺めていたら聞き覚えのある声がしました。声の方を見ると汗だくの大里君が立ってました。大里君の手には透明なビニール袋がぶら下がっていて、よく見ると袋の中には金魚が一匹入っています。金魚すくいでもしてきたのでしょうか。大里君がペコリと頭を下げて私も同じくペコリと頭を下げるとなんだか可笑しくなって笑

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玉川図書館地下分館-金沢小風景⑥-

金沢市立玉川図書館の地下には一部の市民にしか知られていない分館があるのをご存知だろうか。年に数回、選ばれた金沢市民にのみ入ることを許される分館である。この分館に入ることを許された市民は一様に「観れてよかった」と感嘆の言葉を漏らす。応募するには市報の片隅に小さく掲載される募集に応募し、市役所の秘密図書館課の審査をクリアしなければならない(主に調べられるのは図書館の利用回数と貸出し図書の延滞の有無であ

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