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【読書からの贈り物】『夜は短し歩けよ乙女』を読んで、本屋大賞について調べてみた!

おはようございます。金木犀川かおりです。

先日『夜は短し歩けよ乙女』を読み始めました。
この本は、2006年出版、2007年に本屋大賞で第2位を受賞した、森見登美彦のベストセラー小説です。

去年も、本屋大賞の作品は、何冊か読んできました。
例えば、
2004年1位の「博士の愛した数式」(小川洋子)
2011年1位の「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉)
2016年1位の「羊と鋼の森」(宮下奈都)
2017年9位の「コンビニ人間」(村田沙耶香)

加えて、本屋大賞に出てくる作品ってたくさん映画化されているんですよね。
タイトルを見ているだけでも、例えば
2007年5位の「図書館戦争」(有川浩)
2009年1位の「告白」(湊かなえ)
2010年2位の「神様のカルテ」(夏川草介)
2016年2位の「君の膵臓をたべたい」(住野よる)
たとえ自分では見たことがなくても、これ、映画化していたな、と記憶に残るぐらい、宣伝されたり、話題になっているものがとても多いです。

でも、これだけ身近になる本屋大賞ですが、実はあまり知らない。
そもそも誰が決めているの?
いつ発表?
どういう基準?
そういったことをふと疑問に思ったので、調べてみました。


1、本屋大賞って何?

答え:2004年に始まり、NPO法人本屋大賞実行委員会が運営する賞。
本屋大賞の公式ホームページでは、こんな説明があります。

書店員の投票だけで選ばれる賞です。
「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決定するものです。過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。

本屋大賞とは | 本屋大賞 (hontai.or.jp)

2、本屋大賞のスケジュールと、選考対象になる本は?

答え:本屋大賞は3つの部門でできていて、対象が異なる。
第21回となる、2024年度選考の本とスケジュールは、下記のとおり(
公式ホームページより)

本屋大賞公式ホームページより

本屋大賞が、「本屋大賞」「翻訳小説部門」「発掘部門」に分かれている、というのを初めて知りました。
そして、本屋大賞は、決まった1年間に刊行された「日本の小説」が対象なんですね。

それから、2024年度のスケジュールは、下記のように発表されています。

この記事を書いている時点は赤い矢印の部分で、
2月1日にノミネート作品の発表
4月10日に大賞作品の発表
なんですね。楽しみです。

3、本屋大賞は、誰がどうやって決めているの?

答え:公式ホームページでは、このように説明されています。

■投票参加資格者
新刊を扱っている書店の書店員であること(アルバイト、パートも含む)
選考方法
【本屋大賞】
(1) 一次投票で一人3作品を選んで投票
(2) 一次投票の集計結果、上位10作品をノミネート本として発表
(3) 二次投票はノミネート作品をすべて読んだ上で、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票。
(4) 二次投票の集計結果により大賞作品を決定
投票の得点換算は、1位=3点、2位=2点、3位=1.5点

本屋大賞とは | 本屋大賞 (hontai.or.jp)

このような手順になっているそうです。
どうして一次と二次に分かれているんだろうと思いましたが、ノミネート作品は、全て読んだ上で、二次投票が行われているんですね!!
選考するので当然といえば当然なのかもしれませませんが・・・
それでも、これだけの本に対する情熱と、真剣で厳正なる選考で決められているんだと分かりました!

ちなみに他の部門ですが、

【翻訳小説部門】
一人3作品まで投票可。
「本屋大賞」発表時に、「翻訳部門」の上位3作品を発表

本屋大賞とは | 本屋大賞 (hontai.or.jp)

「翻訳小説部門」は、二次投票はなく、そのまま上位3作品を発表。

【発掘部門】
一次投票時に既刊本のお勧め本を一点投票
「本屋大賞」発表時に、「発掘部門」に投票された作品をリスト化して発表

本屋大賞とは | 本屋大賞 (hontai.or.jp)

「発掘部門」は、投票作品をリスト化されて発表される、ということです。

それぞれ部門により、選考方法が異なるということが分かりました。

4、本屋大賞に選ばれると、賞金などはもらえるの?

答え:公式ホームページにははっきり書いていなかった(気がする)のですが、Wikipediaでは、「受賞作品の作者には正賞としてクリスタルトロフィーが、副賞として10万円分の図書カードが授与される」と書いてあります。
また、本屋大賞公式ホームページの「
これまでの本屋大賞」には、2010年(第7回)までの作品で大賞を取った方が、副賞10万円で購入した本も書いてあります。

副賞が図書カードというのは、面白いですね。
公式ホームページでは、この本屋大賞を設立した経緯としてこんな解説があります。

【設立の経緯】
売り場からベストセラーをつくる!
本が売れない時代と言われます。出版市場は書籍、雑誌とも年々縮小傾向にあります。出版不況は出版社や取次だけではなく、もちろん書店にとっても死活問題です。 その状況の中で、(中略)売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、ひいては出版業界を現場から盛り上げていけないかと考え、同賞を発案しました。

本屋大賞とは | 本屋大賞 (hontai.or.jp)

出版業界を活性化させるという目的を考えると、本屋大賞に選ばれた方が、また副賞の図書カードで本を購入していくというのも、面白いですよね。

ちなみに、第1回本屋大賞に選ばれた「博士の愛した数式」の小川洋子さんは、こんな本を購入されたそうです。

「魔法の石板 ジョルジュ・ぺロスの方へ」(堀江敏幸/青土社)
「乱視読者の英米短篇講義」 (若島正/研究社)
「タングステンおじさん 化学と過ごした私の少年時代」(オリヴァー・サックス/斉藤隆央訳/早川書房)
「夜の果ての旅」上下巻(セリーヌ/生田耕作訳/中公文庫)
「父の帽子」(森茉莉/講談社文芸文庫)
「薔薇くい姫・枯葉の寝床」(森茉莉/講談社文芸文庫)
「贅沢貧乏」(森茉莉/講談社文芸文庫)
「私の美の世界」(森茉莉/新潮文庫)
「京都の洋館」(京都モザイク編集室/青幻舎)
「ジョゼと虎と魚たち」(田辺聖子/角川文庫)
「Sickened 母に病気にされ続けたジュリー」(ジュリー・グレゴリー/細田利江子、寺尾まち子訳/竹書房文庫)
「救急精神病棟」(野村進/講談社)
「ベル・ジャー」(シルヴィア・プラス/青柳祐美子訳/河出書房新社)
「雪沼とその周辺」(堀江敏幸/新潮社)
「『バンコク・ヒルトン』という地獄」(サンドラ・グレゴリー/川島めぐみ訳/新潮社)
「驚異の発明家{エンヂニア}の形見函」(アレン・カーズワイル/大島豊訳/東京創元社)
「がんから始まる」(岸本葉子/晶文社)
「歴史遺産 日本の洋館 第五巻昭和篇1」(文・藤森照信 写真・増田彰久/講談社)
「阪神間モダニズム」(「阪神間モダニズム」展実行委員会/淡交社)
「二楽荘と大谷探検隊」(芦屋市立美術博物館)
「芸術新潮 特集ロシア絵本のすばらしき世界」7月号
「グリコのおもちゃ箱」(加藤裕三/アムズ・アーツ・プレス)
「広告キャラクター大博物館」(ポッププロジェクト編/日本文芸社)
「周期律 元素追想」(プリーモ・レーヴィ/竹山博英訳/工作舎)
「英国カントリー・ハウス物語」(杉恵惇宏/彩流社)
「魔王」上下(ミシェル・トゥルニエ/植田祐次訳/みすず書房)
「あしや子ども風土記」(芦屋市文化振興財団)

小川洋子さんが副賞10万円で購入した本 2004年本屋大賞 | これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 (hontai.or.jp)

このリストについて、小川さんがこんなコメントを残されているのも面白いです。

現在までに図書カードで購入した本のリストは、左記のとおりである。全く支離滅裂で何の統一感もない。年甲斐もなく舞い上がっているうえに、この際買いそびれていた本を手に入れておかなければ、というがめつさもありありと出ている。
恐らくこういうリストには、否応なくその人の品格が現われるものなのだろう。志の高さや教養の深さが、リスト全体に得も言われぬ味わいを漂わせる。そう考えると恥ずかしくてたまらないのだが、仕方ない。とにかくこれが、私のリストです。

小川洋子さんが副賞10万円で購入した本 2004年本屋大賞 | これまでの本屋大賞 | 本屋大賞 (hontai.or.jp)

どうしてこの本を選んだかについて、1冊ずつのコメントもあり、こんなコメントから自分の読みたい本を選んでみるのも、面白いなと思います。

第1回から第7回までの本屋大賞受賞者の方が、副賞10万円で買った本の紹介記事はこちらです。

いかがでしたでしょうか。
本屋に行って、「これが今年の本屋大賞なんだ」と、漠然と見ていた私には、知らない情報ばかりで、とても勉強になりました。
そして、知ったことによって、今年の本屋大賞も、がぜん楽しみになってきました。
今年の本屋大賞は、ぜひ注目したいと思います!

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