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【読書からの贈り物】『がんばらない戦略』を読んで、自我消耗論について調べてみた!
おはようございます。金木犀川かおりです。
今回は、読んだ本の中で触れられていた心理学の実験について、自分なりに調べてみようと思います。
先日、川下和彦さん、たむらようこさんの著書「がんばらない戦略」を読み終えることができました。
大切なことを始める、続ける、やり遂げるために、どうやって、いかにがんばらずに目標を達成するか。
それをガンバール国に住むミサキが、ガンバラン王国の旅しながら学んでいく。
そのストーリーを、現代の原宿で先生が教え子に語る。
そういう二重構造の本になっていて、語り口も易しく、読んでよかったと思える本でした。
さて、この物語の中で、こんな説明がありました。
意志の力は無限に湧いてくるものじゃなくて、使えば減っていくガソリンのよううなものだということが、アメリカの心理学者によって証明されているんだ。
この「意志の力は減っていく」という考え方こそが、この本の戦略の根幹だったように思います。
だからこそ、意志の力ではなく、自動化したり、宣言したりして、頑張らなくても=意志の力を使わなくても行動できるようにしましょう、という内容でした。
この「心理学者の証明」というものがどういったものなのか、興味が出たので、私は心理学については素人ですが、それでも分かる範囲で調べてみました。
1、そもそも「意志」や「意志力」って何?
答え:何かをしたい、しようという気持ちをのこと。
意思は思い、考えといった意味だが、「意志」のほうは、やりたいという気持ちに重点が置かれている。
下記の記事の説明が分かりやすかったです。
意志力とは、自分をコントロールして物事を成し遂げる力のことです。あらゆる誘惑をセーブして、やるべきことに集中する力を指します。身の回りにはたくさんの誘惑があるため、常に消耗していきます。意思力を鍛えることで、仕事や勉強がはかどります。
意思と意志の違い
意思と意志の違いは、「何に重点を置くか」です。意思は、「相手の意思を尊重する」「子どもの意思を汲む」のように使われ、「思いや考え」に重きが置かれます。
一方、意志は、「何かをしたい」「しよう」という気持ちを強調する際に使われることが多い言葉です。例えば、「意志をかためる」「意志が強い」などが挙げられます。
やりたいという気持ちがあり、それに向かって自分を動かすのが、「意志」なんだということが分かりました。
2、「意志の力は消耗する」という考えは、誰がいつ発見したのか?この現象に名前はあるか?
答え:アメリカ・フロリダ州立大学の心理学者ロイ・バウマイスター博士が、1990年代後半に実験して分かったこと。意志力が有限であるこの考えを「自我消耗」という。
この考えの概要をまず知るに当たっては、下記のようなサイトをざーっと読んでみました。
その結果、クッキーを我慢したグループのほうが、そうしなかったグループより、難しいパズルに対しての作業の継続時間が短かった、というものでした。
事前にクッキーを我慢するという意志を使ってしまったので、パズルに取り組む力が少なくなっており、我慢したり努力したりできなかった、という実験結果があり、そのことから、クッキー我慢グループは、意志を消耗していた、つまり意志は有限だ、という結論になったそうです。
私のイメージでは、スマホの電池みたいなもので、何かをする、しない、我慢といったように意志は使うたび、電池が100→98→90→80・・・と減っていく。
そして、0になってしまうと、もう使えない。
つまり、やりたいと思えなくなってしまう、というイメージです。
3、自我消耗の考え方に反対意見があるの?
答え:ある。
私は心理学の専門家ではないため、あまり難しいことは分からないのですが、
例えば、最近の研究で、バウマイスター(最初に自我消耗の考えを唱えた人)の実験を、別の人が再現しようとしたが、証拠が得られなかったことが複数の論文で発表されているそうです。
2017年に下記サイトの記事で、ニール・イヤールという方が書いていました。
この記事では、自我消耗に代わるこんな説を紹介してくれていました。
トロント大学の心理学教授であり、トロント社会神経科学研究所の主任研究者であるマイケル・インズリットは、意志力は有限な資源ではなく、感情のように働くと考えている(英語記事)。喜びや怒りは「使い果たす」ことがないのと同様に、意志力はその時に起きていることや感じ方に応じて満ち引きするというのだ。このような見方には大きな意義がある。
また、「最高の体調」などの著書で有名な鈴木祐さんも、ブログでこんなことを紹介してくださっていました。
「自我の消耗」理論はかなり広く信じられてきた説だったんで、再現できないときはビックリしましたねぇ。
では、「意志力は使うと減る!」って考え方の代わりに、もうちょい現実をちゃんと説明してくれる理論はないのか?ってことで、「これはおもしろいなー」と思ってるのが2013年論文(R)です。「だれもが偽善者になる本当の理由」のロバート クルツバン先生と「やり抜く力」のアンジェラ・ダックワース先生が手がけたおもしろい論考で、「自我の消耗」に変わるユニークなモデルを提案してくれております。の論考のポイントをひとことでまとめると、
意志力ってのは機会費用の争いなのだ!
みたいな感じでして、経済学っぽい視点から意志力をとらえております。
自我消耗が本当なのか、またそれに代わる説のほうが本当なのか。
私には分かりませんが、いずれにしても、意志に関していろんな説があり、でもどの説も、意志は変わったり、弱くなったりすることは認めています。
それがどうして減るのか、弱くなるのか、というところは、いろんな説があるんですね。
今回、あらためて自我消耗について調べてみて、
意志の力だけに頼るのではなく、しっかり戦略を立てて、あらためて目標に向かっていきたいと感じました。
そのことを教えてくれた本との出会いに、あらためて感謝できました。
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