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10.ももちゃんインタビュー後記 長野ゲストハウスヘルパー体験記

 スタッフインタビュー第2弾、ももちゃんへのインタビューが公開された。
 読んでいただければ分かるが、彼女は誰にでも話してきたことではない自分の大事な部分をインタビューで答えてくれた。だから自分なりに誠実に記事にしたつもりだ。

 インタビューをした夜、夜中に泣きながら目が覚めた。昼間ももちゃんから話を聞いている時は、聞き手であるわたしが感情的になってしまっては話せないだろうと奥歯を噛み締めた。その時の感情があふれたのかなと思う。でも一体なんの涙なんだろう、と目から水分は流れるものの頭は冷静だった。

 思いがけない話を聞いて驚いたから?彼女の大切な部分を話してくれて、信頼してもらえた気がしたから?話を聞いているうちに、追体験をした気分になったから?

 どれも少しは本当で、でも違うような気もした。うまく言えないが、この涙は彼女への、びっくりしたよなぁ、がんばったんだね、つらかったよなぁ、でもそんな経験をしたあなたも好き、これからも応援したい、共にいたい…みたいな気持ちなんじゃないかと思った。

 わたし自身、昨年ひとり祖母を亡くし、もうひとりの祖母は介護施設に入居している。両親が祖母の晩年に関わっている姿を見て、自分もいつかは親の人生がより良く終わるサポートをする、そんな道を通るのだなと、感じている。できれば、できればそんな道通りたくないな、その道はもしかしたら存在しないんじゃないかなと、怖いから考えないようにしている。だけどももちゃんは、自分のことに1番構いたかっただろう時に、その道を通って、今わたしの目の前にいるのだ。頭が下がる。

 わたしが具体的に彼女にできることは、一緒に話して、彼女が望めば一緒に考えること、くらいなんじゃないだろうか。誰かの力になりたいとこれまでも思ってきたが、出来ることはいつも少ないように思う。だからこれから、彼女が毎日おいしいごはんとお酒を口にできますように、毎日信頼できる人に囲まれて楽しく暮らせますように、学びたいことを学べる環境が整いますように、生きたい場所で生きられますように、そんなことを願う。

(宿のスタッフへのインタビューとして、「働き方、生き方」を軸に話を聞いている。なにか動き出す時、前向きでわくわくすることや、積極的に人に話したいことばかりがきっかけじゃないよなと改めて思う。わたしはそれなりに年齢を重ね、隠しているわけじゃないけど、積極的に話さないことは、うまいこと編集し適度に妥当に受け流す処世術みたいなものを取得してきた。それはみんな多かれ少なかれあることだと思うが、今回ももちゃんも、そして前回のインタビューみどりちゃんも、そして現在記事にしている最中のすーさんも、その“編集”をあまりせず話してくれたように感じる。そのことに敬意を持って、わたしは記事を書く。)


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