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16.わたしだからこそ、

 2023年が目前に迫っている。2022年は「自分がやってみたいことをする」に思いっきりハンドルを切った一年だった。
 昨年の今頃、まさか自分がこうなっているとは思いもよらなかったので、勇気を出すと面白いことが起きるもんだなぁと感じる。


 このエッセイは、自分が毎日何を思い考えているかを自分で知るため、そして友人・知人への近況報告も兼ねて書いている。
 日々の過ぎていってしまう小さなことをすくって、自分という棚にはなにが収まっているのか、棚おろしの意味をこめて綴りたい。


 勇気を出す、と書いたけれど、わたしは昨年まで「やってみたいことをする」ことに勇気が出なかった。
 理由は色々あるが、果たしてわたしがやることに意味はあるか?に答えを出せなかったことが大きい。

 現在、わたしは『むすび詩(うた)文庫』という本の活動を行なっている。今年の4月から始めた活動である。
 内容は、古本市への出店や、おひとりおひとりに合った本のセレクト、お店の本棚コーディネート等である。
 少しご紹介できるようになったが、活動内容は初めから決めていたわけではなく、やりながら「こんなものがあったら喜んでいただけるかな」や、ご依頼を受けて生まれていった。今でも日々更新中である。

 活動をはじめる前に遡ると、わたしは漠然と「本」をテーマにしてなにかできないかと考えいた。
 幼い頃から本好きというのもあったし、書店でのアルバイト経験や、図書館で働いていたのもあって、他のことより少しは知識があるかもな〜というのが、本だったからだ。

 しかしながら、すでに本をテーマに様々な活動をしている人が周りにたくさんいた。しかもみんな売れっ子だ。
 それがわたしの中ではとても気になる部分であった。「いまさらわたしが始める意味ある…?」「“周りの人”にどう思われるかな…」「もう“完成形”が目の前にあるのに、わたしなんかが低レベルで始めていいのだろうか…?」と盛大にモヤモヤしていた。

 そんな矢先、ご縁あって『1day古本市(現 小さくても書店マルシェ)』に出店させてもらうことになり、エイヤ!と活動を始めることになった。この出店、とても勇気を出した。
 しかし始めてしまうと、「わたしなんかが……」と考える暇などなく、お客様が喜んでもらえる本やサービスは何だろうと考えることで忙しい。
 そして、前述の通り喜んでもらえる方法はやってみながら生まれることが多く、わたしができることや得意なことは、かつて憧れていた“完成形”とは、かけ離れていたと気づく。

 長いことフリーランスで仕事をする友人が以前言っていたことだが、「自分と同じようなことをしている人を探したら、上には上がいるし、“会社”としてスタッフを何人も雇って行なっていることもいっぱいある。でも、わたしだから、頼みやすいってこともあるんじゃないかな〜と思う」。
この言葉、好きでよく思い出す。

 まだまだ始まったばかりの活動だが、わたしだからこそ、お願いしたいと思ってもらえるように育てていきたい。

(なんて、わたしひとりで頑張っているみたいに書いてしまいましたが、周りの方々に本当に支えていただいた一年でした。心からありがとうございます。)

2023年もどうぞよろしくお願いします!

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