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5.初のスタッフミーティング 長野ゲストハウスヘルパー体験記

 2021年6月11日 午前9時。宿のラウンジにスタッフが全員集まる。自然とわいわいする。

 ミーティング、会議と聞いて憂鬱になる人は多いだろうか。わたしはそのひとりだ。以前勤めていた時は、会議で自分の出番がないと早く終わらないかなぁなんて思っていたし、発言したりまとめなければならないときだって早く終わってくれと思っていた。
 そんな初期設定の中での初スタッフミーティング。正直ちょっと不安だった。ヘルパーの私は“お客様”扱いかなぁとか、ビシバシ厳しい意見を言われたらどうしようとか。でも、何の心配もいらなかった。とても楽しかったからだ。

 現在の1166バックパッカーズのスタッフは自分を含めて全5名。普段の業務はシフト制なので、全員が顔を合わせるのはミーティングの時くらいだ。
 ミーティングはゲストの宿泊状況にもよるが、大体週2日開かれる。全員が席に着くと、まずそれぞれの仕事の進捗状況報告から始まり、今後のイベントや事業のスケジュール等を共有をする。
 わたしがああいいなぁと思ったのは、自分の担当以外のことでも、みんなで知恵や意見を出し合って良いものをつくろうという雰囲気があること。ヘルパーのわたしが発言してもなんの問題もないし、良い意見であれば取り入れてもらえる。そして「1ヶ月しかいないスタッフにこれは教えなくていいよな」みたいな雰囲気が全くなく、今後のことも他のスタッフと同様にオープンにされている。仲間にいれてもらえて単純にうれしい。

 報告・共有の後、今回は小さなワークとして“会話の練習”をした。ゲストハウスはスタッフとゲストの交流が魅力。会話はとても大切だ。
 ワークではまずふたりペアになり、Aさん・Bさんを決める(わたし・ももちゃんペア、みどりちゃん・すーさんペアに分かれた。オーナーの飯室さんはお題を出す係だ)。その後、下記のお題に沿って会話をするが、Aさん、Bさんはお互いどんな指示が出されているかを知らない。

 <お題例①>
 Aさん→これから行きたいところを話す
 Bさん→ただ無言でうなずく
 <お題例②>
 Aさん→これからやってみたいことを話す
 Bさん→肯定して、プラスの意見を言う

 お題例①をやった時、すーさんが行きたいところについて話し、みどりちゃんはただ無言でうなずいていたのだが、普段話題豊富でずっと話していられるすーさんが押し黙る結果になった。お題例②では、わたしがこれからやってみたいことを話し、ももちゃんからは「いいですね、〇〇〇ってことですか」等の言葉が返ってきた。不思議と、どんどん話せる。
 会話の練習のむすびは「良い会話には良い質問が必要」だった。体験したからすごく納得だ。

 ひとりで会話はできない。経験上、自問自答は煮詰まってしまうことが多い。ゲストが宿に来てスタッフと良い会話をして、情報を得るだけでなく、自分の中に新しいことを発見できればいいな、そんなお手伝いができればいいな、なんてワークを通して思った。次のミーティングではなにかワークやるのだろうか、密かに期待しよう。

(余談だが、スタッフはみんな純粋にゲストとの会話を楽しんでいる。ゲストをいたずらに“乗せて気持ちよくさせる”ためのワークではなく、知らない間に不快にさせてしまわないようにする、そんな側面が強いワークだとわたしは解釈した。今日もゲストとお話しするのが楽しみだ。)


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