「ポーラ美術館コレクション展;モネ、ルノワールからピカソ、シャガールまで」に行った感想

はじめに

昨日、あべのハルカス美術館でポーラ美術館コレクション展に行ってきました。
私は西洋美術にあまり詳しくないのですが、以前から興味は持っていました。
今回主に展示される印象派、ポスト印象派と呼ばれる人達は、芸術史における大きな転換点となった人達なので、それ以後の芸術の原点として是非見に行きたいと思って行ってきました。

尚、ド素人が付け焼き刃の知識で書いていますので、何かありましたらコメントお待ちしております。

感想

めちゃめちゃ面白かったです。
まず勉強になったのが、「筆触分割」「点描技法」という方法です。

筆触分割とは、絵の具をできるだけ混ぜ合わせず、原色に近い絵の具の小さなタッチを並べることです。これによって画面全体に明度と輝きが維持され、躍動感が高まり、微妙な色調の変化や空気の揺らぎを表現することができるようになった。

さらに光学理論や色彩理論の研究に基づき、原色とその補色を並べて色彩をより鮮やかに見せようとしたのが点描技法で、スーラという人が確立したそうです。

例えばモネの睡蓮の池などで、水面が黄色が入っていますが、これは青紫が補色になります。これをより理論的に推し進めたのが点描画ということなのでしょう。

筆触分割に関しては、多くの作品で「見ればわかる」というレベルです。
ただ、人によってやはり個性が出ているのも面白かったです。

また、汽車や車といった、当時の新しい文化の絵がいくつか見られたのも印象的でした。
やはり芸術家は新しい題材に敏感なのでしょう。
特に汽車については煙の表現がとても独特で面白かったです。
これも印象派ならではなのかもしれません。

また、筆致分割の絵では、筆の向きというのが意識されているように感じました。例えば水面は横向きの筆、その上にかかる橋の側面は縦向きの筆、など。これによってより立体感が出ているように思われました。

印象派の絵画の面白いところは、見る距離によって全然イメージが変わるところです。
筆致分割、点描技法というのは、その多くが細かい部分(例えば人の顔のパーツなど)が描かれていません。
だから近づいて見ると、筆の点がいくつと重なっているだけで、形を成しているように見えません。
でも遠くから見ると一枚の綺麗な絵になるのです。実際、人間が遠景を見る時もそれほど細かい部分が見えているわけではない(例えば森の木の葉っぱ一枚一枚は見えていない)ので、そういうところを表現できているのかなぁと思いました。

また、遠近法はいつも絵画を観る時に気にするようにしています。
今回は水平線を使った遠近法がよく観られました。
これを上手く使うと遠近の程度が曖昧になり、現実と異なる空間を作ることができるそうです。
純粋芸術を追究する時、三次元とは異なる空間表現(例えばキュビスム)に繋がっていくところだと思います。
そういうところもやはり芸術史における大きなポイントなのだろうなと思います。

一番新鮮で面白いなと思ったのは、ラウル・デュフィという人の作風です。
色塗りと輪郭線が独特で、不思議な感じがしました。
また、ジュール・パスキンも良いなと思いました。こちらはラウル・デュフィと比べると色彩は淡く、線描は繊細です。
あとはキスリングという人の絵もとても綺麗でした。「花」という作品は白の輪郭が立体感を持っており、照明によってキラキラと輝いて見えました。これは現物を見なければわからない魅力です。

ピカソはやはり難しかったです笑。
「母子像」という普通の(?)雰囲気の絵は構図がとてもいいなと思いました。
「帽子の女」 はいわゆるピカソっぽい感じの絵でしたが、これもギリギリ理解できる、かも……といった感じでした。
「葡萄の帽子の女」「花売り」は本当によくわかりませんでした笑。
また勉強します笑。

最後はシャガールの作品が展示されていましたが、これがまたすごいエネルギーを感じました。
なんなのかはよくわかりませんが、なんかすごい作品だぞ、これは……という感じです。
「恋人たちとマーガレットの花」はものすごく構図がいいなと思いました。男性に抱かれる女性の沿った背中と、手前の花束の輪郭の曲線が綺麗です。
「オペラ座の人々」は真ん中の青い顔だけが異なる描かれ方をしており、異様に目立っていました。

おわりに

そんな感じでとても楽しむことができました。
図録を含めて本を3冊買ってしまったので、これらを読んで勉強したいと思います。

というわけで、最後まで読んでくださってありがとうございました。
ちなみにポーラ美術館コレクション展は9月5日までのようなので、興味がある方はお急ぎください。
ちなみにちなみに、1月末からまた別の美術館のコレクションで印象派の作品展があるようです。それも行くつもりでいます。


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