読書感想文(28)井上堅二『バカとテストと召喚獣4』
はじめに
4巻です。3.5巻の前に読んだので、かなり時間が経ってから感想を書いています。できるだけ思ったことを思い出しながら書いていこうと思います。
感想
今回のメインはなんと恋愛です。このシリーズをラブコメとするなら、ラブ<<<<<<<<<<<バカ(コメ)だと思うのですが、それでも恋愛部分も面白いです。主人公がバカなのでよくある「周りからの好意に気づかない系」主人公なのですが、主人公がバカなので勘違いの仕方がバカで面白いです。4巻は主人公からの間違いメールを女の子の方がプロポーズだと思ってしまったことから始まるのですが、その文面がこちらです。
「勿論好きだからに決まっているじゃないか!雄二なんかよりもずっと!」
雄二本人からは「待て!お前の好きの比較基準は俺なのか!?」とツッコミが入ります。まあこんな始まりから誤解が発展して戦争に至るのですが、説明が長くなるので詳細は省きます。
戦争はDクラスからFクラスに仕掛けられるのですが、ほぼ同時にBクラスもFクラスに戦争を仕掛けようとします。負けると教室の設備ランクが下がる制度なので、Fクラスは負けるわけにいきません。Fクラスは正攻法でBクラスに勝ち目が無いので、なんとか先にDクラスに戦争を申し込ませようとします(戦争は同時に行うことができず、戦争後は十分な準備期間が与えられるため)。
ここでなんというか、現状からの最善手を見つけるという心構えが見出せます。DクラスにせよBクラスにせよ、本来なら戦争はしない方が楽です。しかしBクラスと戦争になると勝ち目が無いため、敢えてDクラスと戦争をするという戦略です。こういうのって日常の色んな場面でありますが、場合によって希望を捨てるのを躊躇ってしまうこともよくあります。競技かるたではどの札を狙うか、どの札を相手に狙わせるかということを考え、時には「この札は取られても良いや」という作戦も使います。でも勝つためだからと割り切れず、やっぱり取られるのは嫌なので極力全ての札を取ろうとしてしまいます。かるたに限らず、こんな時に最善手を選べる人は強いんだろうなと思います。しかし当然最善手というのは立場によって変わるものなので、別の立場からの最善手を捨てるという覚悟は必要だろうと思います。例えばお金を稼ぐ為の最善手を選ぶと、他人からの信用を失うかもしれない、といった感じです。自分が何を優先したいのか、ということについては強い信念を持っておきたいなと思います。最近は順番だけではなく、優先度合いも考えてバランスを取る方が良いのかなとも思うようになりました(多分普通の人はこれが普通にできているのだと思いますが)。
さて、恋愛の話に戻ります。主人公はバカですが、バカゆえに言葉が直球なのが良いなと思います。思ったことをそのまま話すのはメリットもデメリットもあると思いますが、相手を褒める場合は褒められる方も多分嬉しいので良いんだろうなぁと思います。その一方、不用意に褒めるのは良くないと思ってしまう自分も思います。私はリスクの回避を優先してしまうので、あまり人を褒めるのが得意ではありません。心の中ではものすごく褒めている時もそれを伝えずにおくことの方が多いです。ただ本当にそんなことをする必要があるのか、と思い始めているので今後変わるかもしれません。
おわりに
今回はこんなところでしょうか。既に6巻を読み終えかけているので、感想をどんどん投稿したいと思う一方、読書感想文ばっかりじゃつまらないかなぁと思ったりもします。まあ溜まってきたらその時にまた考えようと思います。
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