見出し画像

ハウツー!真夜中の救急搬送 〜具合が悪くなったら思い出してスペシャル〜


はじめに

先日深夜救急車にて病院に担ぎ込まれたんです。

今はもう復活して元気いっぱいなのですが、結構本気で危なかったし「ああ自分、この世とおさらばするのかも」と思う、そんな状態ではありました。

日常に戻った今、思ったんです。
この体験、もしかしたら誰かのお役に立つかも、と。

誰の身にも起こり得ることだと思います。現に私も少し前まで呑気に翌日の準備をしていました。

どうも私、手前味噌ながら対応がなかなか良かったらしいんです。
搬送先の病院を去る際に、医師や看護師の方から
「それにしても救急の方から聞きましたよ〜、すごく冷静に対処してたって」
「結構躊躇している間に症状が取り返しつかなくなっちゃうケースがあるんですが、いや本当、決断力が素晴らしいです」
はたまた
「真夜中に1人だけのシチュエーションでよくぞパニックになりませんでしたね、よく頑張りましたね」
…と変わるがわるお声をかけていただきまして。

いや、そうですよ。
深夜、例え1人暮らしでない方でもみんな寝静まった状態で誰かを起こすような時間的猶予もなく頼れるのは己れだけ、という中刻一刻死神が近づくのを自覚したらばパニックになってもおかしくないと思います

今回、たまたま危機的状況下で妙に客観視が得意になり軍司令官みたいな脳になる(ことが判明した)人間が、割と模範的行動を取れたことで文字通り自分の命を救えましたので、
深夜体調が急激に悪化したときの流れ一例
をまとめてまいります。

何となく流し読んで脳の引き出しの隅っこに入れていただいて、いつかの機会にそういえば、と思い出してくださったなら幸いです!


☆今回の私の体調悪化の原因はアレルギー症状です。初めて口にしたものでやや重めのアレルギー反応が生じました。
このケースでは症状の進行に少しとはいえ運良く時間がありました。
そのため
分単位でだんだん(そして加速度的に)具合が悪くなる場合
であったり
他に頼れる人がおらず自分自身で対処しなくてはならない場合
に特に参考にしていただけると思います。

☆実際私に起きた具体的な症状、
そもそも原因は何なのか
口にしてからどのくらいの時間でどんな反応が現れ
どのタイミングでどのような行動を起こしたか
というより詳細な実例部分のみ、もしかすると個人の特定につながるかもしれないため有料コーナーとさせていただいております。
こちらのコーナー、併せて
今思う日頃よりしておいた方がよかったこと
も来訪者の少ない秘境の反省会会場だろうということでひっそり記載いたしております。
(要はB面ってことですね!)



真夜中、死神から逃げきった人の一例はこんな感じ

①症状の把握

初期症状が疲労が溜まった日の夜に出るものと似ていたこともあり、初めこそ最近の疲れが出たかな?週末熱が出ないといいけど…と思っていました。

が、明らかに異常な状態になる、時間を置いて落ち着くどころか重くなる一方のため放置はまずい、と現状の把握に努めだしました。

今自分の身に生じている症状をできる限り言語化して検索をかける…
どこの部位に
どんな症状が出ているか
この両方を合わせたものを検索することで欲しい答えに近づきます。

症状は1つでない場合、例えば「頭痛、喉に腫れ、脚の関節に痛み」のように並列して検索すると自分を苦しめる謎の病の名前に辿り着きやすくなります。

「何が起きているかわからない」ことって恐怖心の栄養になる気がするので、まだ余裕のあるうちにしておくとよいように個人的には思います。
(ただし急激に症状が悪化し一刻を争う状態の場合は、即119に電話をかけてください!即ですよ!)

なお、この時各症状の出たときの時刻も大まかでもよいので把握しておくと、後々質問された際に役に立ちます。


②#7119に電話

検索をかけた結果、アレルギー反応らしい、しかも症状的に重い部類で緊急に適切な治療を受ける必要があるらしい…
前後の状況からして反応を引き起こす要因候補も恐らく判明しました。

この段階では明らかに初期より悪化しているにもかかわらずまだどこか「それでも時が解決してくれるかも」と思っていました。いや、そうでありたかった。

だって緊急というけれど…今何時よ、外は真っ暗で寒くて、私はパジャマ1枚でベッドの上じゃない…  

…そんなにまずいの?

①で即119を!と呼びかけておきながら本当にお恥ずかしい限りですが、私にはその場で直ちに119に電話をかける勇気がありませんでした。

その代わりに思い出したのが #7119 。救急安心センター事業です。

自分では救急車を呼ぶ症状に該当するか判断できないときに問い合わせると、緊急性の高さを判断してくださいます

今回の場合は今すぐ!とのことでその場で救急要請につながれました。

以下具体的な流れです。


(1)名前年齢性別かけた際の電話番号を訊かれる
後の救急隊の方たちや病院の緊急センターでも朧げな記憶の中年齢と性別で患者情報のやり取りをされていました。

(2)これから話す内容は誰の症状なのか?の確認
本人か、あるいはご家族のことなのか、ここで確かめられます。
具合がより悪化する中全く#7119の流れを知らずにいたためちょっともどかしい思いをしましたが、とても重要な項目です。

(3)出ている症状について
ここでようやく症状の説明をします。
①で症状の言語化を進めておくことのメリットのもう1つは、電話の向こうの相手に自分の症状を落ち着いて端的に説明できるようになることです。
併せてそれらが生じた時間(そしてアレルギーならその原因物質と考えられるもの)も伝えられると、センター側での判断精度がより上がるのではないかなと思います。

(4)消防へバトンタッチ
緊急性高、と判断されるとすぐ救急要請を出すことを提案されます。
オペレーターの方より
では今すぐ消防におつなぎしますがよろしいですか?
と意思決定を求められます。この世とお別れRTAが一気に現実味を増します。困惑します。
実際一瞬躊躇してしまい「エッ今からですか?!」と返してしまいましたが、オペレーターさんの
「状況から見て今すぐ要請した方がいいです!」
というお言葉、そしてこの会話をしている最中に突如ギアを2段飛ばした症状が出てき、生命の危機を感じたことで要請をお願いしました。

(5)救急車を呼ぶ
ここからはスピード勝負です。
待機音が鳴り、消防とつながるのを待ちます。
つながると、年齢・性別を確認され、住所名字を訊かれます。
必要最低限を素早く訊かれ、
「ではもう数分で着きますので、準備のほどお願いします」
と電話が切れました。一瞬です。


③救急要請をした後は

■準備
結論から言うと、救急車は本当にすぐに来ます。私の場合は5分ほどだったような。
タイムリミットがありかつコンディション劣悪の中、準備できた面々は以下の通りです。

スマホ, 財布, 保険証, お薬手帳, スマホのバッテリーその他諸々の入ったバッグ
…仕事用に準備していたバッグにお薬手帳を放り込みました。

ちぐはぐでもまだ外に出られる格好になる
…外気温マイナスの中パジャマ1枚はさすがにまずいし、帰宅時のこともある。
しかし脱いで新しく着るような時間も余裕も無いため、パジャマの上から幅にゆとりあるパンツを被せ、ダウンを重ねて簡易外出着の完成です。

マスク症状の原因と思われるものを鞄に入れる
…今はとても着けられないが帰宅時必要かも/もしかしたら役に立つかも、と思いつき土壇場で追加しました。

1言残す
…これは同居人に対してですね。この時点でだいぶ限界が来ており手書きは厳しかったため、LINEに家出じゃない旨を残しました。

靴を履く
…最後の仕上げですね。気力で動いて1番歩きやすそうなスニーカーに両足をねじ入れました。

■搬送
実は靴を履く段階で既に遠くからサイレンの音が聴こえてきていました。そのため靴を履いた後は玄関にて壁にもたれたまま座って待機していました。
その後救急隊の方に本人確認をされ、ストレッチャーに乗せられて救急車内に運ばれます。

■移動中車内
正直なところ、この先の記憶は朧げです。
身体に色々着けられ、何か聞き取りをされたような気がします。

■病院
処置中の記憶はほとんどありません。
覚醒した時はパーテーションで区切られた緊急処置ルーム的な場所にいて、なかなか周囲は慌ただしい雰囲気でした。
ここで最後医師や看護師の皆さまと話す機会がありました。


④帰宅

このまま帰宅してよい(入院するほどじゃない)という判断で帰宅することになりました。
この時時刻は午前3時半過ぎ。
結構あっさり放流されるんだな…という感想を抱きます。

ここでしたことはこんな感じです。

・処方薬の受け取り
・必要書類への記入
・支払い
・タクシーの手配
・怒涛のLINEへの返信

支払いの面でなんてこった、と気落ちしたのは、
紹介状無しでの受け入れでしたよ料金
の高さ。

今回のケースでは処置への支払い額(保険証あり)の3倍超。
こんなに高いの!?と目を剥き明細を確認したらばこちらでした。

命が助かったのだから安いのか…しかし急なことで持ち合わせの少ない方もいらっしゃるのでは…?
その場での用意は厳しいため、日頃より現金、クレジットカード、その他各種決済手段を持ち込んでおく・ゆとりを持って手元に持っておく必要があるなと感じました。

帰りのタクシー代もありますし、出費面がね、手痛いですね…ヒン…


⑤帰宅後

"医療機関にて専門的な処置をする必要がなくなった"だけで実のところまだまだ絶不調なのが帰宅時の実態です。

各人によるのでしょうが、私はその先丸2日お休みを取り完全回復にまで至りました。

私の場合、見た目に影響の大きい症状があったため帰宅時にご家族の付き添いでいらしているだろう方々に二度見され続けたことで精神的に落ち込み、元に戻るかな…と不安もありました。

が、症状はいずれ落ち着くと医師から伝えられていたこともあり、あまり鏡を見ずのんびり過ごした結果無事こうしていつも通りになりましたので、周囲は気にせずのんびり過ごすのがよいと思います。
(ただしこちらも各人の症状の原因や体質によると思います。そのため一向に改善しない、心配だという場合はぜひ医療機関を受診し医師の判断を仰いでください。)


一般会場締めの挨拶

さ!
ということで、冒頭でも書きました通り現在は通常運転に戻っております!元気いっぱいです!

しかしこんな私でも一歩間違えれば人生すごろく強制終了の可能性があったわけです。

シューベルトの『魔王』を思い出します。ほら、お父〜〜さん!お父さん!ってやつ…

ここで息子の言葉を信じて魔王に気がつくダディになれるか、はたまた気がつけずジ・エンドを迎えるか。
父親役と息子役、一人二役の緊急事態。
今回の危機回避はひとえにラッキーだった、それに尽きると思います。

偶然叩き出した模範解答に近い高得点を共有することで、ぜひいつかどなたかのピンチでお役立てしていただけたなら嬉しい言この上ありません。

一生無くてよいですが、万一、億が一、真夜中1人で死神あるいは魔王と遭遇しちゃったりしたときに、どうか思い出してくださいな。

それでは!(一般の部、完。)



秘境の地 入り口

ようこそ秘境の地へ。

この先
より詳細な内容(原因は何、いつどんな症状が出たの、それぞれのアクションはどの時点でのことなの)
及び
反省会(なんでもないうちにあれやっておけばよかった)
のコーナーでございます。


なぜ今回これを載せるかと言いますと、医師もおっしゃっていて私も深く同意しているのですが
ほんのちょっとでもタイミングが遅れていたら助からなかったかもしれない
のです。
相当ギリギリの綱渡りをしていたようです。

・今までアレルギーが出たことがなく初期症状を疲労によるものだと勘違いしてしまったこと
・にもかかわらずとにかく運に恵まれて絶妙なタイミングで行動を起こせ、ポケモンで言うところのBボタンが間に合ったこと

つまるところ、初見プレイ運ゲー状態でのダンジョン攻略でしかなかったのです。

そのためゲーム攻略口コミサイトに「私はこの方法で成功しましたよー!」と紹介して次に/より良い攻略の発見につなげるように、今回のより具体的な情報についても挙げよう、と思うに至りました。


以上を踏まえまして、
より実際の状況をイメージしながらピンチに備えたい方
並びに
危機を乗り切った当事者が何に後悔しているのか知りたい方
どうぞこの先ご覧くださいませ!





原因は何だったの?

ここから先は

5,027字 / 3画像

¥ 500