田んぼが好きな理由(後編)
私は、夜の田んぼに、よく助けてもらっていた。
夜風に吹かれると、青々とした田んぼが音をたてて波を打つ。
さわさわ〜~って。
”青田波”って呼ぶらしい。
そんな夜の田んぼがとても綺麗なことも、この土地に来てから知った。
会社の残業帰り。
ヘトヘトで帰ってくると、家の前の田んぼはよく、
少し涼しくなった夜風に吹かれてざわざわ〜〜と音を立ててなびいていた。
波をうつ夜の田んぼは、
気持ちが良さそうで、綺麗で。
私はよく家の前で立ち止まって、
その様子をずっとずっと眺めていた。
すると、私がいつか絶対に行ってみたいなと思っている
モンゴルの星空の下の大草原の映像と、夜の田んぼが、
頭の中でリンクしはじめるのだ。
「ライオンキング」の曲がBGMで脳内に流れたりもして。笑
ここから遠く離れた、綺麗な大自然の世界にワープした感覚になって、、
自然に、深呼吸ができた。
ものすごく癒されていた。
明日もがんばろう。
そんな気持ちになれる不思議な時間だった。
なんでかずっとわからなかった、田んぼを好きな理由。
こうやって田んぼとの思い出を書いてみたら、わかった。
忘れられない景色の原体験があって、
サプライズをくれて。
時に笑わせてもらって、
時に助けてくれて。
それは、 ”気づくと寄り添ってくれていた特別な人” みたい。
思い出すと、その時の気持ちまで蘇ってくるような
いろんな思い出があったんだなあ。
おわり🐸