見出し画像

不動産プレイヤーの選びかた


1.不動産には多様なプレイヤーがいる


不動産にかかわる法律の多さには驚きです。わけもわからず、口をあんぐりしています。
(驚きの例は最後に並べますので、興味があればみてください。)

法律が多いぶん、資格もたくさんあります。
あらゆる場面で、それぞれの専門家が必要になります。

家を建てたり、土地を売買するための国家資格なら、
建築士、宅建士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、司法書士などが
考えられます。
場合により、弁護士や税理士を必要とすることもあります。

土地にかかわる仕事の具体例としては、
木を伐採する、更地にする、地盤調査をする、地盤改良をする、測量する、筆界を確認する、植栽するなどが考えられ、
それぞれのプロがいます。

建物にかかわる仕事の具体例としては、
設計する、許可を得る、基礎をつくる、家を建てる、電気工事をする、ガス・水道を引く、内装をおこなう、設備を入れる、外構を整える、修繕する、リフォームする、取り壊すなどが考えられ、
それぞれのプロがいます。

こうした不動産のプロセスは場面により、出場選手が決まっているので、
そのつど、該当するプレイヤー(資格者)が選手交代で入れ替わります。

(注)ここでは、資格者や技術者をプレイヤーと呼ばせてください。
各人が、不動産にかんするそれぞれのポジション守っているようで、
ぴったりするからです。

そしてこの、プレイヤーを選ぶのは、基本的にはあなたです。
そういうと監督みたいだけど、
たとえるなら、チームオーナーが近いです。
かんたんにいうと、お金を払う人がボスです。

その意識があるかどうかはともかく、立場的には真の実力者のはずです。
ところがなかなかそうはなりません、
知らないことには口を出しにくいので。

ここは、とりあえず話を進めてみましょう。
真の実力者になるのはむずかしいけど、
チームを持つのはむずかしくありません。


2.請負契約は、チームごとの受け入れ


たとえば住宅展示場のモデルルームを訪ねます。
すると受付の優しそうな女の人が、いろいろ説明してくれます。

ボス(あなた)が乗り気だと、次は、チームリーダー(営業トップ)がやってきて、
ウチのチームはすばらしいのでお勧めですよと言います。
それで納得して、ほんとうにお願いすると、請負契約となります。
(キャッシュか銀行ローンで支払います)

この請負契約は、プレイヤーを選ぶというよりも、
すでに完成しているチームプレイヤーたちを、まとめて受け入れることになります。

じっさいに家が建つまでには、上であげたように、
大勢のプレイヤーが必要になります。

例外はあるにせよ、家づくりにはチームプレイが欠かせない、これを想像するのは難しくありません。
メンバー交代させるメリットはほとんどないと思います。

ですから、自分の土地に家を建てるときは
請負契約の相手をどうチョイスするかにかかってくると思います。
(注文住宅のことはいずれまたお話させてください)


3.一流の宅建士とそれ以外


積極的に自分でプレイヤーのチョイスをするべきなのは、どのようなときでしょうか。

こたえは、宅建士とやり取りをするときです。

請負以外の不動産の取引には、宅建業者が入っていることがほとんどです。
売主と仲介、どちらもあります。

対象となるのは、
土地、新築/中古の区分マンション、新築/中古戸建や一棟ものです。

まずは宅建士宅建業について、ちょっと説明させてください。

宅建士は、一般的には不動産屋とか、仲介業者と呼ばれています。
『正直不動産』が有名ですよね、マンガもドラマも面白いです。
開発業者(デベロッパー)なんかにも、宅建士がいます。

このような、宅建士を設置する義務のある会社を、
宅地建物取引業者(宅建業)と呼びます。

宅建業は、小さなお家から巨大な商業施設まで、免許は1種類です。
同じように、宅建士の国家資格も、1種類です。
どんな不動産でも、宅建士の仕事は基本的に同じということです。

そうはいっても、あつかう不動産がちがえば、知識や経験にちがいがうまれます。そして宅建士とは、この知識・経験の個人差が、おそろしくはげしい職業といえます。

一流の宅建士は、調査結果の説明がわかりやすく、
対処法に長けていて感服です。
反対に、私よりも知識・経験が乏しい宅建士もいます。

色眼鏡や偏見はNGと肝に銘じて、
あせらず時間をかけて慎重に観察するようにしています。

宅建士はまた、客の個人情報に深くかかわるからか、
一匹狼だったりもします。
一匹狼は周囲からの干渉を受けにくい状況にあり、自由の度を超すことがあります。

どんなに若くても、億を超えるような取引を成立させるかもしれない、
棚ぼたのある世界です。
激しい競争に勝つために敵を出し抜こうと必死になっている姿を見ることもあります。

困るのは、そういうことに気を取られすぎて、肝心なことがなおざりになっていることが、けっこうあったりすることです。

業界については、そんなに詳しくありませんが、
見てきた物件の数は100以上ありますし、
問い合せもふくめると、たぶん300人くらいの宅建士と話しているので、
率直な意見を書いてみようと思いました。

ちょっと脱線すると、弁護士もまた、個人差がはげしいです。当たり前でしたね。
(弁護士のことも必ずいつか書きたいです。)


4.宅建士は、不動産プレイヤーの中心にいる


冒頭のとおり、不動産にかんする法律はたくさんあります。

しかし、宅建士の仕事は、不動産取引を成立させて手数料をもらうことです。
宅建業の法律には詳しくなければなりませんが、
それ以外については、必要最低限の知識でいいわけです。

その反面、宅建士の多くは、
不動産にかんする、あらゆるプレイヤーたちをつなぐ
ネットワークを持っています。

不動産をとりまく世界を、把握できていないとしても、
宅建士が、不動産取引における中心的な存在であることに、疑いはありません。

そして着目するべき点は、宅建士とは、純粋に不動産に関することなら、
紹介料やキックバックをもらえる職業だということです。


宅建士が窓口となって、紹介してくれるプレイヤーには、

銀行ローンの担当者
火災保険の担当者
土木関係
リフォーム関係
ホームインスペクター
地盤調査や改良の技術者
土地家屋調査士
不動産鑑定士
司法書士
引っ越し業者
ケーブルテレビ、WiFiの業者

などが考えられます。
(注)宅建士は紹介料やキックバックを要求できますが、上記には、それに応じると違反になる職種もあります。

オーナーのあなたよりも、ずっと不動産に詳しい宅建士は、
腰はとても低かったりするけど、そのじつ、
取引の実権を握っている実力者になっていることがあります。

もちろん、オーナーの利益のために頑張ってくれるのなら、
とりあえずは歓迎です。
そういう宅建士は、ちゃんとした会社や人物を選んでくれます。
多少高くても、お金には換えられないこともあります。

でも中には、オーナーの利益を度外視して、
自分(達)の利益を追及する宅建士が存在している、これも事実です。

それゆえ、いちどチョイスをまちがうと、次々にまちがいが起こるという、負の連鎖が考えられます。

プレイヤーの紹介を受けたら、
もっと安くできるかもしれない、もっと質の良いサービスがあるかもしれない、そもそも無駄な出費かもしれない、
そういう可能性を探りながら、適宜、説明をしてもらってください。

特に、リフォーム必須の中古の戸建を購入するときは要注意です。

リフォームを要する中古戸建や一棟ものは、その分、かかわるプレイヤーも多く、
けっして初心者向きではない、むずかしい案件になります。

これに加えて、法律の改正が相次いだことから、古ければ、古いほど、
売るのも、買うのも、リスクが高くなる傾向があることも、
覚えておいてください。

良き出会いを願って、心からお祈りしています。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

※ この記事は、個人の経験をもとに、エンドユーザーもしくは依頼人の視点で書いています。


おまけ:不動産にかかわる法律


不動産に関わる法律は、不動産にかんする、
さまざまな場面に対応するためにあります。

イメージとしては、建てる前、建てているとき、買うとき、売るとき、仲介するとき、そしてトラブルが発生したときなどです。

すこし専門的な言葉だと、

建設業関係に関する法律、
宅地建物取引業関係の法律、
測量に関する法律、
建設コンサルタントに関する法律、
地質調査関係の法律、
不動産の鑑定評価に関する法律、
不動産登記に関する法律

などがあります。
しょうじき、体系まではつかめておらず、
詳しいことなどはわかりません(すみません)。

それから不動産に特化した法律ではありませんが、
争うしかないときには関係してくる法律として、
民法や、消費者契約法などがあります。

最後の最後まで、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?