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2022 参院選 中国地方

遂に本州に上陸! ということで今回は中国地方を分析していきます。中国地方は自民王国ですからね。前回(2019)の参院選から首相が2回変わりましたが、果たして勢力図に変化はあったのでしょうか?


【山口県】

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まずは山口県です。山口は自民がトップクラスに強い県なので、前回は自民の得票率が50.24%と過半数を超えていました。しかし今回は48.88%で前回より票を減らしました。総理大臣が変わったことも関係しているのでしょうか。
また、立憲、国民、共産の3党は選挙区に候補者を擁立しましたが、3党共比例票を減らしてしまいました。

反対に票を一番増やしたのは維新ですね。維新は選挙区に候補者を擁立していませんが、比例票は2万票以上増加しています。立憲と国民は選挙区に候補者を擁立しましたが、両党共比例票を減らしてしまいました。
維新の陰に隠れがちですが地味に社民、れいわ、NHKの3党も票を増やしています。社民は福島瑞穂氏の知名度、れいわは昨年の衆院選で竹村かつし氏が活動したことによる党の知名度の向上、NHKは選挙区での擁立が要因だと考えられます。


【広島県】

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ヒロシです...ゲフンゲフン   広島県です。
広島県は岸田総理大臣のお膝元というのもあって自民が3万票以上増やしました。野党陣営では維新が大幅に票を増やし、国民、立憲、共産、れいわの4党が票を減らしています。
社民は票を増やすことに成功しています。要因の一つに元広島市長の秋葉忠利氏を全国比例候補に擁立したことが考えられます。


【岡山県】

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岡山県は広島と同じように自民が得票を増えていますね。(小野田紀美氏人気でしょうか?) 維新は3万4千票とかなり増えましたが、隣が近畿地方ですが得票率が高くないですね。(前回取り上げた徳島県は16.78%)
維新の中国地方進出はまだまだ時間がかかりそうです。
社民は福島瑞穂氏人気で、れいわは岡山出身の水道橋博士氏と岡山が地盤の高井崇志氏の影響だと考えられます。
反対に国民と立憲は票を大きく減らしました。社民やれいわ、維新、参政に流れた感じですかね。


【島根県】

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島根県です。自民が1万票以上減らしたのは、細田博之衆院議長(島根1区)のスキャンダルが原因でしょうか。その票が維新や参政に流れている気がします。立憲は3年前と違って選挙区に候補者を擁立したからか少し票を増やしました。

【鳥取県】

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鳥取県は投票率が下がった(49.98%→48.92%)ので多くの党が票を減らしています。全国的に票を増やしている維新、福島瑞穂氏人気の社民、選挙区に擁立+ガーシー票のNHKの3党は票を増やしました。


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中国地方全体はこのような結果になりました。自民王国は健在でしたね。維新は約12万票増やしましたが、全国(14.80%)と比べるとまだまだ得票率が低いです。それだけ中国地方は自民が強いということですね。
立憲と国民、共産はかなり票を減らしました。左派は社民、それ以外の人は維新、参政に投票先を変えたと予想しています。
社民は福島瑞穂氏人気と元広島市長の秋葉忠利氏が広島で多く票を取ったことで約2万票増やしました。れいわは山口、岡山の票によって微増、NHKは全選挙区に擁立+ガーシー票でやや増加です。


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今回の参院選の結果を衆院選の中国ブロックに当てはめるとこのようになります。自民が+1、立憲が-1ですが定数が1減(11→10)する予定なので、変更後だと立憲が1議席減らすだけですね。

※実際は戦略投票で立憲がもう少し票を取るはずなので、自民が1議席減らす可能性のほうが高いと予想しています。昨年の衆院選では10位が立憲の2議席目(約28万7千票)、11位が自民の6議席目(約22万5千票)でした。


さてここからはいつものようにれいわについて掘り下げていきます。
今更ですが、タイトルにれいわとか全く書いてないけど大丈夫なのか?と最近疑問に思うようになりました。
でも、まあ別にいいか。嫌な方は前半だけ読めばいいんだし。
ということでやっていきます。

2019(参)と2022(参)の得票率の地図です。

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比較すると山口県下関市や岡山県の多くの自治体で得票率が上がっていることや広島市や松江市などの得票率が下がっていることが分かりますね。

次は得票数を比較してみます。

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岡山県は西粟倉村以外の自治体で票が増えていますね。前半でも触れましたが、岡山出身の水道橋博士氏の出馬が大きいですね。高井崇志氏が岡山1区で今まで活動していたこともポイントです。

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そんな岡山県と隣り合わせの鳥取県では多くの自治体で票を減らしてしまいました。

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2019(参)の結果が良かったというのもありますが、ほとんどの自治体で票が減ると寂しいですね。れいわは日本海側の県(令制国でいうと山陰道、北陸道、出羽国辺り)を疎かにしがちなので、この辺りにも力を入れて欲しいですね。
(というか太平洋ベルト地帯にしか候補者を擁立しないような…)


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島根県も鳥取県と同じですね。山陰側は手薄なのでどうしても得票数が減ってしまいます。そんななか得票数を増やすことに成功した自治体もいくつかあります。これは間違いなくボランティアのおかげですね。


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次は広島県です。この県は2人区なので候補者を擁立する予定はあったようですが、みなさんご存知のように候補者の擁立はありませんでした。
九州地方と近畿地方の間で唯一の複数人区だったので、この選挙区をスルーすると比例票も厳しい結果にはなりますね。

衆院選の結果を見たときも気になりましたが、世羅町は一体何があったのでしょうか。(超優秀なボランティアがいるのかな?)


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山口県は選挙区に候補者がいませんでしたが、得票率が上がりましたね。これは昨年の衆院選で竹村かつし氏が山口4区(下関市と長門市)で活動したことが最大の要因だと思われます。(下関市は唯一4%超え)
山口県は下関市の他にも山口市、周南市、宇部市といった定数の多い地方議会が多いので、地盤を作るチャンスですね。


中国地方で定数が多くかつ統一地方選のある自治体は呉市、東広島市、宇部市の3つです。
※統一地方選はありませんが、定数の多い自治体は他にも下関市、山口市、周南市、鳥取市、松江市、出雲市、倉敷市、福山市などがあります。
この辺の自治体は定数が30前後あるので、当選する可能性が他の自治体と比べると高めです。しかし、れいわの得票率が低い(=れいわがあまり認知されていない)地域なので、無所属で出馬(れいわは推薦や支援)するのが最も当選しやすいと思われます。

国政選挙についても少し考えてみましょう。
参院選は広島選挙区(定数2)で擁立することが重要ですね。れいわが擁立することで野党共闘系の方が文句を言ってきそうですが、今回の参院選で共産も候補者を出していたので問題はありません。
次は衆院選について考えていきます。次回の衆院選はおそらく選挙区の10 増10減と比例区の3増3減を適用した後なので、中国地方はかなり状況が変わります。

(選挙区)
・岡山県(定数5→4)
・広島県(定数7→6) 
・山口県(定数4→3) 

(比例区)
・中国ブロック(定数11→10) 

比例区の議席が1つ減るのがれいわにとっては一番痛いですね。ただでさえ定数が11と少ないのに、これでさらに中国ブロックで1議席獲得が難しくなりました。
選挙区は立憲の現職(比例復活も含む)が鳥取2区、岡山4区、広島新5区(現6区)、予定候補者が島根1区、岡山2区にいるのでこの選挙区は擁立できません。(まあ、別に擁立してもいいような...)
それ以外の選挙区は今のところ空いているはずです。これを前提に擁立できそうな選挙区をいくつか考えてみました。

・岡山1区
この選挙区は高井幹事長が元々活動していた選挙区なので他党との交渉がしやすいですね。(ただし前回の衆院選で立憲から新人候補が立候補したので、場合によっては難しいかもしれません) 2009年(政権交代選挙)でも陥落しなかった選挙区なので当選するのが困難なのも難点です。

・鳥取1区
現職が石破茂氏の選挙区です。ここも難攻不落の要塞です。(というか中国地方の選挙区はほとんど難攻不落です) この選挙区は対抗馬が共産党の候補者しかいないので、ほとんどの有権者が石破氏に投票していますね。
(得票率が84%vs16%) 選挙区での当選は難しいですが、得票率10%をクリアしやすいはずです。

・広島2区、新6区(現7区) 
れいわの得票率を考えると広島はこの2選挙区のどちらかですね。勝ち目は...
もしくは広島1区(岸田首相のお膝元)に擁立して話題性を作る戦略ですね。(前回の山口4区のように)

・新山口3区 竹村かつし氏が下関市議選に立候補するので新しい候補者を探す必要があります。地方議員と候補予定者のコンビでの活動ができると考えるとオススメですね。相手は林芳正氏と超強敵の難易度Lunaticですが、話題にはなります。(相手が強敵だから他党もあまり候補者を擁立したがらないのもあります)

中国地方は自民党王国なので勝てそうな選挙区が本当にありませんね。ですが中国ブロックで議席を獲得するためには、いくつかの選挙区で候補者を擁立する必要があります。得票率10%をクリアできる選挙区を探すのは難しいですね。


今回の分析は以上です。次回は近畿地方の予定です。沖縄→九州→四国→中国とやってきましたが、これまでずっと自民が強かったですよね。次の近畿地方は...? お楽しみに〜

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