【第十五話】トークバックの始まり。

トークバック。この言葉すら全く知らなかった筆者。以前、自身のレコーディングの時にコントロールルームと演奏ルームが別々になっていてコントロールルームとの会話のやり取りが出来る事に『テレビで観た事ある!』と感動したものだ。


別メンバーが演奏録音している時に筆者はコントロールルーム。卓にあるボタン付きのマイクでエンジニアが会話をしているのを見て『僕にも喋らせて!』とお願いしたものである。


現在はひとつの空間に演奏者とエンジニアである筆者がいるので必要無いと思っていたが、新しく導入したオーディオインターフェースにTALK BACKの文字とボタン・・・これはなんだと調べた所、以前スタジオで感動した会話のやり取りが出来るモノなのだと知った。そうしたら使いたくなる。


演奏者はヘッドホン装着で演奏するので当然喋り声など耳に入らない。録り直しの時や途中でこちらがストップさせたい時はむりやり音楽をストップさせたり気付いてもらえる様に大きく手を振ったり。そうして気付いた演奏者はヘッドホンを外して『何?』と。


ここからようやく会話がスタートする。これが無駄なのである。トークバックを使えばそのままヘッドホンに会話の声が流れる様になる。時間短縮は1時間●●円で借りているスタジオに非常に有難い。塵も積もれば法則で・・・トークバックがあるだけで結果合計1時間短縮出来たなんてザラである。


非常に環境が良くなった。確かに良くなったが楽が出来ると更に楽を求めたくなるのが筆者。いちいち手を伸ばしてボタンを押すのがストレスとなる。


解決策は二つ。

①フットスイッチ増設 ②手元にボタン配置

前者は正直やれそうな気がするがやり方がわからない。ただ後者に関してはすぐにひらめいた事があった。


会議とかで使うボタン付きマイク買えばいいんじゃないか?


オーディオインターフェースに内蔵されたトークバック機能はガン無視で単純に空いてるチャンネルにボタン付きマイク挿して手元に置いて喋りたい時だけオンにして使えばいいんじゃなかろうか。幸いチャンネルは16あるので1つ位トークバック用としてつぶしてしまっても痛くも痒くもない。


結果的に自立式のボタン付きコンデンサーマイク(会議とかに使う)を購入し、空いてるチャンネルに挿し本体は手元に。こうする事で会話はストレス無く出来る事になった。広い空間(ライブハウスの端~端)程離れていても筆者の声だけでなく空間どこにいても十分聞き取れる音量で声を拾ってくれるので演奏者側にトークバック用マイクを立てる必要もない。


快適空間レベルが上がった。非常に嬉しいが、こんな事誰でも知っている事なのだろう。ただ筆者が勉強不足なだけなのだろう。


こんな感じで筆者は録音やDTM等に関して知らない事ばかりなのである。現時点だって知らない事だらけなハズなのだが、残念ながら知らない事すらわかってない。疑問に思ったり壁にブチ当たったりして初めて知識ゲットとなる非常に効率の悪い人間なのである。

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