地域包括ケア病棟って何するところ?

こんにちは!

今日も地域包括ケアについてです。日本全国の病院がコロナ患者の受け入れで大変になっていますが、コロナになっても入院できる人と自宅療養の人と分けられるじゃないですか。この、重病度によって処置の対応を決めていく考え方は、地域包括ケアの考えそのままなんですね。

これ、イメージしにくいと思うんですが、日本は高齢社会になり、病院のベッドの数を減らしています。あれ?って思いませんか?

高齢者が増える = 病気にかかりやすい人が増える = 病院に通う人が増える = 入院する人が増える = ベッドの数は今まで以上に必要

となるはずなんですよね。

ですが、ベッドの数は減らしています。

これは、入院しなくても済む人はなるべく、家で過ごしてもらうようにしましょう。そのためには、家で医療体制が整うようにベッドの数を減らしながら、医療も介護も準備を進めましょう。ということなんですね。

そりゃ、病院で至れり尽くせりの方が安心には過ごせます。しかし、それを全国民が対応できるようにするにはたくさんの問題があるんです。

パッと思い浮かぶもので、医療・介護者不足ですね。
医療保険は国民皆保険制度ですので、基本的にはどのエリアにいても同等の医療が受けられるようになっていないといけません。

しかし、高齢者が増え、病院にかかる人が多くなるとその分人手も増やさないとダメですね。それが、少子化により、医療関係者になる成り手が減っている。これが顕著に起こるものが山間地域です。病院に入院することで、医師や看護師だけでなく、病院機能を維持するための人も必要ですよね。その人たちの人手も考えると、足りないことは目に見えています。

そこで、ベッドを病院から自宅に移しつつ、医療体制を整えていこう。というものが、高齢社会を乗り切るための手段だったんですね。

さて、前置きが長くなりましたが、家でも大丈夫な人はなるべく家で過ごしてください、というコロナ対応と同じく、地域包括ケアでも、住みなれた地域で暮らすことがテーマになっています。

その中で、最も難しいことが、家で過ごすべきか、病院に入院させるべきかの病状判断です。これを他職種連携で、家でなるべく過ごせるように評価し、対応しているのが「介護」という仕事ですね。

では本題の地域包括ケア病棟の目的はというと、
医療と自宅の間で、自宅で暮らすことを前提にしつつも、医療的処置を行う必要が高い状態の人が入院する病棟です。つまりは、退院は自宅、けどなんらかの処置が必要なので、入院させるということですね。

わかりにくくなってしまいました・・・

要は、病院だけで病人を診ていくことが難しくなったので、その場所を病院から自宅に移していこう。

ただいきなりやるとパニックになるからその間の機関として、地域包括ケア病棟を置き、病院でありながら自宅で暮らせる支援をしていこうということですね。

本来、入院中に自宅での過ごし方のレクチャーを済ませておき、本人または家族だけでも安全に過ごせるようになることがベストなのですが、なかなかそんなことはできません。なので、自宅での支援を行う人として、

・訪問看護師
・訪問介護士
・訪問リハビリ

というような、自宅にお邪魔して介護という形で在宅生活を支援していくわけですね。この時に、介護が必要なら介護士ですし、医療処置なら看護師ですし、社会復帰ならリハビリと、専門職を使い分けていきましょう、ということなんですね。

なので、訪問系サービスはその人の困っているところにピンポイントで支えるサービスと思ってもらえるとわかりやすいかと思います。逆に言えば、自宅に来てもらえるサービスなので、本人(利用者)としては、なんでも頼みたくなってしまいますが、その使い方は間違えているということですね。

このように、本人を中心におきながら病院や地域の専門職が暮らしを支える仕組みを「地域包括ケアシステム」と呼びます。

この専門職の中に、医療介護の関係者だけでなく、たくさんの人が関われるような地域作りができると、終の住処として自宅で暮らす選択をされる人が増えるのかなと思っています。

さて、3回に分けて地域包括ケアについて話をしてきましたが、医療者や介護者だけが知っておく概念ではなく、人生のどこかで関わる医療介護ですので、国民一人一人が勉強しておくことが大切かと思います。

ただ、勉強しろといってもメリットがなければやりませんので、自然にそのシステムの一員として関わってもらえるような、仕組み作りが先なのかなと思っています。

そんな地域構想についてを熱く語っていきたいと思っています。12/27 22:00~ 24時間ライブ配信をインスタグラムとスタンドFMでしていきますので、ぜひご覧ください。


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