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RIZAP資本提携のニュースと経営者の後悔

SOMPOホールディングスが、RIZAPグループに300億出資するそうです。

詳しく言えば、RIZAPグループ株式会社に100億、その子会社であるRIZAP株式会社に200億を出資するわけです。

RIZAP株式会社は、主にchocoZAP事業をやっている事業会社です。
RIZAPグループ株式会社は、RIZAP株式会社以外にも複数の事業会社を傘下に持つ持株会社です。

この出資によって、SOMPOホールディングスは、RIZAPグループの議決権を約5%、RIZAPの議決権を23%持つことになります。

なるほどなーと納得すると同時に、「もう少しきちんと調べて株買っとけよ、オレ」とも思いました。


■ (再掲)chocoZAPは儲かる(将来的に)


以前、RIZAPグループ2024年3月期決算説明会を受けてこの記事を書きました。

要は、chocoZAP事業は将来的に儲かると結論付けています。

私たち持続未来グループでもタイプは違うとはいえジムを運営しているのですが、そうした当事者から見ても、chocoZAPの成功はかなり可能性が高いと感じます。

■ しかし資金繰りが…


ただし、将来的にはです。
そこにたどり着くためには、大規模出店攻勢などかなりの先行投資が必要です。

2024年3月期決算説明会においても、今期はchocoZAP事業に200億円を投資すると明言されていました。

しかし一方では、2024年3月時点でRIZAPグループが持っているキャッシュは131億円に過ぎなかったのです。

RIZAPグループは、これまでも色々と頑張って投資のためキャッシュを捻出しようとしてきました。
もちろん銀行からも融資を引っ張ろうとしたでしょう。

しかし、ここ数年のキャッシュフローを見る限り、それは成功していません。

■ なぜ銀行は融資に応じないか(憶測)


創業社長は、ほとんどの場合、他者に大きな議決権を与えたがりません。特に事業が有望な場合には。

ですから、できれば出資ではなく融資で資金を引っ張りたいのです。

これは私の憶測に過ぎませんが、瀬戸社長も融資でキャッシュを引っ張りたいと考えたのではないでしょうか。

しかし、これも憶測ですが、銀行は融資に応じなかったのではないかと思います。

なぜなら、以前のRIZAPグループの行いがよろしくなかったからです。
以前、RIZAPグループは、相乗効果が疑わしく、収益性も怪しい企業を買収しまくっていました。(これにはカラクリがありますがここでは省きます)その結果、経営危機に陥った過去があります。

しかし、chocoZAP事業開始後のRIZAPグループは、見違えるほど有望な企業に生まれ変わりました。

とはいえ、いかに有望な事業であろうと、保守的な日本の金融機関は融資に応じなかったのではないかと想像します。

■ 今回の資本業務提携をどう見るか


結論から言って、良いのではないかと思います。

SOMPOホールディングスは契約者も多く、介護事業も行っていますので、普通に相乗効果がありそうです。
資金力があり、追加出資も望めるでしょう。
万一、買収される場合でも、ある種のファンドほどは買い叩かないと思われます。

また、SOMPOホールディングスにとっても悪くない投資でしょう。
chocoZAP事業は、順調に行けば年間200億円くらいのキャッシュを生み出すと推計します。(あくまでも私の推計ですが)

RIZAP株式会社への直接投資分だけを考えても、その23%を持てるわけです。
順調に行けば5年で十分回収できますし、RIZAPグループ全体が揺らいだときには、RIZAPだけを買い取れる最右翼になり得ます。
安いと言って良いのではないでしょうか。

■ そして私の後悔


まあちょっと後悔しているわけです。

今までは「あのRIZAPグループがやることだから…」「店舗についてネガティブな意見を聞くし…」といった感じで懐疑的だった人たちも、SOMPOホールディングスが資本業務提携するとなれば見る目も変わるでしょう。

早い話、株価も上がるんじゃないかなあと。
とすれば、chocoZAPは儲かる、でもキャッシュはない、当然どこかを頼らないといけない…そこまで読んでるなら買っときなさいよ、オレと思うわけです。

ま、「どんなことにも感謝しなさい」と聖書にもあります。後悔してもしょうがないですね。

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