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chocoZAPは今後どのように収益性を上げていくのか

以前、chocoZAPは儲かるのかについて検証(考察)してみました。

結論として、私は儲かるとしています。

そこから数ヶ月経過し、先日決算説明会がありました。ということで、その資料を見たうえで再度考察してみます。


■ どのように変化したか


決算説明会では、chocoZAP事業についてざっくり「いよいよ黒字化するよ」とされています。

まあ、これは以前考察した通りと言ってもいいのですが、もう少し詳細に発表された数値から見ていきます。

・店舗数の伸び
 1,160店舗→1,500店舗
 さすが積極出店ですね。少しペースを落としたとはいえ中々の増加具合です。

・会員数
 101万人→120万人
 これも伸びています。順調と言っていいんでしょうね。
 ちなみに退会率も低め(1%未満)に抑えられています。これはもう少し高いかと思っていたので意外でした。

■ 利益推移の予測


現在、chocoZAPはまだ拡大期にあるため、本来の収益性が十分に発揮されていません。
なぜなら、出店したばかりの店舗は初期費用などがかかるため、キャッシュフローはもちろん、利益も上がらないからです。

しかし、今後は出店ペースも落ち着いてくると予測されるので、初期費用などが不要になった店舗からの利益がどんどん積み上がってくるはずです。

ということでchocoZAP事業の営業利益を試算してみました。
(この予測数値は、chocoZAP全店舗の初期費用などが不要になったと仮定したものです)

2023年11月14日発表数値に基づいて試算すると、営業利益は約134億9000万円。
今回(2024年3月期決算)発表数値に基づいて試算すると、営業利益は約141億6000万円。
営業利益ベースで約5%アップしたと言えます。

一方、店舗数は約29%増、会員数は約19%増です。

あれ?店舗数や会員数の伸びほど営業利益は伸びていない。(あくまでも仮定に基づく試算ですが)

■ 利益の伸びが鈍化したのはなぜか?


理由は、1店舗あたりの会員数が871人→800人と減っているからです。

なぜ減ったのか?

退会者数が多いからとは理由付けられません。なぜなら先にも述べた通り解約率は1%未満と低く、一般的なジムと比較しても低く抑えられているからです。
一般的なジムの月間解約率は、4~5%程度と言われています。私たち持続未来グループでもジムを経営していますが、1%未満というのは驚異的に低いと感じます。

ではなぜ1店舗あたりの会員数が減ったのか。
その理由は簡単で、出店ペースに見合うほど会員数が増えていないからです。

ジムに入会するターゲット人口自体がもう頭打ちなのか、単に踊り場状態でいずれまた増加するのかはわかりません。
理由は不明ですが、出店ペースに見合った会員数の増加がないと増益ペースは維持できません。

■ 今後の打ち手は?


これに対して、決算説明会では次のように打ち手を発表しています。

RIZAPトレーナー 500名体制、コンシェルジュ100名体制で品質向上へ

RIZAPグループ株式会社決算説明会資料(2024年3月期)より

現在の店舗スタッフ数が60人程度とのことですから大幅増員ですね。
約540人増です。

確かに、店舗の清潔性に関する不満や会員へのサポートは手厚くなるでしょう。高齢会員のサポートもできますし、いわゆるホスピタリティ向上に役立ちます。

しかし一方で費用も増加します。
1人あたり人件費がざっくり年間500万円として、540人×500万円=27億円。年間27億円の費用増加です。

うーん、予測される収益性から考えて、それはコストをかけ過ぎなのではないかと思います。

ビジネスモデルとして見たときのchocoZAPの良いところは、「割り切りの良いところ」だと思っています。

今までのジムと比べたら、無人、マシンは少ない、シャワーも無い。でも圧倒的に安い。嫌なら他にどうぞ。

こうした割り切りの良さをやめて、中途半端に人手をかけるのは、私には悪手に見えるのですがどうでしょう。

ただし、このスタッフ増で想定以上に収益性を上げることもできるとも思います。

どうやるのか?
それは、プロテインを売ることです。
そもそもRIZAPグループは、プロテインの販売収益が大きかったのです。
プロテインを販売する営業会社と言ってもいいでしょう。

高齢会員を中心に今までプロテインに馴染みのなかった層にプロテインを販売する。できればサブスクで。

ホスピタリティ向上に見せてのセールス強化政策。ありそうな気はします。

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