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『ドキュメント72時間』~中国 がん専門病院 路地裏の貸し台所~を観て

『ドキュメント72時間』というテレビ番組があります。
NHK総合で毎週金曜に放送されているドキュメンタリー番組です。
ある一つの場所に72時間取材班が張り付き定点観測して、そこに訪れる人をインタビューしたりするわけですね。

この番組が好きで、放送開始以来観ています。
特に先週の放送は印象に残ったので、今日はそれについて記します。


■ どういった内容だったか

肉だんごのスープや煮込み豆腐やフナの料理。今回の舞台は中国の江西省南昌。路地裏にある貸し台所。実はここ、すぐそばにがん専門の大病院がある。貸し台所を使う人の多くが入院患者の家族で、ここで食事を作り、病室の入院患者のもとへ運んでいく。卵巣がんの娘のために野菜スープを作る母親。父親を看病するために仕事を辞め、ここに毎日通う青年。大切な人の命をつなぐ料理。みんなどんな思いで腕を振るっているのか。

NHK+より

この番組、国内取材がほとんどで海外取材は珍しいです。
取材地 中国とは、習慣、風習、社会制度が違うので戸惑いもあったのですが、それが気になったのも最初だけ。しっかりと最後まで興味深く観ました。

kururiさんもレビューを書いていらっしゃいます。

がん患者、家族、そして遺族も登場してきますので、私も感情的、情緒的に揺さぶられるのはもちろん、次のような点が気になりました。

■ 気になった点①美味しそう


まずは、中国の人たちが作る料理がどれもこれも美味しそうなんですよね。ほんと、お金払うから私の代わりに作ってくれないかなと思うくらい。
厨房はもちろん、近くにある市場も活気に溢れているし、食材の種類も豊富。
ふつうに行ってみたい。

「病院食は価格が高いから自炊するのだ」と言っていたけれど、金額はともかく、私のイメージする病院食よりは段違いに美味しそうでした。(栄養バランスはわかりませんが…)
日本の病院では、逆立ちしてもスッポンのスープとか豚足の煮込みなんて出ませんよね。

■ 気になった点②中国の医療制度って…


登場人物がほぼ例外なく「治療費の支払いが苦しい」と言っていたので、ざっと調べたところ、一応中国も皆保険制度ではあるものの、自己負担額は日本と比較して多いようです。

なおかつ、日本の高額療養費制度のような、あまりに高額な医療費がかかった場合でも一定額以下にする制度が不足しているとのこと。
この病院のようにがん治療専門病院にかかる場合には、日本とは比較にならないほどの治療費がかかるようです。

ですから、国の保険制度では補えない場合に備えた医療保険にプライベートで加入する人もけっこういるそうです。

やはり、社会主義国とはいえ、日本と比較するとかなり厳しそうです。

■ 気になった点③けっこう清潔そう


床は地べたなので仕方ないのですが、包丁やまな板で調理するスペース、コンロなどはけっこうきれいでした。

正直なところ、中国の路地裏の貸し台所というので、もっと不潔なイメージを持っていました。
ここなら私も抵抗なく調理できそう。

これは、経営している老夫婦がこまめに働いているからでもあるのかなと感じました。

■ 最も気になった点


えー、これは私の趣味嗜好ですが、登場する20歳男性(元調理人)と16歳女性(料理未経験)のラブコメ展開です。

いやー、これは良かった。尊かった。

この2人、家族の看病のために職や学校を辞めたヤングケアラーなんですが、表面上はあまり悲壮感はありません。

以下、私のツボだったシーンです。

①2人の家族が偶然同じ病室だった
このご都合主義!たまりません!

②女性のあまりの料理下手を見かねて男性が手伝う
女性は本当の料理未経験で、玉ねぎの皮をむかずに調理しようとしたり、火を付け忘れて炒めはじめようとしたり…なかなかのポンコツ具合です。
これを見かねた男性(元調理人)が華麗な手さばきで手伝いはじめ、結局は男性がほとんど作ってしまう。
なんですかこの展開は!たまりません!

③貸し台所のおばさんにからかわれる
「仲いいじゃない、結婚するなら仲人してあげるわよ」と貸し台所のおばさんに声をかけられ、
「でも…彼とは歳が離れてるし…」
と返答する女性。

何ですかこれは!歳が離れていることを持ち出しますが、好意がある事自体は否定してないじゃないですか!たまりません!

④自分の調理はとっくに終わっているのに男性が終わるのを待つ女性
さっさと病院に帰ってもいいのに、柱の陰でわざわざ待っているんですね。
何ですかこれは!たまりません!

思わぬところでラブコメ成分まで摂取できて本当に満足でした。
NHK+のリンクを貼っておきますね。

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024062116337


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