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埼玉の甲子園未出場校に「隠し玉候補」 国際学院のエース、田村剛大に“育成指名”の可能性…今年3月にパニック障害の男性を介抱し、地元紙に掲載される

いよいよ運命のドラフト会議まで一ヵ月を切った。「プロアマ野球研究所」では、当日ギリギリまでドラフト候補を紹介していく予定だ。今回は、夏の埼玉大会で偶然見つけた“隠し玉候補”を取り上げる。

2022年7月11日 全国高校野球選手権埼玉大会
星野3-4×国際学院(9回サヨナラ)

田村剛大(国際学院) 3年 投手 174㎝75kg 右投右打

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情報化が進み、以前と比べて事前に知らなかった選手に驚かされることは少なくなっている。下級生であればともかく、最終学年の選手となると、年に数えるほどしかそのようなことはないが、今回取り上げるのは、事前情報が全くなかった高校3年生の選手である。ちなみに、今年の3月には、同じ高校の生徒とパニック障害の発作を起こした男性会社員を介抱したことが話題となり、地元の埼玉新聞に紹介された。

この日の午前中は大和スタジアムで神奈川大会に向かい、その後に埼玉大会へ移動というスケジュールだった。お目当ては第3試合に登場した川越東の伊藤匠海(3年・投手)で、伊藤の投球については以前の記事で紹介している

会場であるレジデンシャルスタジアム大宮に到着すると、その前の第2試合の4回が終了したところで、国際学院が2対1で星野をリードしていた。

星野は昨年夏に準々決勝に進出しており、2017年夏も5回戦で浦和学院を相手に3対4と接戦を演じている中堅レベルの学校で、一方の国際学院は目立った成績を残していない。面白い選手がいるのであれば、星野の方だろうと思って5回から試合を見始めたが、すぐに目に飛び込んできたのは、国際学院のエース、田村剛大だった。

投手としては、身長174cmでそれほど上背があるわけではないものの、鋭い腕の振りが目立っていた。テイクバックできれいに肘が立ち、体の近くで上からスムーズに腕を振り下ろすことができている。少しステップの幅は狭いように見えたが、全体的なバランスは悪くなく、躍動感も申し分ない。

もうひとつ目立った点が指のかかりの良さだ。筆者が試合を見始めた中盤以降、高めに浮くボールはほとんどなく、ストレートと変化球をしっかり低めに集めることができていた。ストレートの最速は確認できた限りでは139キロだったが、これは5回以降に計測したものであり、暑さと疲労を考えると試合の序盤には140キロを超えていた可能性は高いだろう。

変化球は、緩急をつけるカーブと、カットボール気味のスライダーをしっかり投げ分けることができていた。試合は8回にタイムリーを浴び、9回には暴投で終盤に2度同点に追いつかれたものの、格上のチームを相手に最後まで崩れることなく3失点で完投。打者としても8回に貴重な勝ち越しのタイムリーを放っている。

◆多くのスカウトの前で活躍…密かに注目する球団も

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