千崎 叶野

神話は、平凡な人生に対するロマンティックな抵抗。いつだって京都大学のみらくるえんじぇう…

千崎 叶野

神話は、平凡な人生に対するロマンティックな抵抗。いつだって京都大学のみらくるえんじぇうだよ。

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全体公開ができないような(したくないような)小説類、そして小説の元ネタとなったエピソードなどをできるだけ嘘なしでお届けします。 自撮りも多い。 つまり、ほぼファンクラブ。 最終的な夢は小説の出版。そう、何かしらの賞をとること。自費出版も視野に入れよう。社員みんなで応援してください!!!私も多く書いてきた中で得た哲学などをこのサロンに振りまきたいし、いつかは交流の場を持ちます。

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    有限会社みらくるえんじぇうの福利厚生。作りかけ小説。それについての説明も出すよ。

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    有限会社みらくるえんじぇうの福利厚生中間管理職以上のみ。特別に社員以外も閲覧可能です。

  • ツバメの千夜一夜

    8話完結

  • 初めての詩に挑戦。その無造作。

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    本来は中間管理職(有限会社みらくるえんじぇる社員)の特典。貴方に捧げる文章を。

最近の記事

ツバメの千夜一夜‪𝐃𝐚𝐲‬3

𝐃𝐚𝐲‬3

    • 睡眠特講【HG】

      わたしは不眠症。布団に入ってから5時間くらい眠れないことなんてザラ。頑張らなければ三日くらい起き続けてしまう。結構本格的なやつ、なのだ。勿論心療内科にもかかって所謂睡眠導入剤というのを貰っているし、寝る前のストレッチや散歩、断カフェインなど、思いつくことはなんだってしている。スピリチュアルっぽいことだって、藁にもすがる思いで試している。眠れる香水をベッドいっぱいに振る。薪がぱちぱちと燃える音を聞く。 昔から眠れない子どもだったことはどこかで話した気がするが、もう一度する。こ

      • ツバメの千夜一夜‪𝐃𝐚𝐲‬2

        𝐃𝐚𝐲‬2

        • ツバメの千夜一夜‪𝐃𝐚𝐲‬1

          ‪𝐃𝐚𝐲‬1

        ツバメの千夜一夜‪𝐃𝐚𝐲‬3

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        メンバー特典記事

          魔女の望んだキャンバス 1話

          桜など舞わない、平凡な大学三回生の始まり。私の志望する研究室の助准教授は、通例より一年早く助教授の地位を得た、優秀な女性であった。 「始めまして、遠野さん。私が助教授の御堂です」 研究室見学に行った時、それはそれは若くて美しい女性が助教授と名乗ったから、私は吃驚してしまった。御堂寧々、それが彼女のフルネームだった。まるで小説の登場人物の様な名前だ。身長は170センチメートル近くあるはずだ。漆黒のロングヘアを無造作に束ねていて、それが白衣によく映えた。

          魔女の望んだキャンバス 1話

          京都 第一章

          僕の愛した人は、つまらない人だった。頭は良かったし、良い大学にもいった。社会性がなかった、そしてそれを本人は自嘲気味に口にするが、僕にとってはそれは馬鹿げた芝居だった。社会性がないわけがない。何人もの学生が彼を信じ、門下生となり、僕だってその一人だった。それなのに挫折したことを、美しいガラス細工が壊れてしまったのだと、破片まで丁寧に集めて眺めている。ほんとうに救いようのないひとだった。しかし、もう二度とあんなにも心を揺さぶられることは無いのだろう。

          京都 第一章

          紅花と紫煙

          「私、彼氏が出来たの」 周りの騒音が一気に遠く感じた。ひとは驚くとこうなるのか、と冷静に思っている自分がいたが、あくまでそれは自己防衛でしかないことを私は知っている。 「美散には悪いけど、もう、付き合っちゃって」 こういうときに咄嗟に責める言葉が出てきたらいいのに、私はあまりにも「いい人」すぎる。彼女に嫌われるのが嫌で、彼女が好きで、酷い言葉のひとつでも投げかけてやりたいのにそれができない。 彼女が煙草に火をつけた。私が嫌いな煙草を目の前で吸っていいのは、彼女だけと決

          小指を切る

          小指を切る

          ヒステリアシベリアナと月

          もう朝が来る、朝日を浴びるのが怖くて、それでも眠りにつけなくて。太陽は「今日もお前は何も出来なかった」と私を責めているような気がする。夜だけど学生街だからと気にせず開けていたカーテンを、朝日を見ないために締め切った。

          ヒステリアシベリアナと月

        記事

          深夜背徳の勉強、しよ

          深夜背徳の勉強、しよ

          ツバメの千夜一夜1

          ツバメの巣を取壊す。ツバメは民家に巣作りをすることがあるから、よくそんな目にあうだろう。 ツバメは家があるはずの場所を、ずっと彷徨う。もう二度と帰れない家を探して。家を見つけられないツバメの鳴き声は悲しく響き渡るという。 その話を自分に重ねるのはあまりに感傷的すぎか、と冷静になって想像の世界から目覚めた。 空想という意味の夢なら飽きるほど見たが、もうかなりの間寝る時に見る夢は見ていない。睡眠導入剤も暖かな毛布、パチパチと心地の良い音を鳴らすキャンドルもわたしを寝かせてはくれな

          ツバメの千夜一夜1

          魔女の望んだキャンバス3

          魔女の望んだキャンバス3

          推しの子の終わり、有馬かなの終わり

          今更言うのもなんだか変だけど、最初からアクアはかなに気を引かれている描写が多かった。素に戻れるという、「嘘」「真実」が重く題材として扱われる作品としてはもう書き手からのチェックメイトではないかと思うほどのヒロイン演出をしてきた。 『超時空要塞マクロス』の時代から、日本のサブカルチャーにおける名作は先にアプローチをかけた健気な女の子は負けヒロインになることが多い。リン・ミンメイはちょっと小悪魔だったけど、『マクロスF』のランカちゃんならあの健気で一途で、でも負けヒロインにしか

          推しの子の終わり、有馬かなの終わり

          魔女の望んだキャンバス2

          翌日、私はいつもより早起きだった。お酒が残っているのか少しだけ頭が重い。スポーツドリンクを流し込むとその不快さはましになったが、もう一度眠りにつく気にもなれなかった。たまには早く研究室に行くというのも悪くない。そうしていつもよりも早い時間に研究室についたのだが、寧々は既にいて、楽しそうに紅茶を淹れていた。私がおはようございます、と声をかけると微笑んで挨拶を返した。私より早く来た学生の机には紅茶が置かれていた。早起きしてしまったのは私だけではなかったのだと思うと少し残念だった。

          魔女の望んだキャンバス2

          巣食う悪魔

          シェイクスピアの『Macbeth』を観劇した。主人公のマクベスは、悪魔に乗り移られた様に権力に溺れ、人を殺していく。その罪悪感、後悔から幻覚が見えるようになり、万物を恐れ、最後は不幸な死を遂げる。 この手のものに、見覚えがある。モームの『月と六ペンス』のストリックランド。そして、フォン・ブラウン。先日の記事で私が述べた人物に多く似ている点がある。 ……ごめんなさい、その記事消してます。 「悪魔」に取り憑かれていること、この3人の共通点だ。ただマクベスが異なるのは、

          魔女の望んだキャンバス 1話

          桜など舞わない、平凡な大学三回生の始まり。私の志望する研究室の助准教授は、通例より一年早く助教授の地位を得た、優秀な女性であった。 「始めまして、遠野さん。私が助教授の御堂です」 研究室見学に行った時、それはそれは若くて美しい女性が助教授と名乗ったから、私は吃驚してしまった。御堂寧々、それが彼女のフルネームだった。まるで小説の登場人物の様な名前だ。身長は170センチメートル近くあるはずだ。漆黒のロングヘアを無造作に束ねていて、それが白衣によく映えた。

          魔女の望んだキャンバス 1話

          モーニング行こ〜!

          わたしの朝ごはんはお得なモーニングセットから始まる。暖かい紅茶がいい。それが適温になるまでゆっくり単語を覚えられる。 ちなみにここはトーストセット、チーズトーストセット、ピザトースト、カレーセット、パンケーキセットが選べる。朝に甘いものは派だったはずなのに、いつの間にかしょっぱいもの派になっていた。 さあ、みらくるえんじぇうは何食べるかな。

          モーニング行こ〜!

          さらさらと流れて

          さらさらと流れる透き通った水が 美しいとされる 透明は何もかもを忘れさせるから 色んなものを託されながら だれよりも悪い心を持っていて

          さらさらと流れて

          夏はメンヘラ いとをかし

          夏はメンヘラ いとをかし

          京都 第二章

          新幹線に乗る時はノースフェイスのリュックに入るほどの荷物しか持っていなかった。僕には期限がないので、京都にもう一泊くらいして郷愁を味わっても良かったが、逡巡して、そのまま帰ることにした。荷物は父親が受け取ってくれるから僕は急がなくていい。でも、きっと文句の一つや二つを言われることだ。 ペットボトルの水を一本、新幹線の机に置く。E列に座ったが、ガラガラだからきっと隣は来ない。リュックを周りを見渡しながら隣の席に置いた。 スマホを開くと紫音くんから連絡が一件入っていた。また遊ぼう

          京都 第二章

          京都 第一章

          僕の愛した人は、つまらない人だった。頭は良かったし、良い大学にもいった。社会性がなかった、そしてそれを本人は自嘲気味に口にするが、僕にとってはそれは馬鹿げた芝居だった。社会性がないわけがない。何人もの学生が彼を信じ、門下生となり、僕だってその一人だった。それなのに挫折したことを、美しいガラス細工が壊れてしまったのだと、破片まで丁寧に集めて眺めている。ほんとうに救いようのないひとだった。しかし、もう二度とあんなにも心を揺さぶられることは無いのだろう。 京都のマンションを引き

          京都 第一章