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MS Teams in USPTO

さて、以前からニュースは出ていたのでご存知の方も多いかも知れませんが、USPTOの審査官インタビューにMicrosoft社のTeamsが採用されました
(ちなみに、この件については過去に一度記事を書いたつもりでしたが、本当に「つもり」でした・・・)。

これまで、審査官とビデオ会議をするときはWebExが使用されていたのですが、あまり評判がよろしくなく、MS Teamsに鞍替えしたようです。
とはいえ、アメリカの審査官インタビューは今も昔も電話でするのが主流で、ビデオ会議をすることはほとんどありません。ただ、私は日本にいるので電話を使って審査官インタビューに参加するというのはちょっと不便です。そのため、私の担当案件のときはMS Teamsでやってくれないか、というリクエストを出してもらっているのですが、これまでにOKしてくれたことは一度もありません…。電話と違って、招待用のリンクを送ったりするのが面倒なんですかね。使い方がわからない、という審査官もいるそうですが、本当か?という気もします。苦笑
昨年末にMS Teamsの使用が可能になったと聞いてからだけでも20回近くインタビューをしていると思いますが、全然ダメです。所内の他のメンバーにも聞いてみましたが、出願人が参加する、という場合以外はほとんど対応してくれないようです。

じゃあ、私はどうやってインタビューに参加しているのか、という点ですが、アメリカにいる同僚と私とを所内のMS Teamsで繋ぎ、同僚の電話をスピーカーフォンにしてもらって参加する、という形を取っています。これが意外と問題なくできるので、まぁこのままでもいいか、という感じもしています。


さて、話ついでに日米の審査官インタビューの違いについても少し触れさせていただきたいと思います。

日本の審査官インタビューの場合、発言権は出願人本人か委任状をもった代理人だけにあり、その他の者(同じ事務所で働く特許技術者など)は発言権がない、という考えがあります。特に一昔前はその傾向が強く、特許技術者が発言するとたしなめられることもありました(そのため、特許技術者は弁理士の後ろからひそひそ声でサポートをし、審査官は聞こえないフリをする、というなんとも滑稽な場面もありました)。
ただ、最近は軟化傾向にあり、実際に案件を担当しているのは特許技術者です、といったケースの場合、弁理士は横に座っているだけで、担当技術者が審査官と話をする、ということも珍しくなくなりました。が、それでもたまに、弁理士としか話をしない、という態度の審査官もいるという噂を聞きます(すいません、私はそういう審査官に当たったことがないので真偽のほどはわかりません)。

一方、アメリカの場合はその辺がかなりフランクというかルーズです。
まぁ、私の場合はネイティブのようには英語をしゃべれない&まだ所内ではレビューを受けている立場なので、基本的に私が主体となって面接をすることはないですが、ところどころコメントを挟んでも何も言われませんし、普通に対応してくれます。気のいい審査官だったりすると、お前が主体になってインタビューやってみろ、何て急に上司に言われて、たどたどしい英語を使って四苦八苦しながらインタビューさせてもらうこともあります。

もう一つ、アメリカのインタビューの場合は予め審査官にアジェンダを送りますが、日本ではあまりそういうことはしません。話し合いたいポイントを予めまとめておく方が効率的ですし、これを使ってインタビューを進められるので個人的には重宝していますが、記録として残る可能性もあるので、微妙な内容の場合は予め記録として残さないよう審査官に伝えておく必要がある点は注意ですね。

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