USPTOの最近の動き

さて、今日は最近のUSPTOの動きを2つほどご紹介したいと思います。
驚くようなものではないと思いますが、どちらもコロナ禍を反映した動きなのかな、という印象です。

1. FIRST OFFICE ACTION ESTIMATOR

先月末から利用可能になったのが、このFirst Office Action Estimatorです。
(ご利用はこちらから)

First Office Action Estimatorの画面

名前の通り、1回目のOA(拒絶理由通知)が発行されるタイミング(予測)を教えてくれるツールです。PAIRとかPatent Centerでも確認できたと思うので、なぜわざわざ?という疑問もありますが、USPTOの説明によると、2021年から審査官に対する案件の振り分け方が変わったらしく、それを反映させたのがこの新しいツールだとか。
なお、”First”と付いているように、既に1回目のOAが発行済の案件は対象外になります。出願人の応答時期にも依存するので(延長も入れると最大6月の応答期間がある)、2回目以降の予測は無理でしょうね。

因みに、日本の特許庁も似たようなサービス(特許審査着手見通し時期照会)があります。ただし、日本の特許庁の場合は今後6か月ほどの間に着手予定の案件を列挙したリストをダウンロードできる、というものであるのに対し、USPTOが今回発表したツールは、サイトで個別の出願番号を入力して結果を確認するタイプのものとなります(なお、日本でも個別案件の照会が可能ですが、これは特定の者(出願人や代理人など)が「審査状況伺書」を提出して確認する・・・というものなので、あまり使われていないと思います)。

2. PATENT PUBLIC SEARCH

2つ目は、2月1日にリリースされた文献検索用のツールです(ご利用はこちら)。

Patent Public Search

こちらは審査官が審査に利用しているツールをベースにして作成された文献検索用のツールということなので、クリアランスのための先行技術文献や、拒絶・無効理由を探すための文献検索をするサーチャー向けのツールではないかと思います。
私は基本的にサーチの仕事はしないので、有益なコメントもできないのですが、どなたか使い勝手などをレポートしてくれないかと勝手に楽しみにしています。


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