見出し画像

US特許庁費用改定(案)

最近、USPTOの費用についてご質問を頂いたので関連記事をアップさせていただきます。

米国の知財系手続に馴染みのある方は良くご存知だと思いますが、米国特許商標庁(USPTO)は、おおよそ2年ごとに庁料金の一部改訂を行っており、今年の4月には2025年1月から適用予定の新料金案が発表されています。

残念ながら本改定案に対する意見募集期間は終わっており、現在は意見内容を吟味しているところなのだと思うのですが、個人的に気になった料金改定内容をご紹介したいと思います。

継続審査請求(いわゆるRCE)費用

RCEは最後の拒絶理由(Final Office Action)に対する応答時の1つのオプションとして使われますが、誤解を恐れずにいえば、Finalというステータスをnon-Finalに戻す手続といえるかと思います。
Finalが出て困っていたので便利!という大きな利点はありますが、その代わりに特許庁には庁費用を納めなければなりません。

RCE費用の改正案は以下の通りです(中小企業やスタートアップ向け費用は割愛します)。

【新設】継続出願費用の追加費用(Continuing Application Filing Fee)

分割出願を含む継続出願の費用についても変更が提案されています。
具体的には、親出願の優先日から3年を超えて継続出願をする場合には$1,500の”追加”費用を、優先日から7年を超える場合は$3,000の”追加”費用がかかります。出願の基本手数料ではなく、基本手数料に追加で課される費用である点にご注意ください。
<追加情報:2024.04.08現在>
継続出願の費用の新料金に関し、USPTOから変更があったようです。新たな提案では、5年を超えて継続出願する場合の費用が$2,200、8年を超える場合は$3,500と発表されています。

【新設】AFCP 2.0 請求費用 (Consideration of AFCP 2.0 Request)
最後の拒絶理由(Final Office Action)に対する応答時のオプションとしてRCEと共に検討対象に入ることの多いAfter Final Consideration Pilot(AFCP 2.0)の請求ですが、これまで無料だった庁費用が$500に改訂される予定のようです。
これまでは無料だからこそ、まずはAFCPを利用し、必要に応じてRCE、といった戦略も気軽に取れましたが、庁費用がかかるとなるとAFCP 2.0の利用に慎重になるケースも増えてくるかもしれません。

その他
改正案は他にもあり、例えばIDSの提出文献の数が100を超えた場合の追加費用が提案されていたり、審判手続の費用は多くが25%ほど増額されているよゆです。
また、特許の取消や無効を求める手続であるPost Grant Review(PGR)、Inter-Parte Review(IPR)に関し、審判理由書(IPR request, PGR Request)の文字数に応じた料金等も新設されているようです。

詳しくはこちらから

改定案の料金表はこちらのページからダウンロード可能です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?