米国商標法制定75周年

昨日7月5日はアメリカの商標法制定から75周年でした。

このアメリカ商標法、一般的には起草者の名前を取ってランハム法(Lahmah Act)と呼ばれていますが、このランハムさんはテキサス州出身の議員だったため、6月にはテキサス州ではお祝いがあったようです。

75年前というと第二次世界大戦が終了して1年後ですね。

さて、商標法は一般的にランハム法と呼ばれている、というお話をしましたが、「合衆国法典第15編(15 United States  Code、略して15 U.S.C.)」としてまとめられています。

一方、特許法は第35編にまとめられているのですが、商標法と違って起草者の名前などは使われておらず、単にPatent Act(特許法)とだけ呼ばれています。

なぜ特許法には愛称がないのか少し気になったので調べてみましたが、はっきりとした理由は見つけられませんでした。ですので、以下は私の勝手な予想です。

米国特許法の歴史は商標法よりも遥かに古く、成文法として成立したのは230年以上前の1790年となります(法律にサインしたのは初代大統領のジョージ・ワシントン!)。しかも、特許の歴史自体はさらに古く、植民地時代の1641年にはマサチューセッツ州で特許権の前身となるような独占排他権が認められたそうです(非公式には、これがアメリカ特許第1号として知られているそうです)。

また、1787年に制定された合衆国憲法にも「科学の発展及び有用な技術を促進するため、その発明者らに独占権を与える」ということが規定されています(第1章第8条第8項)。

こうした事実を考えると、特許法の制定に関して特定の誰かが著しい貢献をした、というよりは、慣習法として積み重ねられてきたものを条文化してまとめたのが特許法、という性質を持っているように思われます。

もちろん、成文化の作業のためには多大な苦労をされた方がいたと思いますが、法律の内容そのものは既に(慣習法として)存在していたものだったので、ランハム法のように特定の起草者が想定できず、愛称が付けられることはなかったのかも知れません。

なお、日本の特許法(正確には、その前身となる専売略規則)が初めて制定されたのは1871年、世界で最初の成分特許法は1474年!のベネツィア特許法です。1474年というと日本は室町時代ですね。




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