2018/7/10~11 住まい×介護×医療展@ビックサイト

2018/7/10-11 住まい×介護×医療展@ビックサイト

参加講義の一覧
① 「分かりやすい!厳しさを増す高齢者住宅併設事業所の実地指導対策」 小濱介護経営事務所 小濱道博代表
② 「薬局が変われば施設が変わる~薬局の選び方・活用法~」 ファルメディコ(株)狭間研至社長
③ 「介護、在宅医療へのICT活用への評価と介護施設での遠隔健康管理の実態」 芙蓉開発 前田俊輔社長 
④ 「訪問介護における混合介護や生活支援のボランティア化、外国人労働者の雇用について考える」 ホームヘルパー協会 因 利恵
⑤ 「これからの「住まい×介護×医療」~あるべき住宅・介護・医療施策~」 国土交通省副大臣 秋元司衆議院議員、 医療法人社団永生会 安藤高夫理事長、武見敬三参議院議員
⑥ 「外食宅配の保険外サービス 利用者・スタッフ満足の仕組み」(株)スリーフォレスト 三森智仁社長
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以下、メモ

① 「分かりやすい!厳しさを増す高齢者住宅併設事業所の実地指導対策」 小濱介護経営事務所 小濱道博代表

(講師が一番伝えたかったこと)実地指導時に虚偽、偽装があると返還金額の大小に関わらず一番重い「指定取り消し」になりえる。正しいことをしているならば正直が一番。

(以下講義メモ)
・ 実地指導の担当者が都道府県から市町村に変わったため、指導件数と処分件数がH25年以降増加している。また、指導での指摘事項もH24年以前とH25年以降で変わった。

・ 実地指導には①1か月前に書面で事前通知②指導開始時(つまり当日)にしか通知がない無通知指導(高齢者虐待が疑われる等の理由で)があるが、過去3年無通知指導の実績はない。しかし、宇都宮市は今年度より開始すると表明しているので、今後実施される可能性がある。

・H27、H28年度に実地指導を受けた事業所のうち約3割が指定取消、効力停止の処分を受けている。特に、併設事業所がある高齢者住宅の場合、処分対象になる割合が多い。

・ 実地指導の指摘事項は主に3点 
① 「併設事業所」と「高齢者住まい」の双方に従事する者の兼業状況が不明瞭 
② 「高齢者住まい」と兼務していることで「併設事業所」としての人員基準を満たさない状況になっている 
③ 「併設事業所」のサービスと「高齢者住まい」のサービスが区分されていない
・例えば、午前にデイサービスの職員として勤務しているならば、午前中は老人ホームの業務に従事してはならない。
・老人ホームが行政処分を受けると、併設事業者は何も悪くなくても業務停止になることがある。


・指定取消例(下記以外にもレジメに多数事例記載あり)
① 高松市 居宅サービス、介護予防サービスの指定取消
(理由)実施実態がないにも関わらず、利用者3人に訪問介護を実施した虚偽の訪問介護日誌を作成、介護報酬計2.6万円を不正請求した。
(不正背景)入院等で訪問介護がドタキャンになった3人分を請求してしまっていることに気付いた。指導3日前であったため、実地指導が厳しくなることを恐れて過誤申請をせず、つじつま合わせのために実施していない訪問介護日誌を作成してしまった。
(行政判断)2.6万円だが偽装で悪質性が高いため指定取消。
(正しい行い)利用者の都合で訪問がドタキャンになることはよくあるので、過誤申請をし請求を取消すればよい。

② 下関市 デイサービスの指定取消
(理由)入浴ではなく清拭を実施している場合においても、全身浴として区分変更なく算定し介護報酬を水増し請求した。
(理解するために必要な知識)お風呂サービスは、点数順に全身浴、部分浴、全身シャワー、部分シャワー、清拭の5種類がある。当日体調が悪いときに入浴から清拭に変更になるのが定番であるため、清拭の場合、利用者の個人別記録等に体調不良等の記載があり、バレる。
(行政判断)虚偽の請求につき悪質性が高いため指定取消

③ 愛知 開設まで遡って介護報酬全額返還 9,429万円
(理由)サービス提供責任者ではなく別の職員が訪問介護計画書を作成していたため。
(不正背景)訪問介護計画書はサービス提供責任者が作成義務を負っているが、サービス提供責任者の名前が記載されているだけで、開設時から別の職員が作成していた。

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② 「薬局が変われば施設が変わる~薬局の選び方・活用法~」 ファルメディコ(株)狭間研至社長
※講師情報:もとは外科医で現在も外科医として勤務している。お母様が経営していた薬局を継ぎ、医師の目から見ても薬剤師は使える人材であることを全国に広めるため講演を各地で実施している。薬剤師業界で知らない人はいないくらい有名人です
※最後の5分のみ聞きました。資料を見たところ、スライドの多くを使って「薬剤師は何ができる職種なのか?」を解説していると思われます。
(講義メモ)
ü 高齢者の新規入院の原因のトップ3は①骨折(多くは転倒による)②肺炎(多くは誤嚥性)③食事が減る→向精神薬と眠剤が多く使用されているケースが多く、減薬により改善できる。ゆえに、薬剤師の介入により入院件数を減らせると期待している。
ü (薬剤のトレンド)降圧薬のアムロジピンが、Ca拮抗薬のため、筋緊張を緩め、嚥下機能を落とす原因になっている可能性がある。疑われる患者において、空咳の副作用が発生しなければレニベースに変更するのがトレンドになりつつある。

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③ 「介護、在宅医療へのICT活用への評価と介護施設での遠隔健康管理の実態」 芙蓉開発 前田俊輔社長 
(講義メモ)
ü 2025年に全病院でDPC導入を目指している。
ü 2018年報酬改定により200床クラスの病院が150床介護医療院+50床病床等の配分で機能転換しやすくなった。
ü H29年よりAIを用いて介護施設に入居する高齢者等の疾病の早期発見・重症化予防を行う実証実験が始まっている。また、厚労省科研で開発した「安診ネット カイゴ(①AIによりバイタルの異常値検知②医療・介護の情報共有③入力の省力化の機能を持つ)」を4月に全国発売開始。
ü 疾病の早期発見はスピードの点で人よりもICTが勝る。高齢者は自覚症状が乏しく問診が有効でない場合がある。また加齢でバイタルが一般成人と異なる動きをする場合があるため、AIが検知・解析を実施することで早期発見につながる。

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④ 「訪問介護における混合介護や生活支援のボランティア化、外国人労働者の雇用について考える」 ホームヘルパー協会 因 利恵会長(社会福祉士)
(講師が一番伝えたいこと)不足する労働者を外国人で補充するにはハードルが山積み。ロボットで代替えをし、自国内で解決策を見出さねばならない。
(講義メモ)
ü 外国人の技能実習生として現在宮崎で2名働いているが、今後の労働力として期待されているのではなく、他国への技術移転による国際貢献が目的で受け入れをしている。そのため、外国人労働者に日本語が不自由でもできる生活支援の一部を担ってもらえばいいのでは?という発想は本質を理解できていない。
ü ベトナムはふたりっ子政策を行っているため、将来的に自国の労働力を担うことで手一杯になる。(そのため、日本で働いてもらうことは期待できない)
ü ドイツでは午前は介護現場、午後は勉強と区切られており、無料で学校に通えるだけでなく生活面のサポートも手厚いため、外国人の多くはドイツに行きたいと思っている。
ü 中国に対してもマネー待遇面で日本は勝てない。
ü 日本の女性は1000万人働いていない。介護での不足は50万人を見込んでいるので、日本国内で解決策を見出すことは可能であるように考える。

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⑤ 「これからの「住まい×介護×医療」~あるべき住宅・介護・医療施策~」 
(ア) 武見敬三参議院議員

(講師が一番伝えたかったこと)アジア各国が日本を追うように高齢化が進むので、日本でアジアの手本になる施策を作っていく。
(講義メモ)
ü 高齢化(65歳以上人口が7%→14%に増加)が欧米で100~70年かかったが、日本では24年で進行した。
ü 日本を追うように台湾、シンガポール、タイ、中国(所得がソコソコある4か国)でも20年前後で高齢化が進んでいる。
ü 一方、国が豊かになる前に高齢者が増える国も出てきている。(例:ベトナム2016年に7%到達→2034年に14%到達見込み)
ü 政府はODAを通じて、民間あ合弁会社等を通じて、アジア全体で介護を運営・技術を循環させることができるはず。
ü 2042年に日本で高齢者人口が減少に向かうため、外国人労働者が日本で失職する未来がある→自国に戻ってもしくは他国で経験を使えるようにしていきたい
ü 現在、技能実習生として外国人労働者を介護の現場で受け入れしている。5年の期限付きで。労働者ではなくあくまで日本の技術を学ぶ立ち位置で。
ü 労働者として外国人を受け入れる施策を現在作っている最中。これも5年の期限付きで、家族の帯同は認めないが、5年後に優良労働者は期限延長や家族の帯同を認める方向である。
ü 外国人労働者の受け入れ条件が他国と比較して厳しいという意見がある。しかし、台湾でインドネシアより22万人労働者を受け入れた際に礼拝や食生活等の違いで社会問題が発生したため、慎重に検討していく必要がある。

(イ) 国土交通省副大臣 秋元司衆議院議員 
(講義メモ)
ü サ高住は、東京近郊でURや公営住宅の入居者が高齢化し、厚生労働省の補助金を利用して見守り活動を開始したところから始まった。
ü 現在サ高住の入居者の3割が要介護度3以上、7割が要支援1~要介護2を占め、自立者が少なく、特養待機のための住宅になっている。
ü 特定施設は有料老人ホームのうち1割程度。総量規制をしているというよりも、優良業者を認定するため。
ü URや公営住宅の建替え時に医療・介護サービスを併設させられるように、H30年予算で建替え時の補助金をUPさせた。
ü 保証人の有無、所得制限等で住み替えが叶わない問題がある。
ü サ高住で居室面積25m2以上は全体の1/4に留まるため、広い空間に住めるような政策も整備していく方向。
ü 地域で民生委員(1名で地域住民の100名をカバーする)を認定しているが、民生委員自体が高齢化してきている問題もある。
ü ヘムス(スマート住宅):当初は電力の安定化が目的であったが、冷蔵庫の開閉等で家の中の異常が検知できる仕組みを準備している。民生委員は家のドアを開けて中を確認することはできない(市町村や警察の介入が必要)が、ヘムズをチェックすることで室内状況も把握できるようにしていけると良い。

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⑥ 「外食宅配の保険外サービス 利用者・スタッフ満足の仕組み」(株)スリーフォレスト 三森智仁社長

ü 介護予防、自立推進のために、混合介護や介護保険外サービスのニーズが高まっている。
ü 介護施設で外食したいものアンケートを実施したところ、定番の寿司、てんぷらのほかに、ステーキやファストフードの希望が多く意外であった。
ü ファストフードの宅配サービスはこれまでにも実施されてきたが、配達料が上乗せされ、定価で買うことができなかった。そのため、定価で購入可能かつ介護施設に保険外収入が入る「ハッピーテーブル」というサービスをこの4月に開始した。
ü マクド、サーティーワン等有名店を含む30カテゴリーの外食チェーンの注文を1つのWEBページから行えるようにした。システム上で近隣の店舗が表示され、WEB上で注文後、指定した時間に施設の方やヘルパー等が取りに行く流れ。
ü 利用者は加盟料やランニングコストは不要。売価の20%を販売店から一旦ハッピーテーブルが受け取り、10%をハッピーテーブル、10%を利用者で分配することで、利用者は保険外の副収入を得る。取りに行く手間を副収入でカバーするイメージ。
ü 取りに行けない場合は、西濃運輸と提携しているため、デリバリーにもできる。その場合は利用者が本来受け取る10%を利用者2~3%,西濃運輸が7~8%に分配する。
ü 販売店は定価で販売+定価の20%を支払わなければならないが、買いに行きたくても自力で買いに行けない人をお店に繋げることができるという点を強調して営業することで、協力いただけている。
ü 60名入居している施設で平均喫食人数が20名程度だった施設で、ハッピーテーブルを導入後、喫食人数がUPし、定期的なビュッフェランチの契約を獲得することができた。
ü 4月に首都圏1都3県で開始し、6月に関西で開始。北海道から福岡までをターゲットとして11施設での契約を年内目指す。


以上です。

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