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凄く疲れている。目を瞑れば永遠の眠りについてしまうような気がしてとても怖い。

深夜2時ごろ、そうっと玄関の鍵を開けて道路へ出る。海沿いのガードレールに向かって顔を乗り出す。初秋の虫たちが各々一定のリズムを刻んでいる。
世界で私だけ
そんなふうに思えてしまう。
孤独が怖い。常にSNSで誰かと繋がっている気がする。定期的に誰かに認められないと、私が私を許せない。この世界に存在していいのかもわからなくなる。
しかし、この時間の孤独はすごく心地がいい。
家族に不評な最近のメイクも、ピアスも加工も全部全部自分のものにしてしまいたいのに、それを落としたり、外した自分の顔を、私は自分だけは愛していたかった。

もうね、分からない。
毎日何となく生きてしまっているような気がする。
周りから見れば無理しないでね、などと心配されることが多いけれど、私は無理をしなければ生きることがきっとできない。

根性焼きもピアスも傷跡も大昔にバグっちゃった貞操観念も全部全部私の思い出だし、お守りだし、誰にも邪魔なんてさせないって思ってるのに、やっぱり何かがおかしい。世界がおかしいのか私がおかしいのか分からない。

ふと、橋の上を歩いている時に手をかけて飛び込みたくなる衝動や駅のホームで踏切の音が聞こえた時に点字ブロックの前へ立って倒れ込んでみたいと妄想してしまうこともきっと正常ではない。

やさしいね
昔から言われ続けて、こんな今でもよく言われる言葉だ。
私の心がいくら荒んでも、酷いことばかりしか考えられなくなっても、私はやさしいと言われ続けている。
私は私を大事にすることが出来ない。自分にやさしくしようなんて思えない。
だからこそ怠けている人間を見るとすごく苛立ってしまう。しかし、目の前でどうこうできるわけもなく、私はただのいいひとで終わるのだ。
やさしいと思われることは損だと思う。同時にすごく舐められてしまう。それが悔しかった。

思い切りわがままに生きようと思った。
どうせ今日死ぬかもしれないし
そしたらすごく疲れる。
辛くなったらボタン一つで人生リタイヤ出来ればいいのにと本当に毎日思う。

20年があまりにも長く息切れしてしまった感じがある。そんな自分が実はものすごく怖いはずなのにイマイチ実感がない。最近のこの調子から早く回復して、思い切り泣いたり笑ったりしてみたいなと思う。

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