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真綿で首を絞める

自分の寂しさを埋めるために男たちと時間を重ね、禁忌を犯す毎日に満足していた。

利用するのはあくまでも私。
心を求めているんじゃない、身体を求められることに応えてあげるというスタンスで抱かれることによって相手を支配し、
私のために動く男を見て自尊心を保っていた。

生涯を共にする相手と愛を確かめ合う為の行為の幸せを知らない訳では無いが、限りのある火遊びの行為はとてつもなく甘美な響きで私を魅了するのだ。

悪魔の囁き。

そして、その行為の相手に選ばれし者は社会的地位があればあるほど、禁忌の味か高まる。
関係が露呈した時ののリスクが相手に降りかかることが堪らなくゾクゾクするのだ。
既婚者は法を犯してしまうので手を触れないが、相手に大切なものが存在すればするほど、自分に価値を感じ、酔いしれ感じてしまういけない自分に酔いつづけた。
本当は触れてはいけない関係をなし崩しする瞬間、名前も知らない相手と関係を結ぶ瞬間たちがムードを掻き立てるのだ。

男なんて私の欲望を満たすだけの玩具。

人間の皮を被った獣な毎日。

されど、同じ刺激というのは慣れてしまえば何も感じられずそれよりも大きい欲に埋め尽くされ、スリルをもっと激しく求めて加速していくのだ。

今日もセオリー通り唇を重ね合わせ、互いを貪り、求め合う。
たちまち乱れた波長が流れる室内。
研ぎ澄まされる五感は奥への刺激を求めて、動物の如く奥をうねらせる。

男なんてみんなこれで溺れゆくのだと確信していた。
彼に通用しないなんて知らないで....

彼は簡単に組み敷きながら、片手で彷徨う手のひらを頭上で簡単に束ね、器用に首筋を這い回る。
そして、空いた片手で脇腹をスっとなで上げる。

身動きが取れない苦しさともっと触れられたいもどかしさで甘美な声がとめどなく溢れる私に、
「もっと欲しい?」と言いたげな顔で余裕そうに笑う彼

こんなの知らない。知らない。
戸惑いと恥ずかしさから目線を逸らすと、扇情的な舌で咥内を責め立ててる彼。
否が応でも彼の目を見つめざるおえない。
雄の顔をした彼から目が離せない。

そんな彼の支配欲を満たすように、お願いもっと求めてと乱れた視線を贈れば、人のいい微笑を口のはたに浮かべて、首に手をかけた。
胴の力を使って、上から体重をかけてぐっと押し込められる。

狂った私の脳内はアドレナリンという麻薬で満たされているのか、恐怖よりも幸福感がどっと込上げて

この人に逆らえない、逆らっては行けない。と本能が脳に響く。

逃げたいのに逃げられない?
違う逃げたいとポーズだけを取って、逃がさまいとされるこの状況に興奮してしまっているのだ。
あれほど支配されることを嫌い、支配し溺れゆく姿を眺める自分に酔っていたはずなのに...

思っていたよりも実は、自分の力はとても非力で、いとも簡単に与えられる喜びと生死を支配される感覚に溺れゆく。

進みゆく行為。彼の長く細いなかに、男らしさを孕んだゴツゴツとした指が下に伸びていき、弱いところに手をかける。

躊躇なく、首にかけた手の力を込めると同時に、奥をぐっと攻めたてる。
軌道閉寒によって生理的な涙が流れた私をみて彼は、

綺麗だと呟く。

そうして、彼は満足そうな顔をしながら手を引き抜いてしまった。
物足りげな顔の私を見透かしたのか、腰を沈めた彼。
先程の指とは比べ物にならない大きさと長さを持ってして、激しく腰を動かしいい所を刺激し続ける。

この人のものになりたいだけでいっぱいになる脳内

彼も限界が近いのだろうか?
一瞬目を細め、余裕の表情が崩れた瞬間今までで1番力でぐっと首に力をかけられお互いを締付ける。

酸素を求め、だらしなく開いた唇を塞ぐように舌を絡め取られる。

白濁とした液が注がれ、離れる唇と身体
痙攣する私


わざとリップ音をたてながら優しく頭を撫でられた。

これが認知的不協和の解消

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