【薬剤師統計】薬剤師の男女比に関するトリビア ~「北海道は特別」編~
「薬剤師には女性が多い」
なんとなく、そんな風に考えていませんか?
実際に統計を確認してみましょう。
全国の薬剤師数
国家資格である薬剤師の数は厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」にて1人単位で明示されています。
2020年1月時点での最新版は2018(平成30)年のもの。
また仕事の内容ごとの統計が示されており、本記事では編集の都合上、静止画では「薬局・医療施設従事薬剤師数のみ」に、動画では「全薬剤師」を対象としていることにご注意ください。
全国の薬局・医療施設に従事する薬剤師数、その2000年から2018年までの推移は以下の通り。
グラフから分かる通り、男性薬剤師のほぼ倍の女性薬剤師が薬局・医療施設で従事しているようです。
2018年の数値で見れば、
薬剤師に女性が多いという印象は統計的に根拠のある事実です。
都道府県別にみた薬剤師数
しかし、全ての都道府県で薬剤師には女性が多いのでしょうか?
人口推計などで用いられる「性比」の推移を都道府県ごとに確認してみましょう。
まずは上記の計算式から全国の性比を算出します。
82655/157716 × 100 = 52.4
全国平均52.4と比較して、各都道府県の性比はどうか?
性比がちょうど100ならば、女性薬剤師100人に対して男性薬剤師も100人いるということになります。
動画で確認してみましょう。少しわかりにくいですが、都道府県別グラフのの斜めラインが性比100を示します。
都道府県別グラフでは縦が女性薬剤師数なので、上にあればあるほど女性割合が多いことを示します。
実は2018年時点では47都道府県のうちただ一つ、北海道だけが性比100を超え男性多数になっています。
静止画でも確認しておきましょう。
元々拮抗していたのが、2016年にかろうじて逆転したようです。
一方、最も性比の値が小さく、女性の割合が大きい都道府県は兵庫県でした。
兵庫県の性別ごとにみた薬剤師数の推移はこちら。
北海道のグラフとは全然違いますね。
ちなみに2018年の男性薬剤師数ランキング・トップ10は以下の通り。
北海道、兵庫県のいずれもがランクインする面白い結果になりました。また北海道には大阪府に匹敵する数の男性薬剤師が存在するようです。
性・年齢階級別にみた薬剤師数
では、なぜ北海道は他の都府県と比較して男性薬剤師の割合が高いのか?
北海道の薬剤師について、「年齢階級別」×「性別」で分別した全薬剤師数の推移がこちら。点線部分は全国の割合を表示したもので、割合のちがいを比較できます。
棒グラフと点線部分を比較すると、若い男性薬剤師が増えているようです。
…が、その理由までは分かりません。
北海道の薬学部事情、高校からの進学事情、他府県からの就職事情など、北海道で男性薬剤師が多い、そして増加している直接・間接の理由をご存知の方がおられたらぜひコメントをお願いします。
YouTubeでは「年齢階級別」×「性別」で分別した薬事指数の推移全国版、兵庫県版も公開していますので参考まで。
都道府県別はごちゃつくので別チャンネルにて。
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