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会社から若手がどんどん辞めていく

私もその辞めていく若手の一人なのだが。

転職先の会社から内定を貰った旨を部署の先輩に連絡したところ、先輩も会社を退職して大学院に行くつもりだと返信が来た。先輩は相当デキる人なので、私と先輩が一気に辞めたら部署が回らなくなるだろうな、と他人事のように考えている。

隣の部署の若手も辞めるらしいと噂を聞いた。結構意外だった。その人も相当デキる人なので、隣の部署も今後が大変そうだな、と他人事のように考えている。

何だか急に若手がどんどん辞めていく。しかも、仕事がデキる方の若手(自分で仕事がデキると自称するのもどうかと思うが、一応それなりの評価はされていると自負している)が抜けていく。会社にとって相当なダメージだろう。

仕事がデキる人から退職していくことを身をもって実感した。そもそも、前提として仕事がデキる人は転職市場でも引っ張りだこなのだ。今の時代は休息に雇用の流動化が進んでいて、どの企業も中途採用に力を入れている。それに加えて、少子化に伴い労働人口が減少の一途を辿る。能力がある人が益々選択肢を持つことができる時代になっている。

会社において、仕事がデキる人に仕事がどんどん回っていく。そうなると必然的に仕事がデキる人に負担が集中する。負担が集中しないように調整するのが管理職の仕事なのだが、管理職が仕事しないと途端に負担が偏ってしまう。前述したように、仕事がデキる人は転職の難易度が相対的に低いため、負担から逃れるために転職という手段を取るハードルが低い。

昔だったら、会社への恩とか、コミュニティへの帰属意識等で、転職を思いとどまることもあっただろう。昨今の個人主義の蔓延によって、共同体への帰属意識といった精神的な要素によって引き止めることが難しくなっているように思える。私自身も個人主義の傾向が強い自覚がある。

ただ、違う見方をすれば、単に会社以外のコミュニティで帰属意識を持って生活を過ごしているとも見て取れる。今までは生活の中のコミュニティは殆ど家庭と会社のみであったので、必然的に会社への依存が強くなっていただろう。今の時代は、行動さえ起こせば様々なコミュニティに属することができる。別に個人主義の傾向が強くない人であっても、わざわざ会社というコミュニティを選ぶ必要がないのだ。

会社という組織において、ビジョンの共有や心理的安全性といった要素も当然大事だとは思うが、あくまでルールやシステムが整備されていることが前提だと考える。ルールやシステムが曖昧なのに、やたらビジョンの共有や根性論ばかり唱える会社からは人が離れていく。それならば、雑談がほぼ発生せず、ドライな人間関係しか構築されていないが、ルールやシステムによって回っている組織の方が遥かに良い。もっとも、一番理想的な組織は、ルールやシステムがしっかり整備された上で、ビジョンが共有されている組織だとは思うが。

今の会社は抜本的に改革が行われない限り、これからもどんどん若手が辞めていくだろう。どうせ去るので、どうでもいいのだが。

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