いつかのニュース vol4


朝の出勤時間帯。


いつも通り電車に乗って、

会社に向かっていた。



ある駅で乗り換えて、

ドアの近くに立っていると、

そのとなりにスーツを着た若い女の子がいた。



髪をぴしっときめて、

両手でバインダーのようなものを

ぎゅっと抱きしめていた。



電車が動き出してしばらくすると、

「....です。そのため、わたしは....」

その女の子は小声で話し始めた。



満員電車とまではいかないけど、

まあまあ人がいる車内。



最初は小声だったけど、

少しずつ大きくなり、

ちょっと聞き取れちゃうくらいの声量になった。




背筋を伸ばして、

目線は真っ直ぐ、

少し手が震えながら、

たまに言葉に詰まって首を横に振る。



電話してるのかな?と思ったけど、

耳には何もつけていない。



就活生かな。

それか、新人社員でプレゼン前なのかな。





ともあれ、

人目を気にしていられないくらい緊張しているであろう彼女に、

『頑張れー!!』

と念を送りました。





頑張っている人を応援したくなります。



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