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五山の送り火

昨夜は京都五山の送り火でした。
生まれ育った京都を離れて、既にその倍近くの年月を京都以外で暮らしていますが、今でも8月16日は「送り火の日」だと、頭ではなくて心で覚えています。。

子供の頃、お盆の間はこの世に帰ってきていたご先祖の霊(京都では、おしょらいさん、と呼びます)が、五山に焚かれる送り火に送られてあの世に戻っていく日だと教えられ、毎年この日は家から一番近くの如意ヶ嶽に大きな「大」の字が燃え上がるのを、2階の東向きの窓から家族と一緒に眺めていました。最近はBSで生放送をしてくれるので、離れていてもまた再び送り火を拝むことができます。

昨夜の京都は点火の少し前まで猛烈な雨と稲光に見舞われていましたが、午後8時を過ぎる頃にはその雨も止み、如意ヶ嶽は少し時間を遅らせたものの、無事に五山全ての送り火がキレイに灯りました。
コロナの影響で一昨年と昨年は縮小点火でしたので、3年ぶりに完全な姿の送り火を拝むことができました。

そういえば14年前、母が亡くなって病院から自宅に連れて帰る時も東山は猛烈な稲光と雨でした。
昨夜の稲光と大雨の映像を見ながら、きっと母が「今からあっちに帰るよ。また来るね」と言っていたのかも、と思いつつ、画面の向こうの送り火に手をあわせました。
「またね。元気でね〜」


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