初恋
初恋は実らない。
よく言われることだけれど
まず、それが恋だと気が付くのに時間がかかるから
その頃には、もう終わっていることが多いから
初恋は実らない、なんて言われているんじゃないかな。
初恋は、綺麗な思い出のままで記憶したいとか
初恋を、自分の土台として認識していたいとか
初恋に向ける、理想がそう思い込ませている。
そんな、気がする。
初恋を認識したときの僕達は、何を想っていたのだろう。
ありもしない理想を、初恋に押し付けていたのかもしれない。
認めたくない現実を、初恋という言葉で想いを馳せたのかもしれない。
初恋は実らないと決めつけていたのは
きっと他でもない、僕達なのかもしれない。
きっと熟していなかった。
皮がかたくて、食べられたものではなかった。
その果実が実る頃には
それは初恋と呼べるものではないんじゃないかな。
シュガースポットまみれのその果実に
僕達は、どんな理想を追い求めるのだろう。
そのうち、恋って言葉も手垢に穢れて
いつしか、理想も現実も分からなくなってしまう。
ただ、目の前にある欲望に身を委せ
愛がどうのって、語り始める。
初恋に想いを馳せつつ
僕達は今日も、変わっていくんだ。
僕からサポートをお願いするのは烏滸がましい。 貴方の中で何かが動けば、それは僕も嬉しいことです。