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寺山修司「ポケットに名言を」

疲れた時は、新しいものに触れられない。

そういう時こそ昔好きだったものとか、なんとなく見た映画を見返したくなる。

寺山修二にハマりだした大学生の時、本屋で探していたのは「毛皮のマリー」だったがどこにも置いてなくて代わりに買った「ポケットに名言を」を再び読み返した。

この本には、言葉の錬金術師と呼ばれた彼が、映画や小説などから心動かされた一節の「名言」を綴っている。

若い私に分かるものもあれば、よく分からないものもあるし、賛成できない言葉もたくさんある。

これを最初に読んだ時は、寺山修二が感動した言葉に触れ、自分も寺山修司のように感じたいと憧れていた。


話は変わるが、寺山修司の「書を捨てよ、街に出よう」という書もある。

これは、自分という殻にこもってないで外に出てみようということが書いてある。

今回私は、「ポケットに名言を」を読んで、今すぐこの本を放り出し、まさしく外に出たくなったのだ。

この本の中で寺山は、

「名台詞は、どこにでも転がっている」

と言っているように、案外感じ方次第なのだと思った。

あの人が言った何気ない言葉も、何十年と何分のその人の人生のが吐き出させたものだとしたら、ちょっと感慨深いものに感じる。

気に入った言葉は忘れないうちにノートにメモをしようと思う。


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