見出し画像

【AIRはアーティストのために。ネットワークもアーティストのために。】世界のアーティスト・イン・レジデンスから|コペンハーゲン/アムステルダム編

「世界のアーティスト・イン・レジデンスから」はPARADISE AIRスタッフが参加したシンポジウムや視察の経験を共有する報告会シリーズです。スタッフ間の情報共有を公開イベントとして行うことで、世界各地のAIRの最新情報をお伝えしたり、AIRに興味のある方との交流の場を作っています。

世界的なアーティスト・イン・レジデンスのネットワークResArtis(オランダが拠点)と、年に一度行われるResArtis国際ミーティング(デンマークにて開催)に参加したスタッフの庄子渉が、コペンハーゲンとアムステルダムでの滞在の様子を報告しました。

世界のアーティスト・イン・レジデンスから|コペンハーゲン/アムステルダム編
日程:2017年11月14日(火) 
時間:19:00~21:00
会場:PARADISE AIR 5F ラウンジ
発表者:庄子渉(PARADISE AIRプロデューサー/コーディネーター)
※2017年当時の内容です。最新情報はご自身でご確認ください。

クロスステイ・プログラムについて

PARADISE AIRでは他のAIR団体と提携してアーティストを交換招へい・派遣するためのネットワークづくりの事業を始めました。まずはスタッフが現地を視察し、相手団体との関係づくりを行なっています。今回はResArtisミーティングに合わせ、コペンハーゲンとアムステルダムのAIRシーンを視察してきました。

ResArtisについて

ResArtis ウェブサイト:https://resartis.org/
25年前に始まった世界的なアーティスト・イン・レジデンス(AIR)のプラットフォーム。70カ国以上/600施設(2017年現在)が登録しており、世界中のアーティストが滞在制作できる場所を探すことができる。PARADISE AIRも登録しています。

現在、オランダ王国/アムステルダム市からは運営資金は受け取っておらず(何年か前に全てカットとなり、独立した。公的資金をつかったプラットフォームはTransArtisがおこなう)、600以上の団体の登録費によりネットワークを運営している。スタッフはアムステルダムに1人、メルボルン1人、テヘラン1人+インターン。

年に一度開催されるResArtisミーティングでは、ResArtisに登録しているAIR運営者・運営施設が集まり情報共有を行なっている。インターネットだけでなく人同士が会える場を作るために。「AIRはアーティストのために。ネットワークもアーティストのために。」という思いのもと、カンファレンスと呼ばず、ミーティングと呼ぶこだわりがある。
2016年イラン/テヘラン、2017年デンマーク/コペンハーゲン、2018年フィンランド/ロヴァニエミ、2019年日本/京都にて開催。コペンハーゲンで行われた「Res Artis Meeting 2017: Prepare for Production」には120団体が参加。日本はPARADISE AIRのみ、中国1〜2団体、韓国1団体と、開催地の遠さもありアジアからの参加団体は少なかった。

デンマーク/コペンハーゲンのAIR

◉Danish Art Workshop
DAW:Danish Art Workshop https://svfk.dk/en/
を会場にミーティング開催。DAC:Danish Architecture Centerが隣りにある。ミーティングはコペンハーゲンでのホスト=DAWの人達が運営していた。

造船所をリノベーション、1986年運営開始。国が資金援助している。
さまざなマテリアルを扱える設備・道具・工房が揃ったレジデンス。
年4回の公募は 4倍の倍率(100人→25人)、デンマークと関わりのあるプロジェクトを提案している人から選ぶ。各分野の専門家が選考。アーティストが展示をおこなう場所と住む場所は別。自転車貸出アリ。
スタッフ8人(フルタイム2〜3人)が勤務。
工房は24時間利用可能、機材に精通した専属スタッフがいる。
スタッフは9〜16時で勤務、インストラクションさえ受ければ後は自由に使える。今のところ事故はおきていない。提案時のプランよりも大きな作品になることが多い。

工房(Workshop)にはサステナビリティが大切。そして、サステナビリティはCapability(可能性)/Community(共同体)/Resource(資源)が重なるところにある、という思想のもとに運営。

◉Nikolaj Kunsthal:元教会のアートセンター
https://www.nikolajkunsthal.dk/en

◉Factory of Art and Design :元工場のAIR
FFKD:Fonden FABRIKKEN for Kunst og Design https://www.ffkd.dk/
入り口に滞在アーティストの名前・住所・電話・メールアドレスのリストが書いて貼ってあった・・大きなレジデンスなので。アーティストコミュニケーション用なのかも。

◉Danish Art Foundation:デンマーク人アーティストの為の支援機関
DAF:https://www.kunst.dk/english/
国として他国のレジデンスの部屋を一部屋押さえていたり、デンマーク人アーティストの渡航を支援している。国外とのネットワークすごい。

オランダ/アムステルダムのアーティスト支援活動

◉ResArtisオフィス
王立AIR(老舗)の建物内に所在。ちなみに王立のAIRはものすごく倍率の高く、アーティストの大学・大学院卒業後の修業のような場所。2年まで滞在可能。
ResArtisの年間予算は650万・・
よくあるAIRはフェスティバル系のAIRが多いため、2年程度でおわる事が多い。2年をこえて運営されているAIRはスゴイと思っている。

◉DE SCHOOL(THE SCHOOL):元小学校のクリエイティブ・アートスペース&レストラン
https://www.deschoolamsterdam.nl/en/

◉Dutch Culture/TransArtists
Dutch Cultureウェブサイト:https://dutchculture.nl/en
TransArtistsウェブサイト:https://www.transartists.org/
Dutch Cultureはオランダ王国の文化系組織。日本で言うところの、文化庁+外務省のような。スタッフ30人(多くがオランダにルーツを持つ人達)がプロジェクトを担当している。その多くがパートタイムで、アーテイストと兼業の人も。
TransArtistsは1500団体が登録するAIRプラットフォーム。運営するにあたって、オランダ人アーティストを派遣することが命題となっている。
TransArtistsでは英語圏以外の情報もヒアリングをおこない、年一でアップデートを全団体に聞くことで記事クオリティを保っている。

◉ResArtis/TransArtis(Dutch Culture)の違い
オランダ関係なしで活動/オランダ国内に向けて活動
公的資金なしで運営/文化庁+外務省的な予算で運営

◉オランダのオススメAIR
M4gastatelier :https://www.m4gastatelier.nl/
airWG:https://airwg.nl/
Steim:http://www.steim.org/ ※地価高沸により郊外に移転(De Appleギャラリー内)

その他に出会ったAIR

◉Residency Unlimited(アメリカ/ニューヨーク)
Residency Unlimited:https://www.residencyunlimited.org/
レジデンスもあるし、プラットフォームも持っているAIR。
近年の潮流としては
国・文化施策方針で:他国にAIRをおさえておく
AIR運営者が:ネットワークを作ってアーティストを送り込みたい
ということを感じている。
 
Web Residencies(オンライン上のAIR)
Web Residencies:https://schloss-post.com/overview/web-residencies/
Akademie Schloss Solitudeが運営。オンライン上で共同作品をつくるAIRであり、オンラインで会えるメディアアート。
AIRの定義とは?みんなもっと考えたほうがいい(Akademie Schloss Solitude担当者者談)
「AIRは未来をつくるためのLABであるべき」
「AIRは物理的なものを残しづらい、そこにチャレンジしたい」


 


アーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」の持続的な運営のために、応援を宜しくおねがいします!頂いたサポートは事業運営費として活用させて頂きます。