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【松戸らしさはどこにある?PARADISE AIRの介入度合いが難しい】LONGSTAY Program 2019|エンリコ・フロリディア(bi-)リサーチ滞在中のスタッフの議論メモ

2019年のPARADISE AIRのロングステイ・プログラムでは、605件の応募が集まり、その中から選ばれた3人組のアーティスト・グループ「bi-」を招へいしました。

2019年7月から8月にかけて、「bi-」メンバーのひとり、エンリコ・フロリディアは事前リサーチのために松戸で短期滞在を行ないました。その際のミーティングとPARADISE AIRスタッフ内に起こった議論のメモを公開します。
※実際の実施内容とは異なる部分があります。また、杞憂に終わった心配もありました。プロジェクト名称である「bi-PARADISE」も決まっていない段階での議論であることをご留意ください。

bi-とのミーティング

アーティスト・グループ「bi-」はPARADISE AIRの建物内で彼ら独自のアーティスト・イン・レジデンスを開くこと(そのプロジェクト?パフォーマンス?の名前が「bi-」)を試みる。
これまでのフランス・テレネ、イタリア・ミーロで開催したbi-のレジデンスの様子を聞き、松戸で実現するには?を具体的に考えるためのミーティング。エンリコは松戸にて、キキとジェロームはオンライン参加。

◉公募文のドラフト推敲(下記は最終版)

◉企画期間の提案
10月21日(月)~27日(日):6人
10月28日(月)~11月3日(日):6人
11月4日(月)〜11月10日(日):2人
の合計14人をbi-参加者として公募したい。
・10月3部屋(1部屋あたり2人×3部屋=6人)×2週間=12人
・11月1部屋(1部屋×2人×1部屋)×1週間=2人
の計算。
→2人しかいない期間は実際開催しておもしろいのか?

◉松戸でLoitering(ブラブラ・ダラダラ)するのに良さそうな場所
スタッフからいくつかの場所を提案。実際見に行ってみないことにはわからないので、秋にbi-の3人が揃ってから下見に行くことに。

ミーティング後、PARADISE AIRスタッフ間で話したこと

◉PARADISE AIRの介入度合いが難しい
◉松戸らしさはどこにある??
 ・今回のプロジェクトの枠組みの中に、どうやって「松戸でないとできないこと」が入るのか。
 ・食文化以外にも、松戸らしさはあるよと提案できる。特に地域の人。
 ・何をするにも2倍くらい時間がかかる設定でいこう(言語問題+bi-の3人はそれぞれの意見が出揃って議論が始まるから)
 ・これまでのbi-は田舎/周りに人がいない環境
  PARADISEでは都会/周囲に人(特に他の滞在アーティスト)がいる
 →それらを含めて設計できるか?bi-に聞いてみる

◉言語問題
bi-が使える言語(英語・イタリア語・フランス語・ギリシャ語)を予め公開して、公募する?ある週だけは「日英通訳あり」とする?
→bi-の参加者が集まる最初のミーティング等、日英通訳でサポートするタイミングを絞ってもよいのでは。
→日本語のみでも/英語話せなくてもなんとかなる。

◉PARADISE AIRの立ち位置
・「bi-の作品」を最大化するためにサポート(あくまでアーティストのホストとして)
・AIRとしての「bi-」とのコラボレーション(AIR事業として)
どちらなのか?PARADISE AIR的悩み。

◉スタッフは誰も2週間付きっきりで寝泊まりできない
これまでbi-がレジデント兼サポート役として声がけしていたbi-仲間が参加することは無理なので、PARADISEにつながりある人(コーディネーターの立場でなく)に入ってもらう?
・PARADISEスタッフ/関係者もレジデントになる説
 例えば)最初の週:コージ、次の週:星野さん など・・
 →週毎にPARADISE AIRアサイン枠をもらう?
 →ちなみにbi-参加者は日中働きに出かけてもいいのか?

◉パラダイス側でのドキュメンテーション方法
このプロジェクトにこだわったカタログを作るよりも、「(PARADISE AIRの/私達の)20年後のためのドキュメント」くらいの視野でいたほうがいいのでは。

・随時なにかをまとめる説
 14人の絵日記? ←公募の内容上PARADISE AIRからお願いはできない。
bi-のウェブサイトと協働する説
 データのみやすさに難あり、使いにくいので避けたい
・bi-参加者公募用のメールアカウントがそのままドキュメントになる説
 ちょっと魅力的だが個人情報・・・難あり
・執筆依頼をするなら
 bi-を呼ぶことの価値 ←PARADISE的には明文化してもらえると助かる
 bi-体験記 ←(スタッフとしてでなく)滞在者としてのコージの目から
 20年残すなら紙・本。編集の人がいないと無理。bi-のウェブサイトのように雑多にとりあえず集めちゃう?

→PARADISE AIRとしてのドキュメントをPARADISE AIRは勝手に作るよというスタンスで行こう。
・bi-の3人をドキュメンテーションの対象にする。
・bi-参加者の14人は対象にしない。無理にbi-&PARADISE AIRで協働・強要が発生しないように。自由にしてもらう。
・何か面白いことや特記すべきことがあれば、bi-にヒアリングして拾う。

◉bi-参加者の審査について
 ・基本はbi-に任せる 
 ・PARADISE AIRには拒否権がある
→メール返信までのフローを決めておく。翌週明けのミーティングで決める。

◉プロジェクト名称
公募文のドラフトに出てくる「ビ PARADISE hotel residency」という名称は長すぎる。プロジェクト名称を早く確定させたい。ウェブサイトには英・日で表記するのでどちらも表記の見た目や発音に違和感ないようにしたい。
→翌週明けまでに各自考えてみる。
※最終的に「bi-PARADISE/ビ・パラダイス」になりました。

その後・・・

リサーチ滞在を終えたエンリコ達「bi-」は、2ヶ月後に3人揃って再び松戸を訪れ「bi-PARADISE/ビ・パラダイス」を実施しました。
その最後のイベントとして開催した後夜祭と記録上映会のもようは以下から御覧ください。


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