『朗読のススメ』感想

こんにちは、稲見晶です。

今回は永井一郎著『朗読のススメ』の感想です。
私にとっては永井一郎さんといえば波平さん、ダンブルドア先生、「風の谷のナウシカ」のミト……。
ガンダムシリーズや高橋留美子作品にも数多く出演なさっていたそうです。

『朗読のススメ』はそんな大御所声優の永井一郎さんが
ご自身のキャリアを振りかえりながら、朗読をするときの基本的な技術や心がまえについて著した本です。
具体例を挙げながら、ひとつひとつ、朗読に大切なことを教えてくださり、
自然と「朗読してみようかな」と思わせてくれます。

この本を読んで以来、胸を張って、肩甲骨を寄せて……と日々の姿勢にも気をつけるようになりました。
今は合唱から離れてしまっているので、よい声を出すための姿勢は自分自身で気をつけないといけないんですよね……。
「肩凝りが一番声に影響します」(p.33)とのお言葉、肝に銘じます!

本書のなかで繰り返し語られているのは、場面を強くイメージすること。
登場人物、自分が語る人物を実在の人間として、ありとあらゆるところまで知り抜くこと。
読み手、語り手としての私だけでなく、小説の書き手としての私もはっとさせられました。
朗読に堪えうるような、しっかりしたキャラクターのイメージをもって物語を書けているかどうか自問しつづけること。
忘れないように、ここに書きとめておきます。

読み終えてから、さっそく本棚から短編や詩を取り出して朗読してみました。
黙読で築けたイメージを、文字を追い、発声しながら保ちつづけるのが難しい……!
合唱の練習で、何度も歌っていると突然視界が開けて情景が見えるようになるのと同じように、練習を重ねて現れる景色があるのでしょうか。
繰り返し、繰り返し、ひとつの作品を大切に読んでいきたくなりました。

朗読を取り扱っているというつながりでいうと、ほかに片山ユキヲによるマンガ『花もて語れ』もおすすめです!
『朗読のススメ』は声の出しかた、作品への向き合いかたを教えてくれる本。
『花もて語れ』は具体的な作品を題材に、朗読をするため、作品を理解するための読解の仕方を教えてくれる本です。読み流さないための考えどころを教えてくれる本、と言ってもいいかもしれません。

私も誠意を込めて作品を朗読していく心づもりですので、その際にはよろしければお聞きいただけると嬉しいです。
自分の宣伝のようになってしまって恐縮ですが、もし私に朗読してほしい作品がございましたらどうぞお気軽にリクエストください。
詳しくは以下のノートに記しています。

朗読、最初の第一声を発するのは気恥ずかしさもありますが、
それ以上にかなり楽しいです。
一曲音楽を聴くなりして、音や声がある環境に耳や体を慣らすと声も出しやすくなる気がします。
ということで、『朗読のススメ』のタイトルの通り、私からも朗読をおすすめいたしまして、本記事を閉じようと思います。


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