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【活動報告】 STC Japan Advance Course 開催!

こんにちは!
P2M note 編集部の西川です。


7月13・14日(土・日)に、 P2M Performance で全国のトレーナー・運動指導者・コーチ・治療家・理学療法士などを対象にした講習会を2日間にかけて開催しました。


北海道、岩手、秋田、福島、関東圏はもちろん、愛知、大阪、岡山、福岡、大分など、全国各地からご参加いただきました。


お越しいただいた皆様ありがとうございました。


トレーナーの業界では、近年非常に注目されている運動学習・運動制御理論に基づくトレーニングやリハビリテーションを学ぶ講習会です。


どのようにして人は運動、行いたい動作を学習するのか?

どのようにしてカラダをコントロールしているのか?



そのようなコンセプトのもと、細かい内容を実技とともに深く学んでいきます。



この理論の提唱者がオランダ人の Frans Bosch(フラン・ボッシュ)氏です。ボッシュ氏は、ラグビー日本代表が2015年のW杯にて、南アフリカに歴史的勝利した時のスプリントコーチとして有名です。

2015年 日本代表 宮崎合宿レポートより
Frans bosch氏(右)と福岡堅樹選手



彼の理論はFBS(Frans Boash Systems)として体系化されており、ヨーロッパを中心にして広がっており、日本でも翻訳され書籍が販売されています。


小平奈緒さんの帯が印象的なこの本📖


そして、この理論を韓国や日本などアジア圏で展開しているものが今回の講習会であり、本の表紙に書かれている「Strength Training & Coordination」の頭文字をとってSTC と名付けられています。

STC Japan としての日本のホストが新井颯太であり、運営などもP2M Group のスタッフが中心として関わっています。



昨年の2023年5月から開催し始めて、今回が6回目となりました。
初開催時には、Frans Bosch Systemes のTeun Thomassen 氏も講師としてオランダより来日していただきました。Bosch氏の1番弟子に当たる存在です。

また、彼の通訳としてCreed Performance の友岡和彦さん、河尻翔さんにご協力いただきました。




今回は Basic Course と Advance Course を開催しました。



Advance Coruse では、先ほどの書籍の2章・3章・4章を中心にして学んでいきます。




今回の講師も、James Park 氏と通訳兼アシスタントの Shuho Kang 氏が担当しております。


James Park氏

釜山外国語大学で教授を務めながら、韓国プロ野球のNCダイノスでストレングスディレクターを務めた経験があります。

その時にはチームが優勝するなどの実績があり、STC コースの中でもその当時の引き出しやアプローチの話があったりします。



Shuho Kang 氏

同じく釜山外国語大学で兼任教授をされており、James氏の通訳をしてくださっています。海外講師を招いての講習会では、講師と通訳者で齟齬が出ることが多いですが、普段よりコミュニケーションを取られれているので、そのような心配はありません。





STC のコンセプトを学びにくる方は、レベルを問わずアスリートやスポーツ選手のトレーニングを担当している方や、病院でリハビリの指導をされている方など様々です。




その中で、トレーニングを積んでいてカラダは大きくなっているのに、スポーツで結果が出ない・パフォーマンスが上がらない。

同じようなケガを何度も繰り返してしまう。

練習では良い動きができるのに、試合や異なる環境になると良い動きを再現できないなど。




このような悩みを運動指導の現場で持たれている方は非常に多く、実際にそれを解決したいと思い、STC のコースにご参加いただいている方もいます。





先ほどの例に近いですが、今までのトレーニングでは当たり前のように実践されてきた「筋力」「スピード」「パワー」「アジリティ」「持久力」など、それぞれの要素を分解して鍛えるということが、実際の運動指導の現場ではパフォーマンスに繋がらないということが起こっていたりします。




「全体は部分の総和に勝る」

アリストテレス





これは有名なギリシャの哲学者アリストテレスの言葉ですが、まさに人体は非常に複雑であり、それぞれを単体で考えるのには無理があるということが現実として運動指導の現場で起きているのだと思います。



また、このコンセプトはアスリートに限らず、スポーツを楽しむ愛好家やスポーツとは無縁の一般の方であっても、STC コースで学ぶ内容は運動指導の場面で活きてきます。



身振り手振り、時には大きく動きながらのレクチャーです



膝に対して負荷がかかってしまう動きをしている方に、「こうしてああして」と指示をしながら正しい動きに修正しようとしても中々治らない。その場で分かったような感じになっても、来週、1か月後にはまた良くない動きに戻ってしまっている。


この動きは良くないと理解はしていても、意識ばかりが先行して逆に動きがぎこちなくなってしまう。


実際に起こっている問題としても、理論的背景からも、そもそもカラダをコントロールする時に、カラダの全てを脳でコントロールするには無理があるということが分かっています。


人のカラダには、約200個ほどの骨があり、それぞれが関節を成しカラダを動かすことができますが、あまりにもコントロールしなければいけない関節が多すぎて、いちいち脳が動きの全てを指示・選択をしていては、オーバヒートしてしまいます。



この書籍では、それを車の運転の例に例えています。運転をするときに4つあるタイヤの1つ1つをそれぞれハンドルでコントロールしようと思うと、非常に大変というより無理があります。そのため、後ろのタイヤは固定することで、前のタイヤをハンドル1つで制御できるようにすることで、車を簡単に運転できるようにしています。



ただでさえ、前方後方の車の動きや自転車、歩行者、そして信号などに注意を配なければいけない状況で、4つのタイヤのコントロールをするなんてことは至難の技です。


そのため、現在の車のようにタイヤの制御を簡単にすることは、カラダでいう動きのコツや、動作の共通点を学ぶことに近いことです。結果的にケガなく、効率の良い動きができるようになると、様々なシーン・環境であってもカラダは適応して動けるようになります。





講習会では、上記のようなコンセプトに基づくトレーニングをTシャツに汗が染みるほど本格的に取り組みます。STC のコースの中では、見本を実演、そして指導できることを目標にして取り組んでいます。


今回の Advance Course では、3時間以上実技を行いました。


Hip Lock
Swing Leg Retraction
Foot Plant from Above
Keep the head still
Upper body first
Chest out when rotating


今回はこれらのアトラクターについて学んできました。



James もデモンストレーションに本気です🔥



それぞれのエクササイズをしている時には、 Good か Bad かJames がはっきり教えてくれます。



なぜそのような意図で動作を行うのか、動作に制約を設けるのか。



講義で説明があった理論とエクササイズを結びつける作業が頭の中で進みます。

James の Good👍ポーズ




主に2人1組でペアになってエクササイズを実践します


また、STC のトレーニングは、そのエクササイズが上手くできたかできていないかが、はっきりと分かりやすいことも特徴です。


それが選手の運動学習をより促進することにつながります。




実技中の時間では、指導者がお手本として”魅せれる”ことが非常に重要だとJames はよく力説しています。



それに呼応するように、皆さんのエネルギーが非常に伝わる実技の時間でした。


実技終えての質疑応答


Advance Course では実技テストがありますが、全員が無事合格しました!


暑い中、皆さん本当にお疲れ様でした!

ご参加いただきありがとうございました!




STC Japan として、年内にもう1度講習会を開催予定です。
次回の開催時に、また皆様とお会いできること楽しみにしております!






また、昨年より STC コースを開催し始めて、今回でそれぞれのコースをすべて2回づつ無事終えることができました。



毎度素晴らしいプレゼンテーション・実技をしてくださる James とKang さん。

2023年の初開催に至り、ご尽力・ご協力いただいた皆様。

今まで STC Japan の講習会にご参加いただいた皆様。

休館日としてご理解いただいている会員の皆様。

一緒にSTC Japan の運営をしてくれるメンバー。

STC に関わらず いつも P2M の他の店舗の運営をしているメンバー。

様々な想いがあってここまでこれました。



改めて原点回帰として、こちら note を載せておきます。

これは STC Japan の活動が始まる前の James の言葉です。

" この素晴らしいコンセプトを、最も良い形で、一人でも多くの方に伝えていきたい。そして、例え自分がいなくなっても、コースとしてそれが残り続けるシステムを作り上げていきたい。"




また、これは P2M Group としての想いでありますが、

"Performance Up "の体験を、全ての世代へ。

というミッションで日々活動しています。



James や Kang さんの想いと P2M Group としての想いが STC Japan の活動を通じ、全国の運動指導の場へ広がることで、アスリートから一般の方、高齢者の方も含めて、全国で”Performance Up”の輪が広がればSTC Japan を運営させていただいている私たちにとって、これ以上のない幸せです。


引き続き皆様どうぞよろしくお願いいたします。



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