コスメティックの正体②

前回鉱物油の話をしたが、そもそも、なぜ顔に油を指す必要があるのだろうか。そのへんについて考える。

【健康な肌は弱酸性】
一般的に健康な肌は、皮脂腺と呼ばれる部分から皮脂膜と呼ばれる層を作り出す。

健康な肌のph値は、弱酸性と言われており、それは、肌を覆う皮脂膜が弱酸性だからと言われている。

人は本来、自らの肌を弱酸性に保つ力を持っている。しかもそれは継続的に皮脂膜をつくりだすことができるからこそ。健康なお肌を保てるのは皮脂膜を作り出す、皮脂腺が機能しているおかげである。


【日用品はアルカリ性】

シャンプーやボディーソープ等、市場に出回っている「洗う」類のもののほとんどが「アルカリ性」ということを皆さんはご存知だろうか。

酸性の汚れは、アルカリ性のものでなければ落ちづらいため、清潔にするという目的では弱アルカリ性の石けんが重宝されてきた。

ボディソープなどの一般的な肌の洗浄剤や石けんは、pH9-11くらいだという。

ここで考えてほしいのが、ph値のバランスだ。

外敵や細菌から体内への侵入を防ぐために人間は自然と弱酸性のバリアを保っている。

しかし、ボディーソープ等のアルカリ性の日用品を使用することで、あなたの肌を覆っているバリア機能はすべて破壊されることになる。

例えば、お風呂上がりにやたらと肌が突っ張るような感じはしないだろうか?

お風呂上がりで、顔中に水分が張り巡らされている状態であるはずなのに、「保湿保湿!」と走って化粧水(鉱物油)を浴びせるのはなぜだろうか。

賢いあなたなら分かるだろう。

あなたは風呂で風呂で体についている大切な機能であるバリア機能を削ぎ落とし、お気に入りのラベルとデザインの容器に入っている原価0.1%にも満たない鉱物油を顔に塗りたくり、

「キレイになぁーれ♪」

と願いを込めて肌をぺちぺちと叩いているのだ。


人間の体の機能は使わなければ劣化する。

中学時代、僕は右肘の骨を剥離骨折し、三ヶ月ほどギブス右腕を固定したことがある。

左手で過ごす日々の中で右腕の大切さを知る訳だが、三ヶ月が経ち、いよいよギブスから腕を外したとき、右腕は90°の角度を保ったままで動かすことが出来なかった。

人間の体の機能は使わなければ固くなる。

それは皮脂腺も同じで、体を洗われ、皮脂膜がなくなったことを察知した皮脂腺は一生懸命に皮脂膜を生成しようとする。

しかし、そうとも知らずに人間様は顔面に人工的に加工された鉱物油もしくは植物油を塗りたくり、バリア機能を保持しようとする。

すると皮脂腺は皮脂膜を出すことをやめる。これを延々と繰り返し続けるうちに皮脂腺は機能を失い、肌は人口的に作り出された鉱物油もしくは植物油なしんではバリア機能を保つことができなくなる。

だからスキンケアのやり方を検索したときたまに見かけるのだが、「なにも肌につけないのが一番」という理屈は概ね正しい。

70代くらいの老夫婦をすっぴんで並べてどちらがよりシワの本数が多いだろうか。

一概にはそうとは言えないが、おそらく男性の方がシワの数、肌質等については良好なケースが多いのではないかと思料される。

粗悪な化粧品は肌の老化の進行速度を加速させるといっても良いのかも知れない。

安全性だけを主張する腐らない油を顔に
塗りたくるよりも、自分の体が自分のためだけにオーダーメイドして生成した膜の方が信頼はできる。

コスメの世界は確かに化粧品を使用することで被害者が生じてしまった過去に比べれば技術等に変化はあるのかも知れない。

しかし、技術がどれだけ進歩しても鉱物油は鉱物油であり、自然発生だろうがなんだろうが、自分の皮脂線から作り出された皮脂膜以上に自分に適した膜は存在しない。

皮脂膜を弱酸性に保つこと。
そのために弱酸性のモノを使うこと。

コスメのスキンケアがどれだけ発展しようと、必ず限界は存在する。

あなたがスキンケアをする目的はなんですか?

参考資料