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結婚したらどちらの姓を選ぶのか考えて、妻側の姓にした話

はじめまして。p0k0です。
2019年に結婚し、2020年に妊娠しました。
パートナーになってくれた人とは出会って長い間付き合わずに結婚したので、周りの友人にもあまり紹介しておらず、結婚したことを友人に伝えたのも割と唐突だったのですが、
その際に必ず「名字は何になったの?」と聞かれるので、名字は私のもの(妻のもの)を選択し、パートナー(夫)の姓を変更してもらったこと、またその経緯を話した内容を、改めて書こうと思いました。

書いたときから少し時間が経っているので時系列が気になるところがあるかもしれませんが、あしからず mm​

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最近、婚姻届をはじめて見たのだけれども
その時に考えたこと、結果的に決めたことについて昔の友人に話したところ
「そんな考え方があったの、教えてほしかった」
「自分が結婚するときのパートナーとの話し合いのときの参考にする」
のような声をもらったので、
だれかの参考になったらよいかもと思い、書き残しておくことにしました。

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婚姻届の違和感

上のキャプチャが婚姻届です。
これをみて「おや?」と思う人、思ったことがある人は
どのくらいいるでしょうか。


わたしが初めて婚姻届をみたのは、婚姻届を提出する2日前でしたが、
すぐに違和感を覚えました。
それは、書き始めは 夫:左、妻:右 という構図になっているのに
婚姻後の氏 から選択肢が夫が先に、妻が後になっているところです。

わたし:「んーなんでここからレイアウトが異なるんだ。。。これシステム的には夫が01で妻が02だろうなぁ。」
ここまでは前置きなんですが、そもそもなんで姓を一つ選ばないといけないのだろう。面倒だなぁ、とパートナーと話し始めたのです。
そこからのやりとりと考えたこと。

姓を決めるにあたって考えたこと

そもそもですが、2019年時点で日本の法律では夫婦別姓は認められておらず、結婚時にどちらかのを選択しなければならない、ということを
頭では理解していたものの、実際に書類として見るとやっぱり違和感があるなぁ、と二人で感じたのでした。

二人:わ、面倒だな、、夫婦で別姓にできないっていう制度はやばいね
無駄に決めないといけないことがあるのは面倒だ
夫:どうしようか、、なにを軸に考えようか
わたし:どちらかの姓を選択する権利は夫婦どちらにもあるね
夫:そうだね

両者ともに考えたことは
・双方選択する権利があり、どちらかが変更しなければならない痛みはお互い労ろう
ということでした。
多くの日本国籍を持つ人は、結婚の際に「入籍」というし、妻が夫の姓に変えることが至極当然と思っていると思いますが、
それにはやはり違和感を持つのでした。
そもそも、婚姻の際には夫となる人も妻となる人も、今ある戸籍から抜けて新しい戸籍を作る仕組みとなっているので、「入籍」という言葉はこの実態にはそぐわないのです。Create new 籍 なのです。


そして姓を変更する問題。
夫になる人のみが働いていて、夫のみが銀行口座や運転免許証、パスポートを持っているのであれば、いろいろな手続き上の手間であったり会社を始め周りの人に説明するコストを小さくするために夫の姓に妻が変えるほうがリーズナブルだ、というのであればわかります。

しかし現代においては、まずそんなことは少ないでしょう。
妻になる人も働いていたり銀行口座や運転免許証、パスポートを持っているでしょうし、ビジネスネームとしての「姓+名」が浸透していることも多いと思います。

わたしの場合もそうでした。
10年弱社会で働いていて、姓でも名でも呼ばれることがある。変えなければならない書類が多いのは同じです。

とはいえ変更するとなったらどちらかにその手続の負担はのしかかることは、現在の日本の法律では起きてしまうことは仕方ない。
それよりも違和感であるのは、
夫側が姓を変更したら「理解ある人だね」「先進的な考えを持つ人だね」と称賛されることもあるのに、
妻側が姓を変更したら
・なにも言われない
・変更しなかったら「主張が激しい人だ」「細かいことを気にする人だ」と言われるような社会

に、
もし自分に娘ができたときにまだそんなことを言われるような世の中になっていてほしくないな
と思いました。


決めるに際して話し合ったこと

ここからは、実際に決める際にパートナーと話したことを書いていきます。
実際わたしたちはこの問題に非常に悩み、婚姻届を提出する直前まで、どちらの姓にするか決められずにいました。
実際に届けを提出する際に、窓口の前で40分くらい話したのです...
(守衛の方にはご迷惑をおかけしました mm)

わたし:
・権利と義務は同時に発生するため、どちらかが権利を主張する場合は義務を何かしら背負うことにするのはどうだろう
夫:
・義務を考えるのはありだね
・自分としては3○年間連れ添った名前だから、変更するのが嫌というわけではないけれども、保守的だから変えたくない気持ちはある
わたし:
・姓名の語呂的にはお互いそのままが一番よさそう
・全体主義的に夫側の姓を選択するのは反対
・ただし納得する理由があれば夫姓にすることは厭わないと思っている
夫:
・どちらを選択してもいいが、妻側の姓にすることで「婿養子」と表現されるのは前時代的であると思う
・ちなみに自分の会社では最近結婚した二組のカップル、どちらも妻側の姓にしている
・一組は姓のかっこよさ(珍しさ)、もう一組は公平にコイントスで決めた
・3回じゃんけんで決めるのはどうだろう
わたし:
・じゃんけんで決めるのはあり
・じゃんけんの前にお互いプレゼンして、納得したら納得したほうにするのはどうだろう

夫:
・プレゼンしてみよう
・それで決まらなかったらじゃんけんにしよう

わたし達の姓の決め方

最終的な姓の決め方として
お互いプレゼンする
プレゼンで決まらなければ、3回じゃんけんして2勝した方の姓にする
となりました。

10分ほど考えた末のお互いのプレゼン内容です。。

夫のプレゼン:
・自分は保守的な人間なので、今までの姓のほうが落ち着く、、
・自分の姓にしてもらったときに自分が負う義務がいいのが思い浮かばない
・毎日自分がゴミ捨てするっていうのはどうだろう
わたしのプレゼン:
・夫とわたしの姓を比較したときに、日本人口が減ると早く消失する可能性が高いのは現段階では私のほうの姓なので、希少価値があるほうを選ぶのはどうだろう
・夫の同姓同名は複数いるが(日本の姓の中でも多い方の氏であるため)、わたしの姓にしたときの方が夫もわたしも同姓同名が少なさそう
・そのため、どんなサービスを利用してもほぼ一意に自分を特定できると思う(FacebookやGithubでみてみたけど、「わたしの姓+夫の名」でのアカウントがなかった)
・わたしの提案が通った場合には、結婚指輪はお互い買わないし、「あのとき結婚指輪を買わなかった」と文句を言わない(義務というか条件)


お互い話した結果、夫はわたしの姓にすることを了承してくれました。
(結婚指輪を買いたくない、という夫のニーズを言い当てたことが大きかったようです。笑)
わたしの論理では、夫の姓が「御所川原」とかだったら、間違いなく夫の姓を推すプレゼンとなったでしょう。そっちのほうがかっこよいし。
なので結果的にはわたしの姓がいい、という前提を持っていたことになりますが、まぁそれはお互い様ということで。。

*****

結婚した当初は、いろんな書類を書き間違えることや、病院で新しい姓で呼ばれて反応ができない、慣れないといった不満を夫が言っていましたが、1年もしたら慣れたようです。
また私も病院で母子手帳を確認されたときに、緊急連絡先に記載されている母の姓とわたしの姓が同じであることを指摘されたり、「婿養子さんなんですか」と言われて嫌な思いをしたり、ということはありましたが
こういうことを言われる構造はいきなり変わりません。小さく、地道に、しかし確実に変化させていくことが大事なんだなと思います。

今後結婚される方の参考になりましたら、幸いです。

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