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星研(アイデア)

星新一は、かつて、どこからアイデアが生まれるのか?と聞かれて、時代がそうさせている、と答えたとおもう。半分は謙遜が入っているとおもわれるが、半分は本当だとも感じる。

たとえば、映画を考えてみる。100年以上前の映画は、サイレント映画と呼ばれ俳優(演者)のセリフは直接は音声として流れない。1920年代終わりに入ってからトーキー、いわゆる現代の映画のようになってきた。

音楽はどうか。レコードやCDは音は出るが、映像はない。DVD(レーザーディスクも)などになって初めて音も映像も流れるようになってきた。

本はテキストのみで音は出ない。

人間の五感の一部がまず、開発され、技術の進歩とともにカバーできる五感が増えていってる、と考えることもできる。聴覚、視覚、その延長線上では、嗅覚もあれば味覚もある。そう、星新一ファンならもうおわかりだとおもうが、「味ラジオ」「感情テレビ」などはまさにその延長線上のショートショートだ。

人間の五感でもこれだけ想像できる。1960年代では、ロケットが作られ宇宙開発黎明期だ。当然、宇宙の話題になる。そして、電化製品。テレビが出てきたら未来のテレビはどうなっているか?と考えるのは必然だ。星新一のショートショートでは、いくつか壁型テレビが出てくるが、携帯電話はなかった気がする(あとで調査します)。また、広告の時代も到来した。エレベーターにのってエレベーターガールにキスをすれば、なんか宣伝文句をいう話もある。ナンバークラブ、番号をどうぞ、などもそうだ(SNSやID社会)。無料の電話とか無料の照明とか、かなりの数の話が現実のものになっている。近日中にそれらの星新一のアイデアが現実のものになったショートショートについて書く予定。

一番の問題は、21世紀に生きているオレたちがなにを想像するか、そしてなにを創造するか、だ。

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