宇宙はかくも美しいのに汚くしてるのはニンゲンだ(最小公倍数なんて役に立たない?)
学校で、しかも、義務教育で最大公約数とか最小公倍数とか、無理やり覚えさせられてイヤな想いをした方は多いはず。実際、オトナになってみて、日常生活で、一度もそんな計算なんて出くわしたことなんかないし、無駄な時間だった、と感じてしまうかも。
最小公倍数で有名な話は「素数セミ」の話題なので、自分が説明するよりもっといいサイトがあるので例えば以下のサイトを紹介するにとどめる(https://tenki.jp/suppl/romisan/2016/08/18/14811.html)。
以下、面白いかどうかは個人の感じ方の自由だが、義務教育よりは面白い話を1つ。近くのコンビニを2日にいっぺん、利用する人と、3日にいっぺん、利用する人がいたとする。まあまあの頻度だ。じゃあ、その2人はよく出会うのかというと、6日にいっぺんしか会える機会はない。2日利用の人がたとえば、7月2日、4日、6日、8日、に利用したとする。3日利用の人は、7月2日(ここでまず合う可能性)、5日、8日(6日あけてまた合う可能性)、次に合う可能性はがあるのは、6日後の14日だ。まあ、当たり前の話なのだが、そんなに頻繁に利用していても合える可能性は6日に一度ということになる。これを数式で書いてみると、2と3が素数なので、出会う頻度はそのかけ算になり、2 x 3 = 6 で6日となる。この「出会う頻度」のことを学校では、あたかもすごい数学の概念かのごとく、「最小公倍数」と言ってるだけ。こんな用語など覚える必要はない。感じればいい。
次に、かなり高度な話になるが、さきほどの2日にいっぺん、3日にいっぺん、の登場人物を増やしてみよう。5日、7日、11日とか。じゃあ、その5人が出会う頻度は何日?か。いまあげた数字は全部素数なので、かけ算となり、2 x 3 x 5 x 7 x 11 = 2310日となる。6年ぐらいかかる。かなり長い。これが、素数でない場合、もっと短くなる(これも計算などどうでもいいので感じればいい)。例えば、2日、3日、4日、6日、10日の5人。60日に一度の頻度で出会うことになる。これも念のため計算すると、4 = 2 x 2, 6 = 2 x 3, 10 = 2 x 5 であり、最小公倍数は 2 x 2 x 3 x 5 で60だ。2ヵ月に一回の計算。同じ5人なのになぜこんなに違うのか?
これは「周期」や「リズム」を考えれば簡単に理解できる。まるいスタジアムを走ることを想定してみる。さっきの話を2分で一周、3分で一周、のように変更してみる。2, 3, 4, 6, 10 分で一周グループは2分のひとが30周する間に、3分のひとは20周、4分は15周、6分は10周、10分は6周することになる。同時にスタートして、元のスタート位置に「同時に」戻ってくるのが、60周後、ということになる。
素数の場合、また出会う周期が、想定している数のかけ算になってしまう。なので、ものすごい年月が経たない限り、もう二度と出会えない。宇宙の根源に「ひも理論」があり、そのひもの特徴を表す振動数が、もし、それぞれ素数だとしたら、すべてのひもが再会し、同時になにか作用するならば、宇宙の始まりに一度、集まり、宇宙の終わりにまたもう一度集まる、みたいなタイムスケールになりかねない。
実は、そんなひどい話になっていないようである。すべての素数のかけ算、つまり、すべての素数の最小公倍数は4π^2だ(これは前回自分がnoteで紹介した)。波動関数を指数で表したとき、ベキのところに2πがあればその周期になる。
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