基盤の底上げ
私は水泳のコーチをしている。
3年前に育成クラスを引き継いだ。
引き継いだ当時はそこそこのレベルの大会を目指す程度。
今日までもその指導理念をちょっと守っていた。
月日が経ち、自分色に染められるようになってきて、まずはチーム全体の底上げをしようと考えた。
まずは練習メニューのレベルアップ。そして大会出場の目標をチーム全体で上げることだ。
地方そこそこのレベルの大会を目指してきたが、全国大会出場を目標に変えた。
理由は、全国出場レベルは地方でも上位を獲れるからだ。
地方で上位を狙っても上位になるのは難しいが、踏み台にすればなんてことはない。全国にさえ出場すれば選手もいい思いができる。
私が見ている育成クラスは泳げる環境もなかなか悪いことから、引き継ぐまでは全国出場の選手はいなかった。
それを理由に全国断念をするのも悔しい。どんな状況でも出してやろう。そう思ってきた。
そしてまずはチームレベルの底上げ。これがおもしろいことに、子どもたちの目標値が段々と上がる。
そして今年度の夏、1人目の全国出場者を輩出できた。
すると、子どもたちは同じチームで全国選手が出たからか、「自分も」という声がよく出ている。
地方一の大会出場者も過去最高を更新できているし、今春、2人目の全国出場者が決定した。それに加え3人目が全国まで0.4秒圏内に入ってきた。
それらに感化されてかチーム全体の意識はみるみる変わっている。
すごい、私は特に指示をしたわけではないし目標を勝手に決めたわけではない。
子どもたちが勝手に変わってくれる。
コーチ(特に個人競技)は突出した選手を伸ばそうと頑張るコーチは多くいると感じる。しかし、チームのレベルの底上げをしてやることで勝手に意識が変わってレベルが上がっていく。
全体の意識が変われば個人のレベルも上がる。
私の経験したこと、今学んでいることをシェアしたいと思う。
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