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空を叩いたドラマーのはなし

私は数年前にジャズピアノを
習った事があります。

ジャズ理論を勉強することで
生徒さんに還元したかったのです。

勉強をしながら
セッションに参加するうちに
ジャズの面白さが
よく分かるようになりました。

また、素晴らしいミュージシャンの
ライブにも足を運んで
眼と耳でジャズの楽しさを
体感するようになりました。

今まで
沢山のライブを観た中で
一番心に残っているのが
天才クニさんと呼ばれている
菅野邦彦さんのトリオライブです。

セットリストもなく
ただ、その場の思い付きのような感じで
ピアノを弾くクニさんは
まるでピアノと遊んでいるかのようでした。

その遊びに優しく寄り添うように
一緒に戯れている仲間がいる。

ドラマーはササキユタカさんでした。

彼の感性に
私はどんどん惹かれ
3人の遊びを
一番前の席で楽しんでいました。

MCもなく😄
ただひたすら演奏するのみなのですが
観ているうちに
クニさんの考えていることが
何となく見えるような気がして
それが滑稽で
思わずクスッと笑ってしまうのです。


そうこうしていると。
想像もしない事が起こりました。


クニさんのアドリブ中のことです。


ドラムのササキさんが
スティックを頭上に掲げて
空気を叩いたんです
😱

わーーーっ!!!!と
私は驚嘆しました。

だって
凄いじゃないですか。

普通で考えたら
空気を叩いたって
音が鳴る分けがないのですから。

でも、ササキさんには
ちゃんと音が鳴っていた
んですよね。

「空」の音が🎵

それからは、もう
楽しくて楽しくて
ワクワクが止まりませんでした🧡
何年も前の事なのに
思い出すたびにワクワクしてきます。


ジャズの醍醐味は
音楽のコミュニケーション
だと思います。

演奏の中ある
会話や心の動きを
耳で聴くだけではなく
眼で見て、感じる事が出来る
のです。

映画「ラ・ラ・ランド」でも
ジャズの素晴らしさを
必死に訴えている場面を観ながら
「そう!そう!」と頷きながら
観ていました。

ライブが終わって興奮しながら
私はクニさんに
「こんな楽しいライブは初めてです!」と
言いました。


するとクニさんは一言、

こう言いました。


「これがジャズだよ」と。


例え、私がクニさんに
また同じことをしてくださいと
お願いしても
それは不可能なんです。

「生」だから良い。

「生」だからこそ

一瞬一瞬が
美しく輝いている
⭐️

私はその一瞬を

逃さずに観たいんです🥰














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