プロダクトを分割してマネジメントする
ロードマップやプロダクト指標(NSM)を設計するとどの単位でこれらを検討すればよいのか?という悩みを持つことがあります。今日は私の考えるプロダクトの分割についてです。
※ 「プロダクト」の分割について記載しており、「チーム」の分割については触れません
機能でプロダクトを分割しない
プロダクトが大きくなるにつれて検討事項が増えるので人を増やしてプロダクトを分割することを検討します。このときのアンチパターンは「機能」でプロダクトを分割してしまうことです。
この絵は極端な例となりますが、とても優秀な「ヒレ」機能の担当者がいると、「ヒレ」機能だけが華美になり結果としてプロダクトの全体価値を損ないます。
価値でプロダクトを分割する
プロダクトは提案する「価値」で分割しましょう。ただ、分割するときに、それが大きな価値なのか、その大きな価値の肉付けをする付加価値なのかに注意をすると整理がしやすくなります。
[横] ビジョンに向けて異なる価値を提案する
フードデリバリープロダクトを例に説明します。最近はデリバリーだけでなく、自分で取りに行って受け取るテイクアウトができるものも多くあります。デリバリーとテイクアウトは提案している価値が異なりますので、ユーザー向けには1つのプロダクトと見せるとしても、ビジョンに紐づく2つのプロダクト分割することができます。
[縦] より肉厚な価値を提案する
先述の価値をより強めるために、小さな価値提案で肉付けしていくことになります。ロードマップや指標は横方向の価値ごとに検討し、その内訳として縦方向の価値をどのように提案していくのかという戦略を構築するという関係になります。
重要な価値や共通で求められる価値は切り出す
デリバリーの価値が「食べたいものがすぐ届く」であったとして、この価値を提案するためには「アプリ開いたけど食べたいものがない…」という状態を脱しなければなりません。そのため、実は「食べたいものとすぐ出会える」という価値がなければデリバリーの価値を提案することができない、という関係になります。
こういった重要な価値も「プロダクト」として分割して検討をすると重要な価値を蔑ろにせずに済みます。このとき、「食べたいものとすぐ出会える」プロダクトのユーザーはエンドユーザーだけではなく、「デリバリー」プロダクトもユーザーとして捉えてプロダクトマネジメントをするとスムーズです。
まとめ
1プロダクト1プロダクトマネージャー体制を取って、5人PMがいるのであればこのようにプロダクトを分割するのはいかがでしょうか。ジュニアのPMには縦方向の肉付け価値を任せるとよいかとおもいます。
少し前までは各企業にプロダクトマネージャーが一人という体制をよく聞きましたが、最近は複数人いらっしゃる会社さんが多くなってきた印象です。プロダクトマネージャー間での仕事の分担の議論や、プロダクト戦略の解像度を上げることのお役に立てましたら幸いです。
毎度になりますが、これだけが正解だとは思っていません。みなさんが普段のどのようにプロダクトを分割しているのか、ぜひ教えていただけますととてもうれしく思います。