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[ベトナム1084日目]外国人の労働許可証発行の条件が変更!政令70/2023/ND-CP

2023年9月18日、政府は外国人労働者に関する政令第152/2020/ND-CPを修正・補足し、新しい政令70/2023/ND-CPを公布・施行しましたが、具体的な変更点の概要は明記されていません。

① 専門家、管理者、技術者の採用条件の修正

政令70では、専門家や技術者の外国人労働者に対して、「教育を受けた専門分野での実務経験」の要件が一部削除され、「ベトナムで働く予定の職位に適合した実務経験」に修正されました。この変更により、これまで多くの外国企業を悩ませていた大学の卒業専攻と職務内容の一致が不要となりました。

また、管理者とみなされる2つのケースが規定されており、一つ目は企業の支店、駐在員事務所、または営業所の代表者、二つ目は機関、組織、または企業のうち少なくとも1つを直接運営し、それらの代表者から直接指示・管理を受ける人、例えば工場長や技術部長などです。ただし、実務上は地域や管轄当局の担当官によって異なる可能性があるため、詳細な案内については直接管轄当局に確認することが必要になります。

ハノイ市とホーチミン市で発行条件が違いましたということは過去のケースからすれば起こり得ます。

② 労働許可証の発行、更新、免除申請・報告の手続き変更

ステップ①

外国人労働者の採用が予想される職位では、ベトナム人労働者の募集が行われます。この規定は2024年1月1日から適用され、実施期限はステップ2の実施予定日より15日前となっています。

ステップ②

外国人労働者の使用計画は、特定の例外を除いて、確定される必要があります。新しいルールでは、この計画は外国人労働者の使用予定日より少なくとも15日前に実施されるべきです。これは旧政令の30日前の規定と比べて、より柔軟な対応が可能となりました。

ステップ③

労働許可証の発行、更新、および免除の申請・報告は、2023年9月18日から、工業団地、輸出加工区、経済区に本社を置く企業にとって、省または市の労働・傷病者・社会問題局で行うことが必要です。

政令70の発効日前に提出された書類は旧令に従って処理されます。もし旧令の申請書類で準備を進めていた場合、その申請書類が引き続き使用できるかどうか、当局に確認することが必要です。

③ 労働許可証の発行、更新、免除における申請書類の変更

代表者及び管理者の証明には、(1)会社定款、活動規定、(2)設立許可書、または(3)機関、組織の決議または任命の決定書が必要です。専門家や技術者の場合、海外での実務経験証明書または既に発行された労働許可書を実務経験の証明として使用できます。また、外国人労働者のパスポートのコピーは、公証済のコピーまたは会社印が押印されたコピー版を使用することができます。

④ 労働許可証を一度更新後に同じ職位で申請する場合の規定の補足

専門家・技術者の外国人労働者が一度労働許可証を更新し、引き続き同じ職位で働く場合、「特例ケース」としての申請が適用され、この際、無犯罪証明書と専門家・技術者の証明書類の提出が免除されます。

⑤ 労働許可証免除に関する変更

(1)営業許可書を持つ外国弁護士や、(2)ベトナムに居住しベトナム人と結婚した外国人は、外国人労働者の使用計画確定の申請手続きが不要になりました。

特に、ベトナムに居住してベトナム人と結婚した外国人の場合、政令70により、これまでの労働許可証の免除報告から労働許可証の免除申請に変更されました。

⑥ 社名を変更するが税コードを変更しない場合は、労働許可証の再発行が必要

⑦ 労働許可証申請時のフォームの変更

外国人労働者の使用計画や変更計画の説明書No.01、02には政令70のフォームを使用します。また、労働許可証の発行・更新・免除の申請書No.11では、政令152のフォームを使用し、給与項目20は「20. 平均給与/月:…百万ドン」に変更します。

外国人労働者使用状況の報告書No.07も政令70のフォームを使用します。これらは政令70の主な変更点に関する概要と弊社の見解です。新しく施行された政令70では、実務件数がまだ少ないため、申請手続きを行う際には、具体的な案内を受けるために当局に確認することが必要です。

さいごに

政令70の導入により、ベトナムでの外国人労働者の雇用に関する規制が大幅に変更されました。これにより、外国企業と外国人労働者双方に影響が出ることが予想されます。特に注目すべき点は、専門家や技術者の雇用条件の緩和です。教育背景と職務内容の一致が不要になったことで、企業はより幅広い人材を採用することが可能となりました。この変更は、外国企業にとって大きなチャンスを意味します。

しかし、政令70はまだ施行されたばかりで、実務運用の詳細が未確定の部分も多いです。特に、地域や管轄当局によって適用が異なる可能性がある点は、企業が注意を払うべき重要な問題です。具体的な案内や運用の詳細については、引き続き当局のアナウンスを待つ必要があります。

また、労働許可証の発行や更新、免除に関する手続きも変更されており、これに対応するためには、企業と労働者双方が新しい制度をよく理解する必要があります。特に、フォームの変更や申請書類の変更は、事前に確認し、適切に対応することが重要です。

このような変更がある中で、企業と労働者は、新しい政令70に対して十分な理解を持ち、適切な対応策を講じるべきです。十分な情報収集と早めの準備が、スムーズな適応を可能にするでしょう。

参照

152/2020/ND-CP
70/2023/ND-CP

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