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[ベトナム1029日目] ベトナムでのオフショア開発で注意が必要なコミュニケーション5つの陥穽(ワナ)

ベトナムのオフショア開発を担当したマネージャーやリーダーはコミュニケーションに課題を感じる場面があります。ある人は「ベトナム人とはコミュニケーションが取れない」と感じ、ある人は「ベトナム人とのコミュニケーションにはコツ」があると感じます。

今回の記事ではベトナムのオフショア開発のマネジメント時にコミュニケーションで具体的な施策を打つ前の段階で引っかかってはいけない陥穽(ワナ)について解説します。参考になる部分があれば、現場で活用してみてください。

① 前提条件を扱うのが苦手なベトナム人の特徴と対策法

ベトナムのオフショア開発において、時折見受けられる課題が「前提条件の扱い」です。ベトナムの文化や教育に起因するものであり、時にコミュニケーションに影響を及ぼします。例えば、前提条件を確認せずに進めることがあるため、プロジェクトのスケジュールに遅れが生じることも。対策としては、明確な前提条件の共有を重視し、ミスコミュニケーションを防ぐための努力が必要です。相手の文脈を理解し、詳細な確認を徹底することで、効果的なオフショア開発を実現できるでしょう。

② ベトナム人の気遣い感覚の差異によるコミュニケーション課題

ベトナム人と他文化の人々との間でコミュニケーションにおいて気遣い感覚の差異が見られることがあります。ベトナム文化では、言葉に直接的な意味を求めるよりも、非言語的な合図や微妙なニュアンスに意識が向けられる傾向があります。これに対し、他の文化では直截的な表現を重視する場合も。この違いが理解されないと、コミュニケーションに誤解や摩擦が生じることがあります。異文化間の気遣い感覚の違いに気づき、相手の文脈を尊重する姿勢を持つことが円滑なコミュニケーションの鍵となるでしょう。

③ 日本人のハイコンテキスト文化とベトナム人との対比

日本人はハイコンテキスト文化を強く持っており、情報を暗黙の了解に頼る傾向があります。そのため、発話や行動に含まれる意味を察する力が重要です。一方、ベトナム人は地域によって発音が異なるのが特徴で、声調で単語の意味が変わるベトナム語には影響します。社会主義国としての期間も長くなるに連れて、確認する作業は優秀でないことを意味する場面があるため、詳細が不明でも理解したかのような返事をします。異なるコミュニケーションスタイルが交差することで、誤解やコミュニケーションの障害が生じることもあります。相互理解と適応力が大切な要素となります。

④ 整理・要件事実論の不足

ベトナム人のコミュニケーションにおいて、整理や要件事実論をする習慣が不足していることが指摘されています。彼らは情報を伝える際に細かい事実よりも全体像を重視し、抽象的な表現が多い傾向があります。これに対し、日本人のコミュニケーションは細部にこだわり、具体的な事実を重要視するハイコンテキスト文化です。両文化の間には違いがあり、理解を深めるためには相手の背景や文化を理解する必要があります。コミュニケーションにおいては、整理や要件事実論を意識することで、より円滑なコミュニケーションが実現できるでしょう。

例えば、基本設計書が文章で書かれている場合にはサマリーを箇条書きで提供します。それぞれの箇条書きが詳細設計書やコーディング時のレビュー項目、テスト設計書として使用することで仕様の反映不足を防ぐことができます。

⑤ コミュニケーションの鍵を握る言葉選び

ベトナム人とのコミュニケーションにおいて、言葉選びは非常に重要です。文化的背景や価値観の違いにより、同じ言葉でも意味やニュアンスが異なることがあります。相手の立場や感情を考慮し、適切な言葉を使うことで、誤解や摩擦を避けることができます。また、複雑な意見や感情を伝える際には、相手の理解しやすい言葉を選ぶことが大切です。言葉選びによって、コミュニケーションの円滑化や信頼関係の構築が可能となります。

例えば、JLPTという日本語試験によってベトナム人エンジニアたちは自身の日本語力を示します。「N1」「N2」といった等級は耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。JLPTで日本語を勉強していると、漢字2文字の熟語より、それぞれの単語を主に勉強します。

「N2」の難易度から熟語が頻発しますが、忘れてはいけないことは日本語の熟語は無限に感じるほど大量にあるということです。文化庁が選定した常用漢字は2,136字ですが、熟語数で試算すると30,000語を超えます。つまり、日本人が意識するのは「いかに漢字を少なくした文章で話すか」ということです。

さいごに

5つのワナについて解説してきました。異文化間の気遣い感覚を理解する姿勢が円滑なコミュニケーションにつながります。相手の立場を考慮し、信頼関係を築きましょう。外国人同士であること、人間同士であることを理解し、理解されることで良好な関係が築けるはずです。一緒に頑張りましょう。

ではまた。
ありがとうございました。

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