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こんにちは、不妊治療 No.5

「あら、ずいぶん間が空いちゃったんですね」

やはりそういわれた。

約一年ぶりに訪れたIVFクリニック。約一年たってしまったので、前回検査したものもやり直さなくてはならないものがあるよと言われる。
とほほ。
また検査にお金がかかるのか…

「実は、どうしたらいいのかわからなくなってしまって…」と素直に私は話してみた。
夫を介して状況を聞いてはいるが、手術の成果は本当に出ているんだろうか?

すると、「効果は出てると思うよ」と言われた。

ただし、それでも自然妊娠はかなり難しいと思う。
ステップアップは必然だという。
不妊治療の順番といえば、自然妊娠のタイミング法の次は、「人工授精」だ。
ただし、定期検診の今までの数値を見ると、いい時もあるけどがくんと数値が悪い時もある。体外受精を考慮してみては?

「まあ、ともかく。方法はどうあれ、もう一度検査やり直そうか」
「……はい…」
「それに、オズマジョさんの年齢を考えれば、早いには越したことはないと思うけど、
体外をするには仕事のスケジュールの調整必要になるでしょう。
体外の準備はしつつ、ゆっくり話し合ったり考えてみたら?」

確かに、フルタイムで働いてる派遣先にも繁忙期と閑散期がある。
それに、ハンドメイド作家で参加することが決まってるイベントは半年から一年先まである。
それに、体外をやると全く覚悟はできてないというか、できればやりたくない…
だが、もしやる!とやっと決断したとしても、直ぐにはできないみたいだった。
私の通っている病院では、無料で開催される勉強会に参加しないと、体外受精は受けることができない決まりになっていた。

「とりあえず、ステップアップの準備も進めつつ、勉強会を受けてみて考えてみたらいいじゃない?」

存外素直な性格なので、それもそうだなとすぐに納得した。
それに、早いに越したことはないが、焦る話でもないよなと思った。
無理をしてでもやらなきゃいけないことでもないのだ。

そのあと、スケジュールの関係で生理中に受けなきゃいけないホルモン検査がクリアーできずに何か月か過ぎてしまったが、「自分の無理のない範囲で行けばいいんだよな」と自分に言い聞かせ、誰に受けてるわけでもないプレッシャーを押し除けた。
とりあえずは、体外受精についての勉強会に参加をすることとなった。

勉強会の内容は割愛する…というか、体外受精や顕微授精。不妊治療についてのあらゆることの説明でボリューム満点。
短い時間では全然理解できなかったけど。
不妊治療の妊娠率、リスク、費用、この病院のやり方はこうだよという説明などなど…知りたかった事が少しわかった気がした。

とりあえず、私たちは体外受精を決断すべきなんだなと感じたが、やっぱり、金銭面のハイリスクへの覚悟が必要だ。
その面でやっぱり、まだ決断できなかった。

夫にどう思った?と聞くと「うーん…」と唸っていた。
根っからの楽天家なので、はなから体外受精はする必要がないと思ってるらしく、なんで勉強会に参加してるのかも疑問を持ってるような感じだった。
定期的に通っているのに、先生から説明は受けてないんだろうか?
それとも、少し話を自分の都合よくとらえる癖なのかな?
少し疑問が生じた。

私が決断できない理由が、絶対的にお金のことだ。
それに、やるとなったらもう私への負担は絶大だ。
ほぼ、私が頑張るしかない。
それに、自然じゃできない状態の私たちはそもそも諦めるべきなのでは?という気持ちも正直沸いてくる。
自然じゃないことをしてまで、本当に子供が欲しいのか?
そこまで私は思ってるの??

そんなことを思っているときに、テレビで小さな子がひどい虐待の末に亡くなったニュースが流れた。
それはそれはひどい事件で、想像するだけで涙が出た。
なんでこんなことが起きるんだろう。
なんで、そんな所に子供はできるのだろう?
考えたってしょうがないことだが、考えてしまう。

ふと、「養子」という手もあるのでは?と思った。

読んだ本で、不妊治療を数年続けていたが疲れ果てて諦めたのちに「特別養子縁組」という制度を知って申し込んでみたら、たまたまタイミングよく話がまとまり、養子を迎えた方の育児日記があった。

私はそういう手もあるのでは?という気持ちがわいてきたが、こればっかりは私だけの考えでは出来ない。
まず夫にこういうものがあるという話をしてみた。

体外受精にステップアップしたら、おそらく最低1回100万くらいかかるだろう。
助成金が出るにしたって、初回最大30万しか出ない。その後は10万程度。
とてもきつい。
しかも、それでも出来るかどうかもわからない。
私の負担もすごく大きい。
そこで、思ったのだけど特別養子縁組という制度もある。
どうしても子供が欲しいという希望なら、そういう手もあるというのを知ってるか?
少し考えてみてくれないか?

答えは、「ノー」だった。養子というのは、ちょっと抵抗があるという。

夫がそういうならしょうがない。
分かった。
これはこういう手もあるという事を知ってもらうだけでも良かった。

ちょうどその時、フルタイムでの派遣の仕事が、前々から作家業も忙しいのもあっての希望がやっと通り、次回の契約から週4勤務が決定した。
休みの曜日は固定せず、変動型にもしてもらえた。
これで、平日突然病院に行くことになっても、休みを充てることができる。
それに、時間に追われすぎていて、キリキリしているのがやっとこれで少し余裕が出るのでは?

ぐっと気が楽になって、病院通いを再開することにした。

長くなってしまったので、今日はここまで。

遅々と進まない話にお付き合いいただきありがとうございます。

また近いうちに。

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