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公立高校教員の勤務時間

 高校教員の私の実状の勤務時間の内訳を、おおざっぱに計算してみました。
 あまり詳しくは知られていない、教員の仕事の現状を他の方にも知っていただき、新しい「学習指導要領」の、学校と社会が連携・協働する「社会に開かれた教育課程」の実現につながってほしいと願います。

担当授業の時間は、時間割の中で週18コマ

 都道府県によって違うのかは把握していませんが、私のところでは担当する授業時間は週18コマ(18時間)です。教員の数(教職員定数)は、法律*によって決められているようですが、この担当授業の持ち時間というのはどこに規定があるのかは私は知りません。私はクラス担任の業務をしていますが、特定の主任等の担当業務の場合、18時間より少ないこともあります。
 異動により教員メンバーが入れ替わった年度当初の4月には、各自の授業の持ち時間が18時間になるように調整します。ちなみに、私が勤務している高校の1週間のコマ数は、一日6コマ×5日=30コマ です。
 *公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律(昭和36年法律第188号)

勤務時間の半分くらいは、授業関連の時間

 1週間の勤務時間=8時間×5日=40時間。高校教員の1週間の授業の持ち時間は週に約18時間。一コマの授業時間は50分、毎時間の準備時間を平均20分(これは人それぞれ。)とすると、授業だけで70分×18時間=21時間。

 勤務時間の半分くらいは、授業関連の時間となっています。

 残り時間19時間を一日平均すると、3時間48分。朝礼や朝のSHRや掃除などがあるので、

 一日平均3時間は授業以外の他の何かに使える計算になります。

 しかし、部活、会議、テストの作成・採点と評価、授業以外の学校の業務(分掌業務っていいます。)学校行事やその準備などしていると、

 あっという間に3時間は経過してしまいます。

 ちなみに、部活動に関しては、私の担当は文化系がメインで、長い間、運動部を担当していませんが、運動部担当の先生は、日々の練習、生徒の対応、大会準備、他校との連絡等、部活動に相当な時間を費やしているように思います。

何か新しいことをはじめたり、チャレンジしたりするクリエイティブな時間がほとんどない

 仕事時間の半分を使っている授業を、生徒にとっても自分にとっても有意義な時間にしたいと思う限りです。しかし、充実した授業を実現するための十分な準備の時間がありません。いくら時間を上手にやりくりしても限界があります。根本的に学校の運営の仕方や システムの変更が必要になってきていると思います。
 小学校や中学校はもっと時間的な余裕がないんじゃないでしょうか。

これからの社会を創り出していく子どもたちに、学校以外の方も関わっていく時間

 誰にとっても、子どもたちはかけがえのない存在です。学校の先生は、子どもたちに有効で有益な関りをしたいのですが、そのための十分な時間が確保できていないのが現状だと感じます。
 新しい「学習指導要領」には、学校と社会が連携・協働する「社会に開かれた教育課程」について書かれています。学校でできることは限界に近づいています。だからといって学校以外の方に丸投げということではなく、教員以外のみなさんの考え方や価値観をこれからの社会を創り出していく子どもたちと共有していく時間が増えていけばいいなと私は思っています。

#教育 #教員 #現職教員 #社会に開かれた教育課程 #いま私にできること #教師のバトン

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