掌の渚
青く光る渚を切り取って
掌に乗せてくれた貴女へ
伝えたいことがあります
わたしの大切な女の子は
美しいものに心奪われ
笑顔の秘密を知りません
心響かせたいと思っても
あの子の心を動かすものは
人の顔より世界の不思議
空や海 木や花 光に触れ
ひとり心を震わせている
そっと青い渚を掌に乗せ
同じことを見つめた刹那
あの子の世界に届いたの
渚の続きの空の広がり
青色に光り弾けるしずく
細く連なる銀色の糸が
妙なる調べを奏でる様に
あの子と私の心を揺らす
それはとても
とても美しい時でした
青色の渚を切り取って
掌に乗せてくれた貴女へ
渚が照らした光があります
いつかいつか貴女の掌へ
お返ししたいと思う光です
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